人間万事塞翁が馬、青は藍より出でて藍よりも青し
平易で分かりやすい表現が良い日本語として推奨される今、普段の会話で凝った言い回しの「ことわざ」を使うことは敬遠される流れを感じます。しかし、ことわざには、的確に言い当てることの難しい内容をスッキリ分かりやすく納得させる力があります。知ってるつもりだったことわざに「本当はこんな意味だったのか…」と再認識させられる機会があるかもしれません。ことわざの世界でことば遊びを楽しんでみましょう。こんなことわざ、あんなことわざ「知ってるつもり?!」
人間万事塞翁が馬
古い中国のお話、前漢時代の書物「淮南子」人間訓より。昔、中国の北辺の砦に住んでいた老人の馬が隣国に逃げました。馬の持ち主である老人が「馬を失ってしまった…」と落ち込んでいると、その馬がもう一頭の若く賢い馬を連れて戻ってきました。「馬が一頭増えた」と喜んでいると、老人の子供が連れられてきた馬に乗って落馬し、脚を骨折してしまいました。「馬が来なければケガもしなくてすんだのに…」と老人が嘆いていると戦争が起き、子どもはケガをしていたおかげで徴兵を免れ、生き延びることができました。
禍福はあざなえる縄のごとし
このように、良いと思ったことが後々起こる悪いことの原因となったり、悪いと思ったことが後々の良いことを引き起こしてくれたりするなど、人生で起きる様々なことはすべて一概に良い悪いと決めつけ、「一喜一憂」できるものではないことを示しています。同様の意味で「禍福はあざなえる縄のごとし」とも言われるように、将来いったい何が役立ち何が災難となるかは、誰にも分からないことなのです。
青は藍より出でて藍よりも青し
では次。青という色は「藍草」という染料の植物から染め出すものです。藍の色に染めた布のことを「藍染め」などと呼びます。「青」は「藍」から生まれた色でありながら、その青さにおいて生みの親である藍を超えてはるかにあざやかな青色になります。その様子を師弟関係に置き換え、弟子がその能力において師匠を超え、実力的に優れた能力を持つ様子を「藍草」から生まれる「青色」に例えました。現実の世界でも、若い弟子が高い才能を示し早くから師匠を超えてしまう例は多くあります。最近の出来事で言えば、プロ棋士の藤井聡太七段などが挙げられるかもしれません。「「青」は藍草から生まれた色であり、青がどれだけあざやかに青色であろうとその源は変わりなく「藍」だ。しかし「青」はその青さにおいて「藍」よりもはるかに青く、もはや藍は青さにおいて決して「青」に勝つことはできない」様子を示した言葉が、「青は藍より出でて藍よりも青し」と言えるでしょう。
まとめ
ことわざはうまく使うと伝えるための便利な手段になります。失敗すると少しカッコ悪くなるかもしれません。だから、意味もしっかり理解してことわざを上手に使いこなしましょう。それが、あなたの知性を上品に仕上げる、最適な香辛料になるはずです。
「満足感は達成の中ではなく努力の中にある。完全な勝利とは全力を尽くすことだ」
”Satisfaction lies in the effort, not in the attainment. Full effort is full victory.”
―マハトマ・ガンジー(活動家、インド)
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