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無冠の帝王「豊島将之八段」将棋界レーティング第1位の男

棋士は藤井七段と羽生竜王だけじゃない!「豊島将之八段」を知っていますか?

いま、話題沸騰の将棋界で、人気知名度において双璧を成すのが「藤井聡太」七段、「羽生善治」竜王、の2人でしょう。

元から将棋好きだった人だけでなく、今まで将棋など興味もなかった人も、藤井くんと羽生さんなら、「ああ、将棋の人ですね」ぐらいには分かっていただけるのではないでしょうか。

そのような中で、段位とは異なる「現在における純粋なリアルタイムの強さ」を数値で表した「レーティング」と呼ばれる指標において、長く1位をキープし続ける棋士がいます。

何度もタイトル戦の挑戦者まで勝ち上がりながら、あと一歩のところでタイトル獲得に至らない、無冠の帝王「豊島将之」八段です。

プロ棋士、豊島将之八段

その風貌を見ると、とても勝負の世界で実力トップに君臨するものとは思えないほどの優しい顔立ち。細身で小柄なうえに、28歳の今も、知的な少年のようです。多くの女性ファンからの人気も集めています。

ヒューリック杯棋聖戦

そんな豊島八段がいま、再びタイトル戦に挑戦中です。
5番勝負で先に3勝したほうがタイトルを取る「ヒューリック杯・棋聖戦

タイトルホルダーの羽生善治棋聖と、挑戦者の豊島八段、両者の星は2対2の五分、本日7月17日の夜に勝敗が決し、羽生棋聖の防衛か、豊島八段の奪取となるかが決まります。

王位戦

豊島八段はさらに今、また別のタイトル戦である王位戦にも挑戦中です。

第1局はすでに7月4、5日の2日制対局として終了しており、タイトルホルダーの菅井竜也王位が1勝を挙げている状況です。

王位戦は7番勝負で争われ、先に4勝した棋士が王位のタイトルを獲得します。

いままでのタイトル戦遍歴

2010年王将戦、2014年王座戦、2015年棋聖戦、2017年王将戦、2018年棋聖戦・王位戦(挑戦中)、と、豊島は番勝負を戦いましたが、奪ったタイトルは未だ一つもありません。

他の公式戦には勝ち続け、連戦連勝を誇る豊島八段も、タイトル戦ではフルセットでの敗北なども含み、あと一歩のところでタイトルに手が届かない状況が続いています。

高段位にふさわしい実力の豊島八段

棋士の実力を示す指標として従来から存在するものに「段」があります。
実力に応じて常に変動するレーティングに対し、段は一度上がると基本的に落ちません。

九段の棋士が負け続けて、順位戦の最下位C級2組まで落ちても、さらにその下のフリークラスに陥落しても、九段は九段のままです。

まだ四段だったころの藤井聡太七段も、自分がまだプロとして一番下の段の四段にあるにもかかわらず、プロ初対局の加藤一二三九段に圧勝し、その他の九段や八段の先輩棋士をなぎ倒してきたのも、「段は必ずしも現在の棋力だけを表すわけではない」ことを示しているでしょう。

豊島八段は段位も最高段九段から2番めの八段、レーティングでも1位、勝率も常に上位をキープする本当の意味でのトップ棋士といえます。

コンピューター将棋AIと対局する電王戦でも「人間」側として勝利を収めた、数少ないプロ棋士の一人です。

豊島八段はどれほど強いのか

名人順位戦では最高ランクのA級、竜王ランキング戦でも最高組の1組に在籍します。

今季の名人戦挑戦者を決めるA級順位戦は豊島八段を含む6人が同率でならび、6名による挑戦者決定プレーオフが行われました。

豊島八段はA級に上がったばかりでA級中での順位が下位だったため、挑戦者となるにはプレーオフで残り5人の棋士に全勝するしかありませんでした。

そのため、久保利明王将、佐藤康光九段、広瀬章人八段に勝ったものの羽生善治竜王に敗れ、名人への挑戦には至りませんでした。

豊島将之という人物

豊島八段といえば一時期「羽生の後継者」と呼ばれるほど全ての戦型に通じた、オールラウンドプレイヤーとして知られています。

オールラウンダー

多くの棋士が自分の得意戦法を持ち、大事な対局には総じて得意戦法で挑むなか、いつどの対局でどの戦型を選ぶのか、なかなか予想がつきません。

現在は居飛車が多い傾向はありますが、振り飛車でも振り飛車党のプロ棋士と遜色ない実力を示します。

通算勝率が6割9部7厘。通算で約7割という勝率は、豊島のようなA級棋士の場合ずば抜けて高い数字といえます。自分が上位になるほど、強い相手としか当たらないからです。

A級や1組での公式戦、タイトル挑戦トーナメントや挑戦者としてタイトルホルダーとの番勝負を指したり、下位の棋士とは当たらないぶん、勝率7割は素晴らしいのです。

ヒューリック杯棋聖戦・観戦情報

豊島八段が挑戦する棋聖戦最終第5局は、本日7月17日、東京都千代田区の都市センターホテルで午前9時から開始されます。

豊島将之八段が初タイトルを手にする瞬間、または羽生善治竜王が通算100期目のタイトルを重ねる瞬間を、ご自身の目でぜひご覧ください。

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