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2018.11.10:フリーペーパーVol.32発刊!

青春と鼻毛 ~君は今日も花咲いている~

暖かくなるにつれて気持ちも晴れやかになり、けれども春特有の切なさも感じる今日この頃。
春は出会いと別れの季節。特にこの時期になると、学生時代を思い出す方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
年々記憶が薄れていく中、キラキラとした視界の中で妙に眩しく見える学生服。弾ける笑顔。青春時代の甘酸っぱい記憶と共に、ふと蘇る卒業式の光景。そして頭によぎる、2つの文字。
そう、人にとって大切な毛の一つである「鼻毛」

キラリとした青春と郷愁に胸を燻るアナタに贈る
―『青春と鼻毛』

一行に込められた先生の優しさと、ためらい

卒業式といえば、卒業証書。涙しながら歌った校歌斉唱に、校長先生や来賓の方々による、この先記憶に残ることのない祝辞(まれに名言あり)、そして、あちらこちらに乱舞するサイン帳。
サイン帳とは友達の名前や住所などの自己紹介や、質問コーナーやメッセージなどを記しておける、女の子には必須アイテムの手帳です。ルーズリーフのページを、仲が良い友達などに渡しては書き合っていました。今の子はプロフ帳と呼ぶのかしら。え?そんなの、もう古い?今はSNSのID交換?…え?

(何事も無かったかのように)
わたしが学生の頃はまだ携帯が出始めた頃で、卒業式の時はもちろんサイン帳を渡し合っていました。友達だけでなく、お世話になった先生方にもヒラヒラと。
そこで思い出すのが、中学3年生の時に新卒で来られた保健体育のM先生。もちろん、その先生にも渡しましたね、「はい、どうぞー」と、お気楽に。
それから数日後、友達や先生方から返されてきた分を眺め、近付く別れの日に思いを馳せておりました。M先生のページになり、最後のメッセージスペースへと目を移したその時。
わたしの人生で大きなトラウマとなる、ある一言が記されていたのです。

「卒業おめでとう。
今まで言えなかったけど、お前

時々、鼻毛出てたぞ。」

言って!早めにそれ言って!この先 残るサイン帳なんかに記さないで!!
その瞬間、この1年間の楽しかったことや苦しかった日々が走馬燈の様に頭に過ぎり、「あの時も、あの瞬間も、わたしの鼻から毛が?いや、1年といわず3年なのでは…?でででも、時々って書いてる!頑張れ!わたし!」と、誰にも言えない恥ずかしさと変な悲しみと、先生への理不尽な怒りが一瞬でこみ上げてきましたね。
もしかしたら「高校では気を付けろYO!」という、先生なりの優しさだったのかもしれない。うん、きっとそう。

先生、ありがとう!
もちろん その後、先生のページだけ丁寧に破り捨てました!

それからのわたしは鼻毛恐怖症となり、血が出るほど執念深く切る苦しみの日々となりました。
学生時代はあっという間。当時は悩み苦しんだ時間も、時が経てばちっぽけな悩みだったと感じます。そして思い出はキラキラとしたものへと補正されていくものです。
でもね。そんなキラキラとした時間も、現在も。いつだって、鼻毛は側にある。

4月から新生活を送る学生さんや社会人の皆さん。
鼻毛、気を付けてくださいね。時々、チェックを怠らないように。
それが、わたしから贈る送辞です。

※今回、記事に書くに辺り、先生の名前を必死で思い出そうとしましたが、思い出せませんでした。名前よりも前髪M字カットの顔が邪魔をしたM先生。ある意味、当たってたのね。
言葉に出来ぬ感情を与えた先生の名前すら頭からスポッと抜け落ちる、時の流れに身を任せ…