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2024/11/10:フリーペーパーvol.104発刊!

小学生が毎日6 kgの荷物を背負って通学する意味って何?

「本の重さと学力は無関係」小学生に6kgのランドセルは必要?

小学生が通学時に持つ荷物が重すぎると全国的に話題になっています。

鹿児島市教育委員会の調査によると、通学時に小学生が背負う荷物の重さの平均は6.8kg中学生11.3kgだとのことです。

まだ骨格も十分に完成していない小学生が毎朝6kg以上のランドセルを背負って通学することを思うと、腰や関節の骨などに支障をきたさないか、身体的な成長の面で心配になります。

重すぎる小学生のランドセル

荷物の内訳は学校に持っていくノートが中心ですから、重くなるのも当然です。ハードカバーの本1冊でもずっしりと重く、大人でも外出時の持参を迷うのではないでしょうか。

現在は、以前と違って水筒を持参する学校も多く、重量を増しています。
加えて、体育着、給食当番時のエプロン、学習教材としてのそろばん、絵の具セット、書道セット、リコーダー、カスタネット、体育館シューズなどもランドセルのフックに引っ掛けて通学しているほどです。

学習用の教材も、1教科が教科書だけで終わることは少なく、小型のドリルや大判書籍のワークブックなど、何らかの副教材がセットになることが通常のようです。

塾に通う児童なら、さらに塾用のテキストノートなども含まれるでしょう。
ゆとり教育を脱却し、小学校の国算理社4教科だけで平均総ページ数が4000ページを超えるとされる教科書のうち、その日の授業で実際に使うのは一体何ページなのでしょう?

毎朝夕、成長期の骨に負荷

まだ成長期の前で、骨格も完成しきっていない小学生が毎日の通学で6kg以上の荷物を抱えて通学することの弊害には、どのようなものが考えられるでしょう。

体重の半分の重さの荷物

小学校に入学したばかりの1年生の児童が、自分の体重の半分にもおよぶ荷物を抱えて通学し、帰宅後しばらくは疲労でぼーっとしていたり、医師から成長期の筋肉や骨格を形成するための悪影響を指摘されたとの報告もあります。

学校に置くことは禁止

小学生の通学用サブバッグが荷物でパンパンに詰まり、まるで登山リュックのようになっている現状をご存知でしょうか。

それでも、教室の机に教科書を置いて帰ることは多くの学校で許可されていません。

人間の背骨はもともとゆるいS字状になっていて、垂直方向の負荷でさらに曲がってしまいます。整形外科の医師でさえ、荷物の重さが肩こりや腰痛につながっていると指摘しています。

共用はダメなのか?

教科書や副読本は児童の共用にして学校で保管するなど、小さな子どもが長時間背負い続ける荷物の負担を少しでも軽くする工夫が必要です。

ランドセルのフックに掛けられた給食エプロンの袋を地面にこすりながらヨタヨタ歩く背の低い小学校低学年の子どもを目にすると「こんな意味のない重みに何の意味があるの?」と、胸が痛みます。

電子書籍という選択

教科書を電子書籍化すれば解決する問題ではないのでしょうか?

書き込みできないけど

ワークブックをはじめ、その他の教科書もかなりの冊数を電子書籍化することで厚みは1台の端末本体分たった1センチ程度に収まります。

しかし勉強に使うものだから、電子書籍のスクリーンでは書き込みできないし、勉強に向かないとの声もあるかもしれません。

そのようなとき、電子書籍教科書の内容を大学ノートに要約するトレーニングは、負荷の大きな学習である分、書き込みを上回る学習効果を発揮するでしょう。

まとめ

タブレット端末に集約することも可能な分厚い教科書の束を、毎日の通学で行き帰りに6kg以上運ぶことに、まったく必要性が感じられません。

重い本を何冊も運ぶことに学習への意欲を感じるなら、それはあまりに前時代的です。
むしろ、重い荷物を背負い続けることによって、小さな小学生の腰の骨に負担がかかり、生育上の問題が生じないか心配です。

学習とは本来、健康で幸福な人生の追求を補助するものであるはずです。

学習に必要な本の重さで肉体的な問題が生じてしまうなら、それは本末転倒ではないでしょうか。ましてや、例えば1冊の教科書が200ページあるとして、1日の授業で使うのはそのうちのたった何ページなのでしょう?

身体的な負荷のかからない効率的な教科書の作り方(例えば、単元ごとに分解できる書籍の開発など)も考えていいのではないでしょうか。

同時に、日常的にほとんど家庭で使用することが無いような教科書は学校に保管し、授業時に児童生徒に配布して使用するなど、もっと工夫の余地は残されているだろうと思います。

教育関係者による、勉学にいそしむ子どもたちに期待する美徳を優先するばかりに、もっと何十年も後に社会的な活躍が用意されている子どもたちの将来を、身体的な成長の面だけにしろ、寸分たりとも侵害しないで欲しいものだと思います。

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