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JAL、ANAなど10社で精神障がい者割引導入へ

航空会社の障がい者割引「精神障害者保健福祉手帳」所持者へ拡大

日本航空株式会社(JAL)や全日本空輸株式会社(ANA)など航空会社10社が、国内線の障がい者割引の対象を精神障がい者へ拡大するとのニュースが9月21日に入ってきました。私が最初にこの話題を知ったのは、友人のFacebookからの情報でした。当事者のひとりとして「嬉しい気持ち」と「やっとだな」という両方の思いがありました。なぜ、精神障がいだけがなかなか認められないのだろう? と思っていましたから。

割引を精神障がい者に拡大した10社

JAL本体とJALのグループ会社の計6社、ANA、ソラシドエア、AIRDO、スターフライヤーは、等級に関わらず「精神障害者保健福祉手帳」所持者と介護者1名までが障がい者割引を受けられることを明らかにしました。

JALグループは10月4日分から

JAL・ジェイエア・日本エアコミューター・日本トランスオーシャン航空・北海道エアシステム・琉球エアコミューターの6社は、10月4日予約受付分から割引を精神障がい者に拡大するとのプレスリリースを発表しています。「身体障がい者割引」「身体障がい者特別乗継割引」の一部変更の中で、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている搭乗者も加えられています。

ANA・ソラシドエア・スターフライヤーは1月16日分から

ANA・ソラシドエア・スターフライヤーの3社は、身体障がい者割引運賃の適用変更のプレスリリースを発表しています。「身体障がい者割引運賃」の名称を「障がい者割引運賃」に変更し、2019年1月16日から精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている満12歳以上の搭乗者に適用される予定です。

AIRDOは1月末分から

AIRDOでも、身体障がい者割引運賃の適用変更のプレスリリースが発表されています。「身体障がい者割引運賃」の名称を「障がい者割引運賃」に変更し、2019年1月末から精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている搭乗者に適用される予定です。

精神障がい当事者としての複雑な思い

冒頭でも、「嬉しい気持ち」と「やっとだな」という両方の思いがある、と書きました。やっぱり、複雑です。「障害者差別解消法がなかったら、精神障がい者を割引の対象に入れなかったでしょ」というのが、私の正直な気持ちです。法律があるから仕方なく対象にする…そう感じる私の姿勢が斜に構えすぎでしょうか。精神障がいの当事者のひとりとして、どうしてもそう思ってしまうのです。

とはいえ、精神障がい者の行動範囲は拡大する

最大で半額になる路線もあるという、今回の精神障がい者を対象に加えた、航空会社の障がい者割引の導入。収入面で不安のある精神障がい者にとっては大きい改定です。「早割の方が安いから意味ないんじゃないの」と思う方もいるでしょう。しかし、精神障がい者の中には、先の出来事に対して不安を持つ人が多く、遠出をするタイミングをはかるのは難しいものがあります。思い立ったタイミング、かつ、調子のいい時に航空券を障がい者割引運賃で買って旅行をすることで、今までより精神障がい者の行動範囲は拡大するでしょう。

パフォーマンスに終わらせないで!

航空会社10社が導入予定の、精神障がい者も加えた障がい者割引。複雑な思いはありながらも、嬉しい思いもやっぱりあります。

ただ、これがパフォーマンスに終わらないで欲しい!

2020年に向け、わかりやすい部分で「精神障がい者を疎外していないよ!」と国内外にアピールしているんじゃないか、と私は心の端っこで思ってしまいます。

こんな自分たちのようなひねくれ者でも納得するような、疑わしい気持ちが晴れるようなそんな制度が、日本全国で導入されるといいなと思います。今回のような話題が特別ではなくなり、「あっ、いいね。この制度、この取り組み」と素直に思える日本になると幸せかもしれません。

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