4月から、NTTドコモがQRコード決済サービス「d払い」を開始すると発表しました。
中国では以前から普及していた決済方法で、現金を持ち歩かずに買い物を済ませるキャッシュレス化が急速に進んでいます。

日本もその動きにやっと「追い付いた」とも言えますし、「追い付いてしまった」とも言えるでしょう。QRコード決済に関しては先進地域中国では問題も発生しており、日本での安全な運用については扱い方に注意する必要もありそうです。

客側のメリット

QRコード決済については、楽天ペイLINEペイなど、先行するサービスがこれまで日本にもありました。

それらは自分のQRアカウントにクレジットカードや銀行口座などを紐付けし、カードからお金が引き落とされることを前提としたものです。

それに対して今回ドコモが提供するQRコード決済「d払い」は、毎月のドコモ利用料と合わせて支払うことができるので、クレジットカードなどを持たない未成年の利用者も顧客として期待できます。

小売店側のメリット

日本で広く普及している電子マネーの導入には、店舗が電子マネー決済用のPOSレジを整備する必要があります。

コスト的な負担がかかる電子マネーと異なり、スマホやタブレットさえあれば導入できるQRコード決済は初期投資が大幅に削減されるため、企業による積極的な導入が期待できるでしょう。

中国での事情

中国で広く普及するQRコード決済利用者は、総数2億人にものぼるとされています。
普段の買い物から宿泊、レジャー施設、映画館、病院、交通機関、水道光熱費など、さまざまに導入され、決済設備の整った都心部などでは現金を一切使わないまま一日が過ぎるほどとのこと。

現地では一方で、導入の容易さから偽のQRコードを貼り付けて金銭を盗むような行為も確認されています。QRコードでお金を集めるホームレスの人々も現れているとのことです。

日本の金融庁や経済産業省は、今後約10年でキャッシュレス決済比率40%まで引き上げるとしています。

これまで、QRコード決済などのクラウド型決済サービスが普及した理由は、店舗と客の双方にメリットがあったからと言えるでしょう。

QRコード決済に限らず、口座引き落としなどの支払いはビッグデータの収集に大きく役立ちます。

日本の商業には伝統的に現金文化が深く根付いており、その傾向は今も変わりません。
新規POSレジ導入不要により設備投資のハードルを取り除いたQRコード決済が、今後、安定した地位を築くためには、セキュリティの確保が重要となります。

電子機器の操作に不慣れな高齢者などIT難民の取り込みも商機となるでしょう。
キャッシュレス社会の実現には、利用者に基本的な知識を普及する必要があります。
官民が垣根を超えて普及導入に向けて協力することで、日本への安全な導入は可能であると期待しています。