愛知県の就労継続支援A型事業所、名古屋市北区の「パドマ」と清須市の「スーリヤ」が閉鎖されました。この2つの事業所を運営していたのは、株式会社障がい者支援機構(名古屋市北区)。8月上旬、この2事業所と契約を結んでいた69名が解雇を告げられました。閉鎖の原因は資金難とのことです。
続く…A型事業所閉鎖
岡山県倉敷市と香川県高松市で運営していた7ヶ所の就労継続支援A型事業所が7月末閉鎖され、282名が大量解雇された記事を以前書きました。
via:【障害者一斉解雇】 就労継続支援A型事業所 倉敷・高松で282名大量解雇
今回の愛知県の事例では、障がい者支援機構の代表が、給付金で利用者の賃金のほとんどを支払っていたことを認めています。この事業所には、障害者一人当たり5,000円前後の給付金が支払われていたとのことです。厚生労働省令改正により、4月から給付金などを利用者の賃金に充てることが原則禁止となったため、支払い続けることが難しくなったと説明しています。
主な仕事が内職!?マジックテープ剥がし!?
障がい者支援機構のホームページを覗いてみて、どんな仕事をしていたのか確認したところ、目を疑いました。名古屋の「パドマ」は内職、清須の「スーリヤ」がマジックテープ剥がしが仕事内容の一番上に書かれていました。最初から、給付金ありきの運営を行っていたと思われても仕方のない状況に感じます。代表は、最低賃金を支払えるような仕事がなく、資金繰りが難しくなった旨の話をしているようですが、正直、何でそのスキルでこの事業に参入したのか、本気度がどれぐらいあったのか聞いてみたいです。
せめて最後まで責任を
6月から賃金未払い、代表とは現在連絡が取れない状況のようです。
自分の身を守りたい心情を理解できないわけではありませんが、雇用契約を結んでいた69名の障害者とスタッフの再就職先が決まるまでは責任をまっとうしてもらいたいです。自分が運営していた事業所で、一緒に働いていた方々の生活の一部を壊してしまった事実をしっかり受け止めなければならないと思います。
2013年から愛知、埼玉、千葉、大阪の全国6ヵ所でA型事業所を運営していた障がい者支援機構。愛知の2ヵ所以外の事業所も7月末に閉鎖しているという情報もあります。倉敷・高松の事例に続き、三桁の大量解雇の可能性が大きいです。
ちなみに、8月18日現在、倉敷市の事業所の解雇者223名のうち、再就職先が決まった方は27名(A型:22名、B型:2名、一般就労:3名)とあまり状況が改善されていません。
解雇のショックと再就職先が決まらない不安、事業所への不信感…。
今のままだと(現実には起きてほしくないですが)全国各地でA型事業所閉鎖、障害者大量解雇の流れが続きそうな予感がします。この流れを断ち切るための様々な施策が必要であるのと同時に、今後も出てくるであろう障害者就労の課題を1つ1つ潰し、誰もが働きやすい仕組みづくりをみんなの知恵と経験を駆使して行っていく必要があると考えます。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017082390090010.html
via:中日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170823-00171273-nbnv-l23
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