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「そんな相撲が必要ですか?」相撲の存在意義すら疑われる女性差別と人命軽視

日本相撲協会八角理事長は「行司が動転して呼びかけた不適切な発言」と謝罪しています。ではなぜ、行司は「女性は土俵から下りてください」と発言しなければならなかったのでしょう。

行司1人だけの問題ですか?

今回の出来事は、行司1人が独自の責任のみによって行った不適当な発言、に留まるのでしょうか?相撲協会に所属する行司にそのように言わしめてしまう根本的な原因は「相撲」という世界そのものにあるのではないでしょうか?

そして、現在その相撲という世界で最も大きな責任を負っている方は、理事長の「八角信芳」さんですね?行司1人だけの、問題なのですか?

京都府舞鶴市で行われた舞鶴市制施行75周年記念大相撲舞鶴場所で、土俵上で挨拶に立った舞鶴市の多々見良三市長が突然倒れました。突然の事態に周囲の誰もが動転するなか、医療従事者の資格を持つ女性が土俵に上がり、心臓マッサージを行いました。

その時、場内の放送で、「女性は土俵から下りてください」とのアナウンスが何度も、執拗とも言える頻度で行われました。

もし本当に女性が土俵を下りていたら

舞鶴市長は意識を失ったままです。そのまま、その女性は、言われるままに下りてしまえば良かったのです。

そしてそのまま、舞鶴市長の多々見良三さんはおそらく亡くなったでしょう。あるいは、脳に重篤な後遺症を残して、その後の人生を身動き取れないまま送ることになったのかもしれない。

その責任を、行司さん、とれますか。いや、行司も相撲協会に属する立場の弱い一組織員にすぎません。すべての責任を担い、相撲という世界で最も大きな権力と責任を持つ、八角理事長は、その結果にどう対処するつもりだったのでしょう?どのように責任を取るつもりだったのでしょうか。

現在の「土俵に女性が上がってはならない」というルールをそのままにしておいた責任は、これまでの歴代のすべての理事長が負うべきものです。

みんなが、こんな意味のないルールを放ったらかしにしてきたのだから。または、日本相撲協会を監督する官庁に該当する文部科学省にも、なんらかの責任があるかもしれない。

誰がこんなしきたりを望んでいるの?

人が死ぬことを放置してしまう危険性すらある現行の「女性を土俵に上げない」しきたりなど、いい加減に排除すべきだとは、思わないのでしょうか?

当時、土俵上にはたくさんの男性もいたようです。そのなかで、迅速に判断行動し市長の命を救えたのは女性のみでした。

その、一命を救った女性に対して、市長の命までかかっている状況で、命綱ともいえる心臓マッサージを止めて「土俵から降りろ」とは何事ですか

いずれにしろ、今回の事件が無かったにせよ、女性が土俵に上がらないルールに何の合理性があるのでしょう。必要性も全く無いでしょう。むしろ、さまざまな場面で日本人を身動き取りづらくしている「無駄な」決まりです。

こんな「しきたり」を、一体誰が望んでいるのですか?こんな女性差別があるおかげで相撲が嫌いになります。こんなことになるくらいなら、相撲というスポーツなど無くなってしまえばいいのに

海外のメディアも今回の出来事を取り上げています。

ロイターは、相撲ジャーナリストの荒井太郎さんにインタビューし「今回の出来事は、相撲界にとって難しいタイミングに起こった。古来から続くこのスポーツは、ここ数カ月で立て続けに起こったスキャンダルに悩まされている」とまとめています。

USATODAYは、フジテレビのトークショーで三田友梨佳アナウンサーが発した「伝統を守ることは大切だが、今回のようなできごとがあるのなら、女性が土俵から降りると同時に、このしきたり自体も相撲界から降りるべきかもしれない。この女性がいなければ1人の命が失われていたかもしれない」とのコメントをまとめています。

後に、八角理事長は多々見市長の命を救った女性に対し謝罪コメントを残しています。

謝ったら済む問題なのでしょうか?
言ってしまった不適切な発言を帳消しに出来るだけのもっと根本的な改革を相撲協会側でとらなければ、帳尻が合わないとは思わないでしょうか?

どれだけ言葉で謝ったところで、言ったことが消えることは絶対に無いのです。ファンのためにといいながら、何ごとも内部で密かに決せられていく。

相撲は神事というけれど、相撲って、一体誰のために存在しているのですか

via:REUTERS

via:USA TODAY

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