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2024/11/10:フリーペーパーvol.104発刊!

Sonyのスマートウォッチ「wena wrist active」に見る日本的AV家電の復活

3月9日、ソニーのスマートウォッチ新モデル「wena wrist active」が発売されました。

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ヘッドの時計部分は他メーカーの製品から付け替え可能で、ベルト部に電子マネー機能、通話やSNSなどの着信通知機能GPS機能や心拍数万歩計などの活動記録機能が集約されています。d15876-54-429635-8

ランニングなどの活動時はインテリジェンス機能であるベルト部分だけを装着でき、普段は気に入った腕時計の盤面をヘッド部分に付け替えて使用できます。

 

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画像:ヘッド(時計)はSEIKO 3rd diverの復刻モデル

スマートウォッチといえばアップルウォッチが有名ですが、ソニーのwenaにも独自の個性があふれています。

オーディオ機器メーカー「It’s a Sony」

ソニーといえば、ある一定の世代にとって、一流オーディオ機器メーカーの代表であり、世界的な大企業です。

ウォークマン、MDウォークマン、大型のステレオコンポーネントシステムからミニコンポ、ラジカセ、カセットテープ、MDにいたるまで、ソニー製品を所有することは、90年台を青春とする若者の憧れでもありました。

しかしその後、ソニーはさまざまな製品で市場の後手を踏むことになります。

半導体や液晶テレビの市場競争、ゲームソフトやパソコンのシェア獲得など、エレクトロニクス部門を中心に利益は低下。

近年のソニーは、最高益を記録した1998年当時の面影は薄れ、オーディオやテレビなど主要製品の売上構成は15%程度の状況が続いていました。

ソニーらしさの追求

スマートウォッチ「wena」の開発費は、クラウドファンディングで集められました。
低迷期に入っていたソニーは独自の製品開発コンセプトに立ち返り、その思いを自社製品に投影したのです。

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ソニーは、iPhoneのカメラ部分を担うことで利益を得ましたが、本来の理念

自由闊達にして愉快なる理想工場

を思い返し「面白いものを作る」冒険心を再び抱き始めるのです。

wenaの特徴として挙げられる、ベルト部分に技術を集約して盤面には好きなアナログ腕時計のヘッドを付け替えられるといったユーザーへの心遣いには、日本企業らしい顧客への気配りが感じられます。

青春時代に私がずっと見てきたソニーが戻ってきたかのようです。

強いソニーの復活

2018年3月期の通期決算予想で、ソニーは過去最高益となる6,300億円が見込まれています。
新規事業創出プログラム「Seed Acceleration ProgramSAP)」が功を奏したソニーは、従来の実績に加えて新たな才能の取り込みにも貪欲に関わっています。

wenaは、そんなソニーにとって1つの果実でもあります。

販売プロモーションで大々的なテレビコマーシャルを打ったわけではないものの、ネット上で高い評価を得たwenaは、クラウドファンディングの目標金額を短期間で達成し、目標額の倍以上となる資金を集めました。

ソニーの製品は近年、既存の開発製品も含めそのシェアを再び伸ばしています。
高いシェアがさらなる高評価を生むといった、ポジティブなスパイラルに乗っています。

かつて、アップルのスティーブ・ジョブズがソニーのVAIOにマックのOSを動作させようと、創業者である盛田昭夫氏に働きかけた話は有名です。

しかしこのとき、VAIOは最終的にWindowsを選びました。
ジョブズにとっても、ソニーは魅力的に映っていたのでしょう。

盤面だけを好みで付け替えられる「wena」の、自己主張しない点は奥ゆかしく、古風なアナログ盤面と最新技術が集約されたベルト部分の共存も、日本的な共生社会を思わせます。

製品に面白さを追求する姿勢は、創業者である井深大、盛田昭夫、両氏の思いでもありました。

ソニーは、4月1日付で平井現社長兼CEOが退任し、吉田新社長兼CEOが誕生するトップ人事を発表しています。

吉田新社長による

感動を届けるには感動を創らないといけない。我々はよりクリエイターに近づいていく

との言葉は、未来のソニーにさらなる期待を抱かせるに十分なものでした。

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