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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

森進一「冬のリヴィエラ」夏に聴く冬の名曲

以前の彼女のこと「あいつ」と呼べますか?

曲は、こんな歌詞から始まります。「彼女(あいつ)によろしく伝えてくれよ 今ならホテルで寝ているはずさ」。リヴィエラとは地中海の一部地域の海岸を指し、イタリア語で一般的に「海岸」を意味します。

歌詞読解

作詞:松本隆、作曲:大滝詠一、唄:森進一から届けられる、冬の友情通信「冬のリヴィエラ」は、現在を生きるあなたに青春時代へ続く1筋の階段を下ろすものです。

置き去りにした女性を思っての男の気持ちが書かれた歌詞。でも、内容は少し勝手な男という印象。森進一、大滝詠一、松本隆が、ともに自分都合で行動することの多い団塊世代の生まれだと知ってはいても、今の男性が同じ行動をとったとして、曲の発売当時と同じだけの共感が得られるかどうかについては難しいところでしょう。

上手に隠した指輪

2番の歌詞。「別れの気配をちゃんと読んでて、上手にかくした旅行鞄にはずした指輪と酒の小びんさ」。男から別れを宣告される前から女性は男性の本心を悟っていたということです。予め指輪を外しておいて眠るため、「酒」の小瓶も用意しておくという準備の良さが哀しさを演出しています。

哀しければ哀しいほど黙り込む

登場人物は、なぜかしら黙り込むことの多い男です。歌詞を読んでみると、眠ったままホテルに残してきた女性に、何も言わず出てきたようです。では、なぜ「哀しければ哀しいほど黙り込む」という歌詞が生まれたのか。自分を「港を出て行く船」に例え、ホテルを1人出て桟橋に来てみたらアメリカからの貨物船が停泊していた。今から港を出ていくその貨物船を自分と重ね合わせ、船のように自分も出港したいという思いに駆られたのかもしれません。「哀しければ哀しいほど黙り込むもんだね」という独白が生まれるほど男は黙り込むだけの哀しみに打ちひしがれています。

美しい自己満足

大滝詠一のメロディーも松本隆の言葉も、森進一の声も、どれも透明感あふれる素敵な世界を構築しています。しかし、眠っているからと言って何も語らず黙って出ていくことを女性自身が希望していたかどうかについては疑問の残るところ。「泣いたら窓辺のラジオをつけて陽気な唄でも聞かせてやれよ」という気遣いも、女性にとっては余計なお世話で男の自己満足かもしれません。徹底的に男目線で書かれた曲は、昭和50年台あたりまで度々目にしてきました。歌詞にタバコや酒が頻繁に登場したり、吸い殻を足元で消すような表現はコンプライアンス的に今なら書けない内容かもしれません。雰囲気があったことは確か、ながらも現在には現在の含みが言葉からにじみ出るものを書いていかなければならないと胸に誓うのです。

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