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「働く障害者の権利」は誰が守ってくれるの?

福祉サービスで不当な扱いを受けた時

2017年度は、障害者就労継続支援事業所の倒産、そこで働いていた障害者の大量解雇が目立った年でした。

障害者約220名の大量解雇者を出した、岡山県倉敷市のあじさいグループの理事は、詐欺罪で起訴されました。彼は罪を認め、2019年1月10日、懲役3年、執行猶予4年の実刑判決を受けています。

就労継続支援A型事業所を巡る助成金詐取事件として注目を集めたこのニュース。そこで働いていた障害者たちは、工賃未払い、解雇など不当な扱いを受けたといわれています。彼らは多くの権利を踏みにじられたと私は思っています。

彼らは、何かを感じていても伝えることができなかったのか、それとも伝える術を知らなかったのか。

今回は、福祉サービスにおいて、不当な扱いを受けた場合の相談の仕方を私達が住んでいる鹿児島県を例にとって伝えられればと思います。

社会福祉法に規定されている

福祉サービスにおいて、困ったことや相談したいことがあれば、それについて解決するしくみが社会福祉法で定められています。福祉サービス利用者が、その利益を保護し、利用者が快適なサービスを受けられるようなしくみが「相談・苦情解決システム」です。

まず「苦情受付担当者」に相談

福祉サービスを提供している事業者は、「苦情受付担当者」や「苦情解決責任者」を配置しているはずです。困ったことがあれば、まずは「苦情受付担当者」に相談してみましょう。

「苦情受付担当者」だけなのか「苦情解決責任者」が加わるのか、また、職員以外の「第三者委員」が入ってくるのか、その話の内容によって変わるかもしれませんが、当事者同士の話し合いが行われることになるはずです。

「福祉サービス運営適正委員会」に相談

事業所と話し合っても解決しなかった場合や、事業所に直接苦情を言いにくい場合は、「福祉サービス運営適正委員会」に相談しましょう。鹿児島では、鹿児島県社会福祉協議会に「福祉サービス運営適正委員会」が設置されています。

この委員会には、「苦情解決委員会」が設置されていて、弁護士や医師、社会福祉士などの専門家がそれぞれの立場で相談や助言を行い、解決に向けた対応を検討してくれるようです。

誰にでも権利はある

障害をもつと、自分に権利があることすら、忘れてしまうことがあります。自分が悪いんじゃないかと自信がなく、自分の気持ちを伝えられない人も多いのではないでしょうか。実際、私もそうでした。

でも、理不尽だなと思うこと、これは言わないといけないと感じたことなど、自分の気持ちを正直に伝える権利は誰にでもありますし、誰も奪うことはできません。障害の有る無しが関係することももちろんありません。

自分が自分の権利擁護者に。そして、相談を

まず、自分が自分の権利を守らなければ、誰も守ってくれません。自分が自分の権利擁護者になることが大切だと思います。

福祉サービスを受けている中で悩みがあった場合、相談しても苦情を伝えても良いということ、その担当の人がいること、解決してくれる場所があることをたまに思い出してください。

いろいろ、ひとりで抱え込まないようにしてくださいね。

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