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パラリンピック競技のクラス分け―「LW2」ってどんな意味?

平昌パラリンピックが開幕しました。オリンピックに続き日本選手団の健闘が期待されます。
競技をテレビで見ていると、競技名や選手の名前と一緒に、障害の程度に応じたクラスを示す記号が表示されることに気づきます。

あの、数字とアルファベットの組み合わされたクラス表示の意味を正確に理解し観戦している視聴者は、それほど多くないのではないでしょうか。

パラリンピックをより楽しく見るためにも今回、アルファベットと数字を組み合わせたあの記号の意味を説明したいと思います。

冬季と夏季で少し違う

例として、平昌冬季パラリンピックに出場する日本人選手で見てみましょう。
アルペン立位出場「三澤拓」選手の場合、クラスは「LW2」とされています。

「L」は「locomotive」の頭文字で「移動に関する」という意味、「W」は「winter」です。
数字の「2」は障害の程度を表し、一般的に数字が小さい方が重症で、数字が大きくなるほど障害の程度は軽くなります。

また、スノーボードの成田緑夢選手のクラス「LL2」なら、最初の「L」は「lower」2つ目の「L」は「limb」で、「下肢」つまり「脚・足」という意味。

「UL」であれば「U」は「upper」で「L」は同じく「limb」です。合わせて「上肢」つまり「腕・手」です。

競技種類、障がい種類、障がい程度、クラスステータス

夏季の陸上競技で説明すれば、たとえば「T53C」というクラスの読み方は、「T」が競技の種類を示します。この場合なら「Track」ですからトラック競技、走競技と跳躍競技のことです。

数字の「53」は10の位の「5」と1の位の「3」それぞれに意味があります。

10の位に該当する50番台は、障がいの種類を表し、脚長差、切断、関節可動域制限、筋力低下等の障がいのある車椅子や投てき台を使用する競技者を表します。

1の位の「3」は、障がいの程度を表します。
0から9まで存在し、数字が小さいほど障がいの程度は重くなります。

最後に「C」ですが、クラスステータス(Class Status)といって、選手のクラス分け状況を表します。
「N」「R」「C」とあり、

Nは「New(過去クラス分けを受けた事がなく、競技前に受けなければならないもの)」
Rは「Review(クラスが確定しておらず、再度クラス分けを受ける必要のあるもの)」
Cは「Confirmed(クラスが確定したもの)」を、それぞれ示します。

平昌パラリンピック

3月9日開幕の平昌パラリンピックでも障がいのクラス分け表示があるだろうと、HIFUMIYO TIMES は開幕前に「公益財団法人日本障害者スポーツ協会」に、クラス分けについて詳細に説明された一覧はないか、問い合わせてみました。

各競技ごとにそれぞれバラバラに参照先があるとの回答を得ましたが、すべてのパラスポーツについてクラス分け記号が一括して閲覧できる一覧は見当たらないとのことでした。

逐一調べれば分かることですが、競技普及のためにも視聴者がより手軽に観戦するためにも、「一括して参照できるサイト」を作成し公開すればパラスポーツの普及にも役立つのにと、若干残念な気持ちにもなりました。

たとえば、現在は英語でのみ公開されている、平昌パラリンピックの情報が集められた”PyeongChang2018 Paralympic Games“というサイト内の、”Official website of World Para Snowboard” というスノーボード競技情報だけを集めたサイトには、 ”Classification” というタブがあり、そこでは、障がいの種類や程度について詳細な説明があります。

「クラシフィケーション」は、文字通り「クラス分け」です。残念ながら、今のところ日本語での参照は無いようです。パラリンピックの楽しみ方も十人十色ですが、選手のプレースタイルもさまざまです。

でも、彼らが一番好きな色は、パラリンピックのシンボルにも使用されている人間を構成する大切な要素「心」「肉体」「魂」を表す3色もあるでしょうけれど、それ以上に「」「」「」の3色なのだろうなと、思います。

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