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2018.8.10:フリーペーパーVol.29発刊!

R-1ぐらんぷり2018優勝「濱田祐太郎」

3月6日(火)夜、フジテレビ・カンテレで、「R-1ぐらんぷり2018」の決勝ステージが行われました。

優勝したのは、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のピン芸人「濱田祐太郎」でした。

NSC大阪の35期生で、同期にはゆりやんレトリィバァなどがいます。

視覚障害者だからこそ分かること

濱田祐太郎は目がほぼ見えない視覚に障害のある芸人さんで、視覚障害があるからこそ気づく、日常の体験などをあるあるネタのように次々と繰り出す構成で攻勢をかけていました。

しかし、あるあるといってもどの程度「ある」ものか、目が見える私にはその程度まで実感することはできませんでした。それでも、彼のネタはおもしろく、興味を誘う魅力たっぷり。

お笑いを職業とする方には失礼な言い方かもしれませんが、とても勉強になったのです。

つかみの速さとよく通る声

濱田さんの決勝ステージCブロックでのネタが、私にとっての濱田さんの「バリアフリー漫談」初見でした。

センターマイクのそばに介助者とともに現れるとまずは自己紹介、しますが、お客さんはシーン。
「あ、拍手無しですか…」濱田が客にツッコむと、歓声とともに高まる笑い声。

一気に会場を温めると、彼はよく通るはっきりした声で、視覚障害者が経験する日常やその他の出来事を面白おかしく紹介し、鋭くツッコミを入れていきました。

友人が多そう

濱田さんのネタには、多くの友人や、大阪のおばちゃんなどが登場します。

おばちゃんに目の見えない説明をした直後に「ええ、そうなんや、で、兄ちゃんは今私の顔見えてんの?」と問われるものや、「濱田ってさ、ダーツってやらへんの?」という知り合いからの質問がある話などから、彼が障害を異質なものととらえず、これまでも積極的に人と関わろうとしてきた軌跡が見えるかのようでした。

そういえば、はまちゃん車運転したことある?」といった知り合いの女の子からの質問には、あるわけのないことと濱田さんはツッコんでいましたが、AIが発達し、自動運転車も実用に向けて動き出している現代、そういった奇跡すら可能にしてしまう、世相も反映した社会的なネタであるかのように思えるほどでした。

彼はCブロックからファイナルステージに進み、2本めのネタを披露し、お茶の間からの票も獲得しながら審査員からも多数の支持を受け、全21票中12票を獲得。

見事、大会史上最多の3795人がエントリーした2018年のR-1ぐらんぷり優勝者となりました。

今、最も面白いピン芸人に輝いたのです。

それから後のことは、私は知りません。
ワイドショーも見ていないし、その他の芸人がパーソナリティを務めるラジオも聞きませんでした。

芸人同士の批評も聞いていません。

濱田さんはR-1というコンテストで優勝しました。
それはそれだけのことです

彼は、お笑いをしたくてひたすら芸の腕を磨いてきたことでしょう。
あの、1ネタたった4分のために、何千時間何万時間稽古をこなしてきたかは、想像に難くありません。

その点に敬意を示すなら、彼に視覚障害があることはほんの「たまたま」なことに過ぎず、だからこそ芸の内容だけを厳しく批判することこそが、芸人濱田に対する、最高の敬意の証だと思ったのです。