管理職の先生は若手社員、リバースメンタリングの秘める可能性
テクノロジーの発展とともに、上司や管理職よりも若手社員の方がコンピューターやアプリの操作に長けているといった例が、企業で増えています。
メンタリングという考え方は、もともと80年代にアメリカで生まれたもので、そのきっかけとなった人物が米ゼネラル・エレクトリック(GE)の元CEO、ジャック・ウェルチ氏です。
上司にあたる年配社員はSNSなどについて若手社員から学び、若手社員は企業の習慣や文化などについて上司から経験を元に学びます。
そんな若手社員は、2020年東京オリ・パラリンピックを迎えるころ、労働人口の半数を占めると言われています。
GEやアクサ生命保険、P&Gジャパンなどで取り入れている制度
流行りに関係なく、非常に重要だと思います。上司が部下に「教えてください」 日本でも広がる「リバースメンタリング」 https://t.co/PSmanfZYUi @ZUU_ONLINEさんから
— 大橋裕志 (@yuji_ohashi) 2017年3月17日
ざっくり
リバースメンタリングとは?
通常のメンターというのは、上司が新入社員や若手社員に対して助言やアドバイスを行うものです。
メンター(mentor)とは英語で「指導者」という意味。
仕事に慣れない新人社員に仕事を教えたり、会社での振る舞いについても指導者的役割を担います。
ミレニアムメンター
「ミレニアム」とは若者の世代を表しており、1980年代から2000年代初頭に生まれた10代、20代の若者を総称する言葉です。
彼らの特徴として、幼いころからデジタルに慣れている点があります。
いわゆるデジタルネイティブと呼ばれる世代です。
その世代にある若手社員に、年配の管理職が仕事上の指導を仰ぐというものが「リバースメンタリング」で、その時メンターの役割を果たすのが「ミレニアムメンター」となります。
リバースメンタリングの内情
仕事上の指導を行うといっても、最新テクノロジーに関する質問にばかり答えるわけではありません。
子どもを持つシングルマザーがメンターなら、託児所の問題や子どもが熱を出したときに会社が対応すべき方法などについて、メンタリングを受けるなかで気づかされる機会もあることでしょう。
メンタリングを受けながら、上司として現場の声を聞く機会にもなるのです。
上司が部下に「教えてください」 日本でも広がる「リバースメンタリング」https://t.co/wl2CB00YqF
若手が講師となって上司や先輩に教える「リバースメンタリング」を採用する企業が増えてきているそうです。 pic.twitter.com/pcf0ONRma5
— ZUU online |金融経済メディア (@ZUU_online) 2015年11月6日
メンター制の発祥
メンターという制度は主に1980年ごろから始まり、そこからさらに10年が経つ1990年代には日本GE、アクサ生命保険、P&Gジャパンなどでも採用され始めます。
企業のトップとされるCEOをはじめ役員までが教えられる側(メンティー、mentee)となり、メンターの若手社員から指導を仰ぐのです。
自分に無い視点の発見
SNSや最新テクノロジー、若者のトレンド情報を生の声として若手社員から入手することができます。
その際、それらのトレンドがどういった理由で若者から好まれているのか、自分では思いもよらない視点から説明を受け、ビジネスに生かすことができるのです。
福利厚生の充実を確認できる
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)など女性の多く活躍する企業では、女性社員がメンターとなり、男性上司からの家庭での悩み、夫婦間や親子間などの男性上司からの家庭での悩みに、女性の視点から相談に応じます。
女性社員であれば子どもの問題、保育所の探し方、子どもが熱を出した時の対応方法などの質問があるでしょう。
これらの質問は、子どもを持ちつつキャリアを積みたい女性にとって共通の悩みです。
立場や年齢の差を超えた交流は双方に新たな気づきを与えるでしょう。
若手メンターが担うGEのテクノロジー
そして、リバースメンタリングといえば定番ともいえるテーマ、最新のIT技術の教授が、若手社員からベテラン社員に伝授されます。
ゼネラル・エレクトリック(GE)社では、目まぐるしい進化を続けるテクノロジーに遅れないためにも、若手メンターの活躍は必須です。
世界を市場として相手にするには、若者の好みをリーダー自身が把握していなければ、激化する競争に参加することすら困難なものとなるでしょう。
リバースメンタリングを受ける能力って人生100年のこれからは必須だと思う。 https://t.co/zpG1Vuh8Ol
— 稲葉哲治 (@InabaTetsuji) 2017年11月25日
リバースメンタリングの有用性
教える、教えられる関係は、常に対等なものでなければなりません。
時には両者の立場が入れ替わり、臨機応変に知識の交換が進められていくべきものです。
デジタルテクノロジーの急激な成長は、過去の遺物となってしまった「年功序列制度」時代の職場関係では見られなかったメンターとメンティーの逆転関係を生み出しました。
そして、年配の社員はこの動きを積極的に取り入れなければなりません。
リバースメンタリングで大切な考え方は「学びたい気持ち」と「共有したい気持ち」です。
上司や管理職が柔軟な思考を持ち、新たな慣習に取り組む職場だけが、スピードを伴った飛躍的な成長を達成できるのだと思います。
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