私には、以前長期的にひきこもっていた時期がありました。
そんな時、ある方にひきこもりの自助グループを紹介され、そこに通うようになっていろいろな方と話し、つながりを持つことによって少しづつ元気になって、ひきこもりからも脱することができました。
しかし、悲しいことにそこでの仲間や友人の中にいた方の中には、色々なことに悩まれていて将来に絶望したり、理由もわからず自殺する友人・知人もいました。
また、ひきこもりの仲間ではないのですが、すごく親しくしていた友人を自殺で亡くしてしまいました。(精神疾患を患うようになったのも、原因の一つかもしれません。)
https://twitter.com/nachinachi0907/status/771884842464055296
また、別の親しい友人にも自ら命を絶った人がいます。
その友人の場合は、久しぶりに電話がかかってきたのですが、当時私がひきこもっており電話で人と話すのが怖い時期だったため、電話に2〜3回ほど出れないというすれ違いが起きた時期がありました。その後、私の体調も良かったこともあり、また電話がかかってきた際はためたわいもない会話をしました。しかしその後、これといった特定の理由は未だにわかりませんが、自殺してしまいました。
わたしは過去にこのような経験をしてきて「あの時の行動・判断は正しかったのだろうか?」「もっと、こうしていれば自殺を防げたのではないか」と、深い後悔の念に駆られることが多々ありました。
9月1日になると、新学期初日ということで子供の自殺率が増える。そのため、近年「学校へ無理して行かなくていいよ」という論調が増えている。しかし、注意したいのは、自殺はかならずしも「いじめ」「友人関係」だけが要因でないこと。(これは子供の自殺理由の統計を見ても明らか)
— 石井光太 (@kotaism) September 1, 2016
そんな時、鹿児島市にある精神保健福祉交流センター(はーと・ぱーく)さんで、ゲートキーパー養成講座(初級編)というものがあるのを知り、強い気持ちを持って参加しました。
まず、ゲートキーパーって何?という方もいらっしゃると思うので、簡単に説明しようと思います。
「ゲートキーパー」とは、自殺の危険なサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができるひとのこと。
講座はまず、保健所の方のお話から始まりました。
9月10日は、WHO(世界保健機関)が世界自殺予防デーと定めており、日本でも内閣府が9月10日〜16日迄を、自殺予防週間と定めています。
鹿児島市でも、市民のひろば(鹿児島市の広報紙)で、「命を大切にしましょう」とよびかけたり、自殺予防や心の健康を支援する無料相談窓口の案内が書いたカードを配布したりしています。
9月1日が過ぎても自殺予防と自殺対策は毎日続くし続けねばならないこと。メディアのみなさまには今日だけでなく、ふだんも力を貸して頂きたいです。9月10日は世界自殺予防デー、それから自殺予防週間。大切なのは1日だけでなくて9月全体がハイリスクな月であること。
— 藤野英明(横須賀市議会議員・無所属) (@ycc_hf) September 1, 2016
驚いたのですが、私の住む鹿児島市では毎年100人程自殺で命を落とす方がいるそうです。「そんなにたくさんの人が、自殺でいのちをおとすのか。」とショックを受けました。
そして自殺を防ぐ手段として「まずは周りが気づいて専門家の所につないで下さい」とのことでした。
その後、悩みを抱えた人たちに対し「誰に一番相談していると思いますか?」という質問がありました。結果は「相談していない」そして、7割の方が「相談するところを知らない」と答えたそうです。
https://twitter.com/misato19990910/status/771995329625333760
また、鹿児島市で毎年100名ほど自殺しているという事実を知っているのは、7%しかいないそうです。
保健所でも、自殺予防や心の健康を支援する無料相談窓口の案内が書いたカードを配布したり、設置しています。カードの色は、4色あるんだそうです。
また設置場所にもこだわっており、「どこが取りやすいか」というアンケートの結果などにより、あえて人がいない場所やトイレなどに設置しているのだそうです。
メインの臨床心理士さんの話では、ゲートキーパー養成講座「悩んでいる人にあなたができること」という題目で、資料やDVDなどを見ながら学びました。
まず、全国の自殺の現状の資料を見ました。
平成10年以来、14 年連続して3万人を超える状況が続いていたが、この3年は連続で下回っています。(*平成27年約2万4千人)
また、全国でも鹿児島でも40代〜60才代の自殺が多いといいます。明らかになっているものだけ出した自殺の原因・動機は、第1位が「健康問題」、第2位が「経済・生活問題」なのだそうです。
健康問題では、うつ・統合失調症・アルコール依存・精神疾患の方から、ガン・難病の方など様々だといいます。
経済・生活問題では、負債が多いということ。多重債務により、生活がたちいかないとのこと。
また、家庭問題では親子の死別が多いそうです。(内閣府自殺対策推進室 概要資料より)
臨床心理士さんのお話では、医療機関や専門家の相談を受ける前に自殺する方が多いため、身近にいる人やゲートキーパーがカギになるということでした。
私の叔父が9年前に自殺をしてしまったこと、私自身も出産・離婚などで、自殺を考えてしまったこともあり、少しでも何かの役に立てることがあればと日々考えていました。まずは、来月のゲートキーパーの研修をしっかり受けてこようと思います!
— もーち (@saslove2003) September 1, 2016
また、医療機関でも「友達に勧められて来ました」という方が多く、現場では「身近な人が支えてくれているんだなぁ」と感じるそうです。
また、ゲートキーパーの役割として大きくわけると以下のような項目があります。
◎気づき:家族や仲間の変化に気づいて、声をかける
◎傾聴 :本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
◎つなぎ:早めに専門家に相談するよう促す
◎見守り:温かく寄り添いながら、じっくりと見守る。
*出典 ゲートキーパー手帳(第2版)
また、自殺を考えている人はどんな心理状態にあるのか?という話もありました。知識として知っていると、心構えもできると思いました。
そのほか、ゲートキーパーとして関わる時の心得も学びました。
- 自分の心の準備、温かみ、真剣に聞く。
- 否定・非難をしない。
- これまでの苦労をねぎらってあげる。
- 心配する。
- ゆっくり話す。
- 一生懸命、一緒に考える。
- つなぎ先(相談窓口)も知っておく。
*ゲートキーパー手帳(第2版)より、一部抜粋
などです。
そのほか、全国的に自殺が多い50〜60歳代の特徴として、仕事では部下も上司もいて板挟みなりやすいことから大きな悩みを抱えてしまったり、家庭も支えなければならないというプレッシャーがあります。
また、退職した方は仕事に向けていたエネルギーをどこにむけようか?という空虚感に悩んでしまうようです。この年代の方は、配偶者・身近な人との死別という経験も多く、自殺の原因となっているということもあげられます。
その後、DVDを見て声かけの工夫についても学びました。
例えば、
- 「なにか困っていることはある?」
- 「私に手伝えることはある?」
- 「眠れている?」
- 「食べれている?」
などです。
*出典:臨床心理士 笹川裕美氏 当日資料より一部抜粋
また、言葉の意味を汲んで寄り添うことも大事だと気づかされました。
「死にたい」 → 死にたいくらい辛い
この『辛い』気持ちに寄り添うという話は、目から鱗でした。
*臨床心理士 笹川裕美氏 資料より抜粋
そのほか、臨床心理士さんから表情・言動・服装などから雰囲気を感じるという話もありました。
私もそうなんですが、ぎりぎりになるまで「助けて」とSOSを出したり、人に頼るのが苦手な方もいます。普段元気な方が、元気がない時「大丈夫?」と一言声かけすることから始まられたらいいなぁと思いました。
3月には「ゲートキーパー養成講座スキルアップ編」という講座が開催されるとのこと。内容は、相手の話の聴き方に関する内容が中心とのことで、また参加したいと思います。
「私に何かできることがあれば…」少しでもそういう想いがある方は、無言のSOSに気づいてあげられるよう周囲に目を向けてみることからはじめてみるといいかもしれません。
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