今、発達障害児の増加が問題視されているという。

この問題は近年急速に拡大している感があり、先日も、全国の公立小中学校で「通級指導」を受けている児童と生徒が、初めて9万人を超えたという文部科学省の調査結果が報じられた。

しかし、通級指導というのは、比較的軽い障害がある児童・生徒が、特別支援学校や特別支援学級ではなく通常学級に在籍しながら、各教科の補充指導などを別室で受ける制度だ。
つまりは発達障害児の増加といっても、ここで引き合いに出されているのは比較的軽い障害を持つ子供である。

私は、実際に発達障害児の数が増加しているというよりも、「発達障害」がメジャーになり、その診断を受けるハードルが下がっているだけのように思う。

文科省も、

〈学校現場での理解が広がり、把握が進んだ結果とみている〉という説明をしていた。

やはり「発達障害児の増加」というよりも、「発達障害児であるという診断される機会の増加」であるのではないだろうか。

文科省の同調査では、昨年5月1日の時点で通級指導を受けている子が、前年度比6520人増であった。調査を始めた1993年度との比較では、なんと7.4倍増。潜在的には、通級指導が必要な子はプラス数万人いるとの説もある。

とあるが、歳月は過ぎ、今は2016年度である。調査開始の1993年度から比べれば時代は進み、発達障害の診断概念も大きく変化しているだろう。

かつてだったら「ちょっと変わった子」や「落ち着きのない子」「カンの強い子」と言われていた層が、すぐ「発達障害児」にされてしまう時代となったのである。

 つまり、そう診断される子は増えたが、そういうタイプの子が増えたわけではない。20年前にはスルーされていた子が、医学の進歩の結果か、社会が神経質になったせいか、背景はさておき、今はチェックの対象になった。結果、統計上の数字でも、現場の実感値でも発達障害児が増えた。たぶん、そういうお話なのである。

それでは、この問題を転がしたままで良いのか。勿論、良くないのだ。

今は、昔と違い、発達障害児をスルーしてしまうような教育現場ではない。社会が彼や彼女を見つめ、受け入れようとしているのだ。その進歩を斬り捨ててはいけない。

様々な思想が飛び交う現代社会の中で、発達障害児への理解を求めることは難しいことではあるかもしれないが、それでもこれからの未来を担う子供たちに、より質の高い教育を提供することは必要不可欠であると私は思う。

いくら急増しているとは言っても、発達障害と診断されている児童や生徒は100人に1人くらいだ。その子のためにそこまでやる?

という人もいるかもしれない。

しかしそう考えてしまうのは当事者ではない大人で、「発達障害児の増加」を「問題」であるとしたのもまた、そんな大人たちであるのではないのだろうか。

発達障害児の数が20年余りで7倍増加したワケ 診断概念の拡大が影響か – ライブドアニュース全国の公立小中学校における発達障害児の数が、初めて9万人を超えたという。20年余りで7倍以上増えた裏には、統計のからくりがあるはずだと識者は指摘。発達障害の診断概念が広がり、診断名が付く子の人数も増えたというnews.livedoor.com

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