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ひふみん!加藤一二三元名人!神武以来の天才はどこに行っちゃうの?

藤井聡太四段といった若手の有望株により、将棋界は盛り上がりを見せています。
さらに、藤井四段の後を追うように新たにプロとなった19歳の斎藤 明日斗新四段も、10代のプロ棋士として期待されています。

女流として5つのタイトルを保持する里見香奈奨励会三段や、同じく女流としてしのぎを削る西山朋佳三段が、奨励会三段リーグで女性初のプロ棋士を目指しています。

将棋の普及に貢献する彼ら新興勢力とは違った形で、今まで将棋に感心の無かった人たちへの普及に多大な貢献をしている神武以来の天才が、「加藤一二三」九段です。

中学生プロ棋士の先駆け、中原誠十六世名人からの劇的な名人位奪取

14歳2カ月でプロとなった藤井聡太四段が現れるまで、14歳7カ月でプロとなった加藤九段の最年少記録は62年間守り続けられました。多くの記録を築き上げてきた加藤九段が、初のタイトルを獲得したのが1968年度第7期の十段戦(現在の竜王戦)でした。

相手は、当時四冠を保持していた大山康晴十段。
2勝3敗のカド番から2連勝し、フルセットの末、大山十段から十段位を奪取したのです。

さらに、1982年の第40期名人戦では中原誠名人から4勝3敗1持将棋に2回の千日手局といった実質10番に渡る死闘の末、初の名人位を獲得しています。

ひふみん、として

ひふみんの人気が、今これだけ高まっている理由は、加藤九段が現役時代にそれだけの実績を残しているからでしょう。

先生の公式戦を生放送で目にしたことはほとんどありません。
しかし、調べれば過去の実績はいくらでも出てくるし、バラエティーで加藤先生を知った若い方や子どもたちは、インターネットを駆使して「ひふみんってどんな人?」なのか調べているでしょう。

加藤先生のテレビへの出演は今のところ留まるところを知りません。
発声の特徴から話の内容を聞き取れないという実情もありますが、それを補って余りある愛着あふれる人物像が、視聴者に好感を抱かせているのだと思います。

強さってなんだろう?

将棋の強さは本来「将棋というゲーム」に限定して強いということを表します。

ただ、あの過酷な連戦の世界を観察していると、上位棋士に限定されることかもしれませんが、棋士が試されていることの本質は、純粋な精神力ではないかとさえ思えてくるのです。

それが「強さ」と言うものではないでしょうか。

過去にどれだけ多くの栄冠を勝ち取っているとしても、そのことを懐かしむ暇があったら次の勝利を目指すのです。加藤九段はタレントとして芸能事務所にも所属し、コマーシャルにも出演し、NHK紅白歌合戦の審査員も努めました。

お笑い芸人であり、世界的に有名なピコ太郎のプロデューサーでもある古坂大魔王は、加藤九段に曲を提供しました。将棋の強さに限定されることではないのですが、強さとは認められることでその力を増すものです。

強さは人そのものとなり、力が本来持つ本能としての「」に昇華します。その強さは人を守る方向へ育ち、周囲からの尊敬を集めるのです。「強さは優しさ」であると言われる所以はそこにあるのではないでしょうか。

ひふみんは好奇心旺盛で謙虚で常に初心を忘れずいつでも新たな挑戦に余念がありません。
単におもしろいという境地を超えた、みんなの心を癒やしてくれるひふみんは、確かにタレントとしてはまだ新人かもしれません。

たまには疑問手を指すかもしれないけれど、あの朗らかな笑い声の裏で、ひふみんはいつも貪欲なまでに最善手を求め続けているのではないでしょうか。

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