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2024/4/10:フリーペーパーvol.97発刊!

避けられた身体接触、狭いバス車内での出来事

私は普段、交通手段としてバスによく乗ります。
ここ数年、乗らない日が無いくらいほぼ毎日乗っています。
混んでる時間帯空いてる時間帯もだいたい把握しています。

バスはもともと狭い乗り物ですから、席が全部埋まって吊革にぶら下がる人がたくさん立っているような状態なら、少しくらい体が接触してしまうことにも乗客は妥協しているのかもしれません。

土曜日の午後3時の乗り合いバス

その日私は、定期的に通院している病院に向かうためのバスに乗りました。
土曜日の仕事を午後3時で上がらせてもらって、それから近くのバス停に向かいました。

土曜日の昼過ぎということで、住宅地の道路も空いていて、乗り込んだバスの車内も多くの席は空いていました。私もなるべく空間を有効に使うため、すでに座っている人と必要以上に近い席に座ることは避けました。

満員バスならともかく、ガラガラな車内なのだから、あえて距離を置いて座るのが、暗黙の礼儀だと思ったからです。

当時のバスの状況

そのバスは目的地の鹿児島中央駅に到着するまで、鹿児島市の繁華街とは丘を挟んで正反対の古くて閑散とした住宅地を経由するものでした。ほとんど乗客も増えないし途中で混むこともほとんどない路線で、短い距離ですぐ降りる乗客も多いため、バスはずっとガラガラなままでした。

「違反じゃないからいい」でいいの?

途中のバス停で、作業服を着てニットの防止をかぶったの見た目50歳くらいの小柄なおじさんが乗車しました。私は最後列から2列目の2人がけ席の窓側に1人で座っていました。

1つ前の2人がけ席にも同じく1人で学校の制服を着た女の子が座っていて、窓側に座っていたので通路側は空いていました。

その他の2人がけ席もたくさん空いていました。
そんな状況で、そのおじさんは、女の子の隣の席に座りました。

小柄とはいえ乗合バスの席自体がもともと狭いですから、2人はピッタリと体の側面が接触し肩も触れそうなほどでした。

おじさんは、あえてそこに座る必要性は無かったわけです。
他にも座れる席はいっぱい空いていましたから。

もちろん、もともと座るためにある席ですから、べつにどの席に座ろうが自由です。

しかしその女の子は、それまでじっと前を見て黙って座っていただけだったものが、どうもソワソワ落ち着かない感じになり、タブレットを取り出しイヤホンを付けてテレビ放送を見始め、体をすぼめたり頭を必要以上にかがめてうつむいてしまったり、精神的な動揺が感じられるようになりました。

バスの座席の空間は、本当に狭く作られています。
それは乗客が少しでも多く座れるよう、ある程度狭くしてでも席数を増やしてくれているバス会社側の配慮なのだろうとは思います。だから、身体が接触してしまうのも満員バスの状況なら特に、ある程度仕方のないことなのかもしれません。

でも、なんだか女の子がかわいそうでした。

おじさんに対しても、あえてそこに座らないで別の2人がけ席に座った方が、1人で2人分のスペースで座れるのだから他に行けばいいものをと、思わずにはいられませんでした。

私は、その2人より先にバスを降りたのでその後どこまでその2人が並んで座っていたのか分かりません。しかし、自分自身もおじさんであることを自覚している私は、普段自分が同じようなバスに乗車したときでも、距離を空けて、必要以上に近付かない座席の選び方を心がけています。

私が考えすぎなのかもしれません。

しかしそうであっても、他人が嫌がるかもしれない可能性が少しでもあるとき、自分側だけのちょとした工夫でそれを避けられるなら、それくらいの気を使うのは当たり前ではないかとも思っています。

合法的な身体接触が許されてしまう、バスの狭い席の規格にも、もっと工夫があればいいのにと思います。

たとえば、2人の席をわずか5センチだけでも前後のズレをつけて設置するなど。
そんなバスに何度か乗ったこともあります。

私の妹が、まだ学生のころに通学で同じようなことを悩んでいた姿を見てきました。
さらに、まだ今ほど社会的に問題化する風潮の薄かった学生時代に、バイト先での女性からのセクハラに悩む大学の友人の話を聞いていました。

1台のバスだけを責めても仕方のないことですが、この国はまだまだそのあたりの問題意識も薄いし、相手にしようともしない傾向があるし、社会的インフラや法整備が遅れていると思わずにはいられません。

女性側から「別に気にしてませんよ」と言われるだけのことかもしれません。

この国は、組織になった途端に、問題提起を嫌いフタをして終わらせてしまえば済むことという解決法に頼りすぎです。

そんな中、理解されず黙って苦しみ続けている人が、男女を問わず今このときも日本の何処かで追い詰められているのかもしれません。

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