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障害者あるある。「頑張りなさい」の言葉の背景を考える

その言葉、なぜ伝えたくなるの?

わたしはパッと見ただけで分かる「障害者」です。
そのためか、出合い頭にこのような言葉を掛けられることがあります。
「頑張りなさい」「かわいそうに」
障害がある人にとって、なじみ深い言葉でしょう。
なぜ、その思いを心のなかに留めず、あえて伝えてしまうのでしょうか。

その涙は突然に…

少し前の出来事です。
その前にいいことが起こり、わたしはウキウキと出掛けていました。
そんなとき…


「頑張りなさい」はまだ言われ慣れているのですが、「元気になりなさい」とは!
なかなかの衝撃でした(苦笑)。
ウキウキした気持ちは、すん!と落ち着き、どういうことだろう…と少し考えてしまったのです。

双子で障害者。幼い頃に投げかけられた言葉たち

わたしは双子で、ふたりとも同じ障害があります。
幼いとき、母と3人で出かけていると
ひとりでも大変なのに!大変でしょう
親に迷惑をかけないのよ
いいご両親でよかったね
などの言葉を、通りすがりの人に度々言われました。
いまでしたら、笑顔で 「そうですねー!(そんなことを言ってくる親じゃなくてよかったです!)」と言えるのですが (笑)。
その頃のわたしにとっては一大事。
「わたしは見ず知らずの人に、そう言われる存在なの?なんで、お母さんは笑って答えるの?」と泣いて訴えたことがあります。
訴えるべきは、そんな通りすがりの人に対してなのに…。
幼い頃に比べて、このような言葉は減りましたが、形を変えて一生聞かされるのだろうと感じています。

言葉はあなたを表すもの。どうか、一呼吸置いてみて

では、なぜそんなことを言うのでしょう。
普通に考えて、出かけていて突然 「頑張りなさい」 と言われることはあるのでしょうか。
(電動車椅子が小さな選挙カーに見えたのなら、ともかく…。)
以前はただ、自分を下に見ている、と捉えていました。
今回の衝撃の一言、「元気になりなさい」。
この言葉も、周りと同じ存在(健常者)を目指しなさい、という意味だったのだろうかと考えました。

しかし大人になり、涙ながらにそう話す人のその先の話も聞くようになりました。
歳を重ね、若いときのような体力がなくなったこと。
身体に不安を感じていること。
家族を介護するようになったこと。
親戚に障害者がいること。
大人になってから聞く「頑張りなさい」などには、「わたしもそうだよ」「あなたの気持ちが分かるよ」の言葉が続くのです。
ほとんどの人が、わたしに対してではなく、自分や身近な人に思いを重ねて口にしていることに気づきました。
そして、「そうだね。お互い大変だね」と分かち合いたいのだと思います。
(もちろん例外もありますし、あえて悪意を含んでいることもあります。)

生まれつきの障害があるわたしにとって、いまの状態や生活が普通のため、その言葉を投げかけられるたびにやはり違和感はあります。
正直、わたしだったら見ず知らずの人にこのような言葉は掛けられません。
しかし、相手が見ているものはわたしではないと思うと、上手く受け流せるようになりました。
もし 「あの人、かわいそうだな」 「大変なんだろうな」 と感じることがありましたら、何故そう思うのか、一呼吸置いて考えてみてください。
もしかしたらその思いは、いまのあなた自身を表しているのかもしれません。

次回は、もうひとつの「頑張りなさい」についてお話します。

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