棋士の序列を最も端的に表す将棋界の指標、順位戦。現在C級2組に在籍し無敗の8連勝でC級2組単独首位に立つ藤井聡太四段が明日2月1日、C級2組第9戦・梶浦宏孝四段との対局を迎えます。

これに勝つと藤井四段のC級2組の3位以内が確定し、C級1組への昇級が決まります。同時に、日本将棋連盟の昇段規定により五段昇段も決定します。

記録ばかりが騒がれ、やがて今

最年少プロ、29連勝など、これまでの藤井四段に関するニュースは、数字的な記録ばかりが取りあげられる傾向にありました。しかし、昨今の藤井四段に関するニュースには、彼の受け答えや礼儀正しい応対なども増えています。

テレビによる中継にはじまり、インターネット動画サイトでの中継も藤井戦は積極的に中継され、自分では将棋を指さなくても観戦を楽しむ「観る将」というファンも増えました。

指し手の意味はよく分からないけど、対局の雰囲気や緊張感を楽しみ、棋士の食事やその他の豆知識に興味を持つファンの増加は、グッズの売り上げや書籍の販売などで、将棋界に大きく貢献するものです。

射程圏内に入っている六段への昇段

順位戦のクラスが上がることで昇段する規定は、分かりやすいので比較的知られています。
C級1組で五段、B級2組で六段、B級1組で七段、A級で八段、名人で九段、ですね。

その他にも昇段するルールはさまざま用意されていて、日本将棋連盟のホームページには、その規定が詳細にまとめられています。

その中で、六段への昇段規定として「五段昇段後全棋士参加棋戦優勝」というものがあり、2月1日に五段となれば、2月17日の朝日杯4強に残っている藤井四段が五段になっている場合、規定に従って早くも六段に昇段することになるのです。そうなれば、五段時代は16日間だけ、となります。

2月17日朝日杯4強の顔ぶれ

朝日杯は全棋士参加型棋戦で、持ち時間はたった40分しかない早指し戦です。
タイトル戦の多くが4時間から9時間という長時間で戦われることを考えれば、40分がどれだけ短いか想像していただけるでしょう。

そして、その大会の上位わずか4名に、順位戦では最も下のクラスにいる藤井聡太四段が残っていることはそれだけでも快挙なのです。

残り3名の棋士は全員A級に在籍するトッププロばかり。
羽生善治竜王久保利明王将稲葉 陽八段

そして将棋ファンの間のみならず、当のプロ棋士の間でも、藤井四段が優勝することを特別不思議なことだとは、もはや思われていません。

さらに、昇段規定には注記として、もう一つ特別に設定されている項目もあります。

「抜群の成績を挙げた場合は、理事会にて審議の上、昇段を決定することがある」

とのこと。藤井四段の成績が「抜群ではない」と判断されるなら、その方が不思議です。

佐藤康光会長を筆頭とする、理事会の判断が待たれるところです。
というわけで、七段もあるのかもしれません。

しかし、あまり数字ばかり記録ばかり追っていないで、藤井四段の指す一手一手が意味するところを、楽しまなくてはいけないのです。