fbpx
2024/3/10:フリーペーパーvol.96発刊!

精神病に関わるお薬を子供は飲むべきか、飲まないべきか。

デリケートなお薬をデリケートな子供に処方すべきか

風邪をひいたら風邪薬や漢方薬が処方されます。当たり前ですよね。
精神的な病にかかった時もお薬が処方されます……が、精神科の薬はデリケートで、そもそも何かしらのお薬を「処方するかしないか」という問題も浮上してきます。そしてそのことでよく話題になるのが「子供に、精神病に関わるお薬を飲ませるべきか、否か」です。

私はお薬を飲む選択をしました。

私は16歳になってすぐに、体調を崩しました。高校生になってすぐのことです。そして精神科を受診したのが9月末ぐらいだったと思います。今思えば、もっと早いうちに行けばよかったのに。と思いますが、精神病の症状を身体的な問題だと感じてしまう人も多いのではないでしょうか。私はその1人でした。

もちろん体調が良くなることはなく、どんどん悪くなっていきました。受診をする頃にはもう、喋れないし動けない。まるで抜け殻になったかのようにして生きていました。

現状、子供には精神薬を出さないほうが良いとも言われているようですが、私は初めての受診ですぐにお薬が処方されています。その時の先生が、

「死なないでね」

と言った言葉だけは、今でも忘れられません。
そして実際、本当に危機的状況だったのできちんとお薬を飲みました。そして、3ヶ月ほどの休学も勧められていたので、学校にそう伝えて休ませてもらいました。

お薬を飲んだことによる体調の変化と言えば、自力で動けるようになったことでした。まだまだ喋ることは出来なかったので、反応も鈍かったですが、必要最低限の生活はどうにか出来るようになっていました。

結局、飲んでどうなっていったの?

もしも精神の問題が軽度であれば、カウンセリングを受けたり、しっかり休みを取ることで改善することもあると思います。また、精神病というよりもビタミンやミネラルの不足で、うつのように見えてしまうことがあるという話を耳にしたこともあります。そして他にも「薬を飲まないほうが良かった」と、後になってから語る人もいました。

ですが、私はお薬を飲まざるをえない状況でした。
それに、このお薬を飲み始めても、最初から劇的な変化が起こるはずはないし、逆を言うとこの薬を飲んでもこれ以上悪くなるはずがないと思っていたので、割と素直に服薬を受け入れられたのを覚えています。
体調はじわじわと浮上してきて、健常者の子たちの中に混ざったら、私は底辺でしたが、心が死んでしまうことだけはイヤだと思って必死だった日々を覚えています。

お薬を飲むことで、逆に分かってきたことがある

しかし私は、相変わらずうつは治らないし、少し体調が良くなったと思ってもまた体調を崩し……を繰り返します。やがて、うつ病だと思っていたのが双極Ⅱ型障害だと診断名が変わり、薬の内容も大きく変わりました。

その上に発達障害を抱えているということも分かり、双極Ⅱ型障害はその二次障害だという診断になりました。今になって、かなりの期間で体調を崩し続けていた謎も、少しずつ見えてきています。
この発達障害の話ですが、思春期の子供が服薬をすべきか否かの意見も割れていたり、ここまでの話のようにその「症状のレベル」も話題になっていたりします。その為、発達障害の子供に服薬をさせるか否かという問題も今、浮上してきています。

確かに、発達障害は先天的なもので病気ではないと言われているぐらいなので、そういう考えの違いも出てくるだろうと私も思っていました。

お薬はずっと飲み続けるの? 何かのデメリットは?

私は今もお薬を飲んでいて、概要を言うと、基本は双極Ⅱ型障害を治療するためのお薬を飲んでいます。そして、そのお薬の作用に発達障害への有効性が含まれているものもあるようです。
それでも私としては、発達障害は自分で自分の生活を工夫したり、少しでも周りに馴染むための努力、そしてその感覚を掴むだけでも全然違うのではないかなと思っています。もちろんそれは人それぞれで、例外もたくさんあるのですが、その問題点について考えてみるだけでもいいはずです。

ここまでのことを考えなおしてみると、正直なところ、服薬についてはケースバイケースだと思います。私の発達障害の話は置いておいて、双極Ⅱ型障害については、うつ病の治療をしていた時期に比べると、双極Ⅱ型障害の治療をしている今の方がかなり改善している部分があるので、私にお薬は有効だったと思っています。

そして、うつ病は治る病気であると言われているし、双極Ⅱ型障害も含めた精神病は、完治は無くても寛解を目指すことが出来ます。そうしたら必然的に本当に必要なお薬だけが残り、減薬をすることも可能です。

正解はないけど、不正解もない。だからこそ自分の為に。

私は服薬を始める時期が早かったとは思います。それでもそれは過ぎ去ったことです。世の中には色々な意見が溢れていますが、結局は主治医と自分がタッグを組んでの個人プレーなのです。

これは子供だけではなく大人にも言えることなのではないかと思っているのですが、病気と共存して生きていくというゴールがあり続けるために、飲むか飲まないかを考えてみる必要があります。
試しに2、3ヶ月の間しっかり服薬をしてみるという手もありです。精神のお薬はすぐに効くということはないので、一定の期間飲んでみて変化があるなら服薬を続ける。なければまた主治医に相談するというのも作戦のうちなのではないでしょうか。

親や、本人からすれば、やはり若いうちからのお薬には抵抗感や不安感があると思います。

それでも、やらないでする後悔があるなら、一度受け入れてみるのもどうでしょうか。思春期から体調を崩したままずるずると大人になるぐらいなら、トライしてみる必要性もあると私は思います。精神病は心の風邪と言われていたりもしますが、最初に書いたように、風邪をひいた子供に風邪薬を与えないという選択をしますか?
その場から進まないうちに、時間ばかりが過ぎて苦しむくらいなら、信頼出来る主治医と、少しずつでも前へ進んでいきましょう。

最新情報を購読しよう!

就労継続支援・就労移行支援事業者様へ

HIFUMIYO TIMESでは毎月フリーペーパー版を発行しており、各エリア版の加盟店を募集中です。福祉事業者に最適なブランディングと広報力をご提供します。詳しくはお問い合わせください。