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平昌パラリンピック初採用「スノーボード」に成田緑夢が出場

障害者スポーツは、アダプテッドスポーツ(adapted sports=適応させたスポーツ)、パラスポーツ(para sports=もう一つのスポーツ)などとも呼ばれ、主に、さまざまな障害を持つ人たちが行うスポーツと認識されています。

一方で、近年は障害を持たない者も障害者スポーツとされる競技、たとえば「ボッチャ」などに参加したり、反対に障害のある人が健常者と同じ競技に同じ条件で参加するケースも増えています。

平昌冬季オリンピックが閉幕し、3月9日に同地でパラリンピックが開幕しました。
夏冬を通じて、以前よりも「パラリンピック」がテレビ中継される機会も増えました。

それらは、期待する視聴者の目が、健常者や障害者と異なった呼ばれ方をする選手たちに対して等しく注がれるよう変化した、一つの兆候を示すものかもしれません。

平昌初採用競技「スノーボード」

パラリンピックの競技としては、今回の平昌で初めて採用となる「スノーボード」に、日本から成田緑夢(なりたぐりむ)選手が出場します。

もともとトランポリンの選手でもあった成田選手は2013年、練習中に左足の膝を強打し、膝から下が麻痺するという障害を負いました。足の一部を失いかけるほどのケガでした。

冬季パラリンピックの正式競技としては、今回の平昌で初めて採用されたスノーボード。
成田選手は、この種目で世界ランキング1位です。

前回2014年ソチ大会ではアルペンの1種目として実施されるに留まりましたが、正式競技に採用される今回、成田選手には初代王者の期待がかかります。

「爽やかでひたむき」それだけがスポーツなのか

パラリンピックを観戦するにあたり、選手が体験してきた肉体的精神的苦痛について知ることは、それぞれの競技をさらに深く知る手助けとなるでしょう。

障害のために頻繁に手術を受ける人もいるでしょうし、常に服薬することで日常生活が成り立つ人もいるでしょう。アスリートとしての筋力を維持するため、苦痛を伴うリハビリを一生続ける選手もいるかもしれません。

競技の裏で

選手自身は、そのような穿った見方をむしろ望んでいないだろうと思います。
彼らは結果だけを信頼するプロフェッショナルですから。

それでも、こちらはこちらでより楽しく観戦する工夫として、さまざまなデータを知ることくらいはできます。その一部として、選手がオリンピックではなく、あえてパラリンピックに参加した理由を知っておくのです。

成田緑夢選手は、兄が成田童夢、姉が今井メロの、アスリート3兄弟の末っ子です。
2006年、緑夢選手が小学6年生のとき、兄の童夢、姉の今井メロは、トリノへの出場を果たしました。

兄弟で比較されるプレッシャーといった、おきまりの苦痛を彼も味わってきているのかもしれません。
ランキングが1位だから「何らかのメダルは獲るだろう」程度の気持ちで、多くの日本人は観戦するのかもしれません。

しかし、一発勝負の戦いで、絶対王者とされる選手が敗れる姿を、私たちはたくさん見てきたはずです。

アスリートへの賞賛の影に、それと同じくらいの中傷が、SNSを経由して上がることもあります。選手にも、それらの中傷は容易に届いてしまいます。無駄な精神的プレッシャーを受けることなく、選手が最高のパフォーマンスを発揮するためにも、

良い勝者は良いライバルと観客が作る」ということも、知っておくといいかもしれません。

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