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2024/4/10:フリーペーパーvol.97発刊!

東京パラリンピックまで500日!「パラリンピック」についてもう一度考える

パラリンピックのメリット・デメリット

東京2020パラリンピック競技大会開催まであと1年と135日。あっという間に開会式当日を迎えることになるのでしょう。2020年8月25日から9月6日まで全22競技が行われる東京パラリンピック。

4月13日(土)は東京パラリンピック開幕まであと500日と節目の日となるため、ららぽーと豊洲にてイベントが開催されたり、パラリンピックのシンボルカラーをイメージしたライトアップがタワーホール船堀(江戸川区)や町田市庁舎で行われる予定です。

パラリンピックを目指すアスリートの方々には、自分の目標・夢に向かって突き進んでいただきたいと思う一方、活躍するパラアスリートを目にすることで「どうせ自分は…」と思ってしまう一般の障害者がいることも忘れてはなりません。

今回は、パラリンピックのメリットとデメリットをあげて、わたしたちがパラリンピックとどのように向き合っていけばいいのか、もう一度考えていきたいと思います。

パラリンピックのメリット

パラリンピックが開催されることによって、町並みが変化したり、障害者の見方が変わったり、生きる力を得られる方が出てきたりと、社会にさまざまな変化をもたらしてくれます。

生きる意味を見い出せる

パラリンピックが生きる力になったという言葉は、多くのパラアスリートから聞かれます。交通事故などで、今まで出来ていたことが突然出来なくなってしまった中途障害者は、自分ができることを見つけたとき、燃えることができると思ったとき、勝負できる場所があると気づけたときなどに生きる意味を見い出せるのかもしれません。

障害者を少し身近に感じる

日常生活で障害者と過ごすことが多い方と、全く接点がない方と両極端だと思います。関わることが多い方はあまり差別したり、偏見をもったりすることはないように感じますが、知らない方はイメージでそのような感情をもつ方が結構いる感覚があります。

パラリンピックが近づくと、パラスポーツの露出が増えますし、パラアスリートがCMやテレビ番組に出演する機会が多くなります。障害者に関する話題も増えてくるため、少し障害者を身近に感じる感覚が出てくるかもしれません。

バリアフリーの意識が高まる

2016年のリオパラリンピックでは、159の国と地域から4,342名のパラアスリートが参加しました。また、パラリンピック期間中、リオを訪れた観光客は24万3千人といわれています。東京にも多くの方が訪れることが予想されます。

パラアスリートはもちろん、観客の中にも、車いすユーザーや視覚障害者、高齢者など移動に制約がある方が多く含まれています。このため、パラリンピック開催地は、公共交通機関や競技会場、宿泊施設などのバリアフリー化が求められます。必要に迫られることもあり、バリアフリーへの意識は自ずと高くなるでしょう。

パラリンピックのデメリット

パラリンピックムードが高まると、ハイパフォーマンスをみせる障害者がもてはやされます。「なんでこんなことできちゃうんだろう !? 」とほんと凄いと思いますし、命を削って戦っているアスリートに感動をおぼえることもしばしばです。

一方で、一般の障害者の中には、パラアスリートの活躍を観るのがつらいという方もいらっしゃいます。

どうせ自分は…

パラアスリートの凄さは認めるものの、このような能力をもっている方は障害者のほんの一部です。ごく一部の凄い障害者がもてはやされることで、スポーツの苦手な障害者、やろうと思ってもなかなか身体がついてこない障害者は、つらい思いをしていると聞きます。

パラリンピックで活躍するパラアスリートを観ることで、「どうせ自分は…」そんな思いをしている方がいることも考えておかなくてはなりません。

能力主義

競技スポーツの多くは勝負事ですから、順位がつきます。パラリンピックでメダルを獲得した選手は話題になりますし、テレビなどでの露出が多くなります。いわゆる、能力の高い障害者の活躍がもてはやされることは当たり前のことだと思います。

でも、そこばかりがフューチャーされることは、能力が高くないと思われている障害者にとってはかなり厳しいものです。残存機能によって、できる能力に差が出ることはしょうがないことだと思いますし、どうしようもないことですから。

能力・価値・存在意義…障害者をそれだけで判断してしまいがちな風潮はどうにかしたいものです。

パラリンピックとどう向き合うべきか

パラリンピックのメリットとデメリットを考えていきました。もちろん、これ以外にもたくさんあると思います。

このようなことを踏まえて、わたしたちはパラリンピックとどう向き合っていくべきでしょうか?

パラアスリートの生きざまから多くの学びを得ながら、このような方々はごく一部だということを理解すること、さまざまな障害があることを知ること、そして、自分の生きがいや可能性をまだ見つけられていない障害者がたくさんいることを、パラリンピックを通じて感じていただければいいのではないかとわたしは思います。

パラリンピックがパラアスリートにとっても、一般の障害者にとっても、それ以外の方々にとっても、やさしく、強く社会とつながっていくための道具になればいいなと思っています。

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