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2019.11.10:フリーペーパーVol.44発刊!

大学入試で共通テストを行う意味ってそもそも何だろう?

英語民間試験導入見送り、共通テストを実施する意味

文部科学省が教育改革の一つとしてきた、「大学入試共通テストにおける英語民間試験の導入」の見送りが決定しました。

改革の内容は、民間で実施される英語試験の成績を共通テスト英語科目の成績として採用する、というものでした。

しかし、各家庭の経済状況によっては高額となる受験料や、受験会場までの移動費、宿泊費、都市と地方で大きく異なる受験機会の違いなど、受験生の間における平等性を保つことが出来ないという点で、制度は実施前から不安視されていました。

そしてこの11月、受験生に受験用IDが発行されるタイミングで、英語民間試験の導入は見送りになったのです。

英語民間試験延期

大学受験において、全受験生に同じ内容の試験を課す「共通テスト」の始まりは、1979年開始の「共通一次」までさかのぼります。

さらに1990年には、試験問題の内容に大きな変更の無いまま科目間の配点など若干の変更があり、共通一次は「大学入試センター試験」に引き継がれ、昨年度まで毎年実施されてきました。

複数基準の問題点

実用的な英語運用能力を測ることを目的に、文部科学省は、マークシート試験では測定の難しい「読み・書き・聴き・話す」4技能を、民間の英語試験の成績を利用することで判定すると決定しました。

その結果、文科省の認可する英語の民間試験として、英検、TOEIC、IELTSを含め、全6種類の英語検定試験が決定しました。しかし、それぞれの試験は問題内容、難易度、試験形式などのあらゆる面で特徴が異なるものです。

同じ受験生であっても、大学に提出する試験としてどれを選ぶかによって、英語の成績は異なってくることさえ予測されています。

平等な評価

その他、大学入試共通テストでは、国語と数学でも記述式問題の採用が決まっています。採点には、アルバイトで雇用された学生まで関わることも現時点で明らかになっています。

国語と数学の記述式問題を複数の採点官で採点するということは、採点結果の平等性などがもはや期待できないことを意味すると思っておいていいでしょう。

なぜ、内容がバラバラで多種にわたる複数の民間の試験を、大学入試の英語科目の評価基準にしたのかという点については、疑問でなりません。

確かに、英語4技能の本質的な達成度を測るという意味で、従来の共通一次やセンター試験が、十分な測定基準になっていたかといえば、それも疑わしかったと言わざるを得ないでしょう。

しかし、全国で60万人近くの受験生が一斉に同じ問題を解くという条件で、同じ内容の問題をマークシートという完全客観形式で担保できた、かつての共通一次とセンター試験は、どちらもとても平等なテストだったように思います。

同じ条件において、各受験生がどれだけ正しく対応できるかという能力を判定するという意味では、とても意味のある試験だったということです。

ただ、それでは、それが英語の試験なのか、適応力を測る試験なのか分からなくなるという疑問は残りますが。

共通テストの持つ意味

共通テストから「平等」の要素を抜いてしまったら、その試験が学力のどれだけ深い部分まで測る力ができたとしても、共通テストの持つ本来の意味からは大きく外れてしまうでしょう。

家庭の経済状況や地域差に関係なく、現在の学力と学習意欲の高い者であれば、誰でも平等に学ぶ機会が得られるといった大学の信念に、新しい試験制度は反するところがあったのかもしれません。

ただ、従来のセンター試験も、総合的な学力をはかる物差しとして完璧というわけではなかったと思う受験生も、大勢いたでしょう。

それでも、受験生がマークシート問題に熱意を持って挑戦し懸命に取り組んできた理由には、努力が正当に結果として反映される公平なテストとして信頼を集めてきたからではないでしょうか。

英語民間試験導入に関係して、試験実施団体との特殊な関係についても後に報道されることとなりました。

新設された共通テストで、そういった平等性を担保することは、もはや難しいだろうと言わざるを得ません。

かつて揶揄されたこともある「事務的にさばく」だけの試験にも良さがあって、それは、学力以外の要素が絡まない、感情の伴わないぶっきらぼうなところにあったのではないかと、あらためて思い知らされるのです。

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