特別支援学校の生徒対象の搭乗支援プログラム
ANA(全日本空輸)が8月からホームページ上で、本格的に募集開始予定の「ANAそらぱす教室」。特別支援学校の生徒を対象にした搭乗支援プログラムです。「そらぱす」は「そらのたびへのぱすぽーと」の略称。事前に知識を学んだり、疑似体験をすることで不安を払拭し、安心して飛行機を利用してもらうのがこの「そらぱす」のねらいです。
きっかけは先生でした。
【「修学旅行で飛行機不安な生徒、安心させたい」 初の「ANA そらぱす教室」開催背景】https://t.co/VlIvfxBF7Z
— 乗りものニュース (@TrafficNewsJp) 2019年7月20日
障がい者の搭乗率は1%以下
飛行機に搭乗する障がい者は、全体の1%以下といわれています。この数字をみると、まだまだ障がい者にとって、飛行機に乗ることはハードルが高いんだなと思います。なぜ、障がい者の搭乗率はこんなに低いのでしょうか?
障がい者が飛行機を利用しようと考えた時、多くのバリアを想像し不安になるとよく聞きます。特に、幼い頃から障がいをもっている人にその傾向が強く、飛行機旅行を躊躇してしまうことが多いようです。
でも、事前に疑似体験をしてみたらどうでしょう。おそらく、自信がついて「乗ってみよう」と思える人も増えてくるはずです。
修学旅行前の出張授業
修学旅行を前に、生徒が抱えている飛行機に乗ることへの不安を払拭するために、出張授業をして欲しい…「ANAそらぱす教室」は、特別支援学校の先生のこんな依頼から動き出したプロジェクトだそうです。
実際に、ANAのスタッフが特別支援学校に出向き、直接生徒たちに授業したことで、これをプログラム化してはどうかとの話になり、プロジェクトが始動しはじめたとのこと。
第1回目の「ANAそらぱす教室」は、2019年7月19日に東京都板橋区にある筑波大学付属桐ヶ丘特別支援学校で行われました。
ANA、中高生の障害者が不安なく飛行機で修学旅行に行ける為の出張型事前教室「ANAそらぱす教室」をスタート。第1回は、筑波大学付属桐が丘特別支援学校の高校1年生・2年生の肢体不自由で電動車いすで生活している8名を対象に実施された。https://t.co/b7840zZT3F
— 西区身体障害者団体協議会 (@kusinkyou) 2019年7月22日
座学と疑似体験
「ANAそらぱす教室」のざっくりとした内容は、座学として
- ANAホームページに掲載されている「おからだの不自由なお客様へ」の説明
- 専用カウンター(SPECIAL ASSISTANCE)での搭乗手続きの注意点
- ANAで貸し出す車いす
- 座席指定するときのベストな席
- 車いすでそのまま通過できる保安検査場
- 飛行機への搭乗
- 機内での移動
を学んでから、空港で使われる樹脂製車いすと機内で実際に使われている車いす、実際のシートも用意され、サポートベルトの疑似体験も行ったそうです。
これだけの配慮を航空会社がしていることを学んだら、今まで持っていた飛行機搭乗への不安が少しは和らぐことでしょう。
ANA、樹脂製車いす羽田に導入 保安検査そのまま通過 https://t.co/3RFy95XmEg #ANA #羽田空港 #車いす pic.twitter.com/49YkECX8PS
— Aviation Wire (@Aviation_Wire) 2016年4月21日
当面は首都圏が対象。でも…
8月からANAのホームページ上で募集を開始する「ANAそらぱす教室」は、当面、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城)にある特別支援学校の中高生が対象になります。鹿児島に住む私たちにとってはちょっと残念な気がします。
でも、担当者は「全国のANAグループ社員に知ってもらい、各空港スタッフが地方でもそらぱす教室を実施できるようにしたい」と話しています。
全国の特別支援学校で、あたりまえのように「そらぱす教室」のような出前授業が開催されるようになると、より多くの子だもたちが空の旅を不安なく楽しめるようになるでしょう。
ぜひぜひ「ANAそらぱす教室」、全国各地で開いていただきたいですね。
これはすばらしすぎる取り組み!!飛行機に乗れれば世界が一気に広がる。ANAにとっては社会貢献+未来のお客様になるし。僕らにとっても、ANAならちゃんとサポートしてもらえる、というメッセージにもなる。https://t.co/YKklX14JHN
— しまだひであき (@shimadahideaki) 2019年7月23日