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WBA世界ミドル級王者村田諒太初防衛戦をESPNが全米生中継

2017年10月22日、村田諒太(帝拳)がアッサン・エンダム(フランス)との2度にわたる戦いの後、日本人2人目となるミドル級の世界チャンピオンとなった。

後味の悪い1戦目での判定負けから腐ること無く2度めの挑戦で、村田はエンダムを圧倒。最後は相手を棄権に追い込みテクニカル・ノックアウトで勝利を収めた。

それから約半年後の4月15日、同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)を挑戦者に迎え、初防衛戦を行う。

もうすぐ試合開始

間もなく横浜アリーナで行われる村田の初防衛戦は、日本の地上波で放送されるほか、アメリカの大手スポーツチャンネル「ESPN」も全米生中継すると発表した。

村田の試合といえばESPNは前回のエンダム戦も生中継しており、ボクシングの聖地ラスベガス、全米でも、村田の名前は広まっていることが予想される。

「エンダム選手は友人です」

村田の、エンダムへの気持ちはそこにある。それは、疑惑の判定で負けた直後であってもそうだった。エンダムは「ムラタが自身初にして唯一の友人」と語ったという。

勝てばラスベガスか

この試合に勝った場合、村田の次の試合も既に予定されている。村田の試合をプロモートするトップランク社のボブ・アラム・プロモーターは、7月にラスベガスで同級13位のエスキバ・ファルカン(ブラジル)との対戦を計画している。

ファルカンは、村田がオリンピックのボクシング競技で、ミドル級としては日本人初の金メダルを獲得した決勝戦の相手だ。村田とファルカンがプロならどちらが強いのか、この試合で証明される。

並外れたパワー

村田は、ミドル級の大きな身体を備えた繊細な心の持ち主だ。
不安になる心を、哲学書を読むことで安心させている。

村田によれば、試合とは怖いもので、常に恐怖心と戦っているとのこと。
エンダムとのタイトルマッチは、1戦目は誰もが異を唱えた疑惑の判定負けに終わった。
2戦目は最初から攻勢をしかけた村田が、エンダムを途中棄権に追い込んでTKO勝ちを収めた。

今回の試合が初防衛戦となる村田は、すでに同級15位までのトップコンテンダーから研究し尽されているだろう。初防衛戦が挑戦試合より難しいとされる理由はそこにある。

世界チャンピオンの戦いを、技能的にどうこう言える眼を持つものはほとんど居ないだろう。だから、あくまでも私見だが、鋭い右に対して左のパンチが遅い点は気になる。ミドル級の選手にしてはスピードがそれほど感じられない。

それでも、村田が並外れたパワーで狙いすました一撃を加えれば、立ち上がれる選手はほとんどいないだろう。そして、村田に最も伝えたいことは「もっと自惚れてほしい」ということ。

謙虚で用心深いことは格闘技に大切な要素だが、自分のパワーを発揮するためにも一時的な暴君になってほしい。パワーを解放してほしい。

そのために試合の生命線となるのはジャブだろう。
オリンピックの試合で上体を丸め、打たれても打たれても前に進む戦術は、今の村田ではあまり見なくなった。

プロで村田が通用した理由は、多用し始めたジャブだと思う。
ジャブでさえ威力があるのだから、対戦相手が朦朧とし始める後半のラウンドはKOチャンスとなる。

あと少しで試合のゴングが鳴る。
勝って、アメリカ・ラスベガスまで行ってほしい。

そこで成功を収めて、一生生活に困らないお金を得て、条件が良いなら、そのままアメリカに住み続けたっていい。

1人の強いボクサーとして村田諒太を応援する。日本人のミドル級世界チャンピオンだから、ではない。