私の知り合いに、視覚障害の子がいる。その子はパソコンのキーボードを打てたし、ミュージックキーボードを弾く事が可能だった。だからなのか、視覚障害の子たちはそうする事が出来るようになるのが当たり前なのかという間違った感覚に陥っていた。
島村楽器は、視覚障がい者向け音名点字シール「ソラシドくん」を全国の島村楽器で発売する。鍵盤楽器の演奏がぐっと身近になる、これまでにないシールだ。
このニュースを見つけた時、はっと気付かされた。
「鍵盤を実際に押すまで何の音かわからず弾きにくい」「指が慣れるまでミスタッチが多くなる」といった入門段階の演奏に対する壁を打破し、鍵盤楽器をより身近に感じてほしいという想いをこめて「ソラシドくん」を商品化。これまでに、音名がプリントされたシールは数多く販売されてきたが、点字で音名が打たれたシールの発売は「ソラシドくん」が業界初となる(島村楽器調べ)。
私達は普段、ピアノの「音を聞く」だけでなく、鍵盤を「目で見る」ことで初めて「ピアノの音」を理解していくのだ。知り合いの子に違和感を持たなかったから、なおさら強くそれを感じた。
シールの実物を見ると、文字の上に点字を打ち込んだ形になっている。また、弾き始めの鍵盤に貼る用に星印のシールも同封されている。複数枚購入すれば、大きなピアノにも対応可能だ。鍵盤の位置がわかる人が最初に貼り付けておけば、点字を学んでいる人はきっとすぐにピアノの音を操っていくだろう。
このシールの開発には、「目の不自由な人もピアノを弾けるようにドレミファソラシドの点字シールを作ってほしい」という意見がこの会社に届いたことから始まったそうだ。
発売にあたって、盲目のシンガーソングライターである 立木早絵さんもコメントしている。
「『ソラシドくん』の魅力は、誰でも手軽に使用できるところにあると思います。点字ユーザーが自分自身で鍵盤にシールを貼って演奏できるのはもちろん、音楽や点字の知識がない方でもわかりやすいよう、音名が文字でも記されています。また、音符のイラストがプリントされていて、デザインも可愛いですね。ピアノの練習が楽しくできそう♪今からピアノを始めようと思っている方、お子さんに習わせたいなと思っている方等、ぜひ使ってみてください」
このように、彼らは試行錯誤の上で、やっとピアノを弾くことが可能になるのだ。私の浅はかな考えのように、視覚障害の方は、誰しも簡単にパソコンが操作出来たり、ピアノやキーボードを弾けたりするものではないのだ。そこには、とてつもない努力の塊があるのであろう事は間違いない。
そしてその努力を少しでも後押しが出来るような、そんな商品や制度がより増えることで、彼らが挑戦していく機会はグッと増えていくだろう。
これからの未来、たとえ視覚が不自由であっても、色々な事にチャレンジ出来る舞台が増える事を心より願う。
https://www.barks.jp/news/?id=1000129355
via:BARKS
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