2018.6.10:フリーペーパーVol.27発刊!

棺桶型人口ピラミッドが示す日本の高齢化と労働力の問題

棺桶型人口、日本の労働力は高齢社会をどう乗り越える?

日本の人口は、2008年の1億2808万人をピークに、その後減少しています。政府の試算では、2048年に9913万人と1億人を割り、2060年には8674万人まで減少することが見込まれています。

人口の減少とともに日本にとって大きな問題とされるのが、高齢化です。
日本の人口構造は、世界の主要国のなかでも特異な形をしています。

全人口に対する高齢者(65歳以上)の割合は平成28年の段階で27.3%、女性だけで算出すれば30.1%です。

「3人に1人は高齢者」も、近いうちにあり得ないとはいえません。
人口ピラミッドは「棺桶型」と呼ばれ、この危機を日本がどう乗り越えるのか、海外は注目しています。

棺桶型人口構造

日本の高齢者割合は世界一とされます。
年代別の人口割合を図で表す「人口ピラミッド」も、高齢者の人口が若年層や未成年の人口を上回る「棺桶型」です。世界から注目を集める、特異な形をしています。

絶対的に足りない頭数

かつてコロコロと首相が代わり、日本の「失われた20年」とされる1990年〜2010年。

その前半にあたる90年代には、大学新卒者ですら容易には手に入らなかった就職先が、今、誰にも見向きもされず空きのまま放ったらかしにされています。

3Kと呼ばれた「きつい、きたない、きけん」な仕事でも、不況で就職難の時代には、シルバー人材でなくとも若い労働者の間で奪い合いでした。

シルバー人材センター

しかし現在は、大都市を中心に経済は活力を取り戻し、少子化の影響で人材不足に悩む企業は、手のひらを返したように新卒の採用に余念がありません。

そうして空きとなった、かつては奪い合いになっていた3Kの仕事はシルバー人材センターの高齢者までお鉢が回り、どうしても頭数が必要な会社に至っては、以前は毛嫌いしていた年齢の高い求職者を同じく手のひらを返したように求め始めています。

本来なら無理な就労

幼稚園の送迎バスは、運転手が不足しているそうです。
現役のドライバーは高齢となり、高齢者として免許証を返納してもおかしくない年齢にまでのぼります。

しかし、その後のなり手がいません。

求人を出しさえすれば求職者がやってくるといった、過去の買い手市場はもはや存在しません。75歳のドライバーは65歳のドライバーへと仕事を引き継ぐのです。

労働者が足りない

日本の介護現場では、高齢者が高齢者を介護しています。新卒者の採用が十分にある現在は、少子化を背景に条件の悪い仕事は若者から避けられます。統計の上で、人口が1億を切ってしまうのが2050年の少し手前。

いつまでも働き続ける日本の高齢者

50歳を前に、資産を蓄え引退することも成功の証とさえされる海外のキャリア事情のなかにあって、日本人の高齢者就労率は極めて高いものがあります。

これほどまで高齢になって働き続ける国もあまり見ないでしょう。
生きがいやり甲斐ということで「シルバー人材センター」を設置するまでに、高齢者側からのあっせん需要があるのです。

高齢者が高齢者を介護

高齢者が介護を受けるデイサービスセンターの、中心的な介護職に高齢者が就いています。送迎などの危険を伴う運転業務が70代のドライバーに託されることもあります。そして、介護職員の高齢者自身が、認知症の症状を示しています。

移民を受け入れる

日本はようやく、外国から外国人労働者を受け入れる必要性に気付いてきたようです。

それでもまだ、専門職は日本人で固めたいというのが雇用側の本音で、介護職を受け入れるにしても彼らは「技能実習生」と呼ばれ「労働者」と見なされてはいません。日本への滞在期間も5年程度に限られます。

高齢労働者を救う外国人労働者

台湾は、10年遅れて人口ピラミッドが日本と同じ棺桶型になることが統計上予測されていますが、外国人労働者の受け入れは日本より早く始まっています。

台湾では国による決断もはっきりしたもので、条件となる言葉の習得は日本のように厳しいものではありません。そもそも労働力を必要としているにも関わらず、自分の首を絞めるような「言語習得」の壁を作ってしまう日本の受け入れ体制には疑問が湧くばかりです。

受け入れ者を「教育実習生」と呼んだり、日本国内での転職も認めないという規則も、労働力として仕事を任せる信頼感に欠けるように感じられます。

高齢化にともなう介護人材の不足にようやく動き出した日本、と言ってもいいのか?
政府の対応は、まだまだ鈍いと言わざるを得ません。

少子高齢化は軽視できる問題ではありません。増加する社会保障費に対し、負担する若年世代の担い手は減少するのですから。そのような中でこれまでと同じく政策を進めていくには、財政的には効率的な予算配分が必要です。

福祉的には介護を中心に人材の頭数を増やす必要があります。

主要国のなかで日本だけが直面するこの難しい局面をどうやって切り抜けるかという点に、世界中が注目しています。