東京オリンピック、パラリンピックまであと4年。都内では電車内のバリアフリー化が進んでいたり、空港内も車椅子でスムーズに移動できるよう補正されたりと東京五輪に向け、障害者・高齢者もより共生できる街づくりが進められている。
そんな東京オリンピック・パラリンピックを機にこの度、心のバリアフリーやユニバーサルデザイン化を推し進めるべく「ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議」での中間とりまとめ(素案)が発表された。
ユニバーサルデザイン(Universal Design、UD)とは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。
具体的な内容は次のように述べられている。
交通分野や観光、外食等サービス産業においては「東京大会スタッフ向けのサポートガイド基礎編」をベースにした接遇マニュアルを充実させて接遇の向上を図る。その他、多機能トイレでのマナー向上や障がい者雇用の促進、障がい者と健常者がともに参加できるスポーツ大会開催の奨励など、障がい者・高齢者が参加しやすい環境整備を具体的に推進していくにあたってのたたき台となっている。
教育現場や企業、交通分野、観光分野など多岐にわたって、心のバリアフリーやユニバーサルデザイン化を推し進められるように研修やマニュアルを充実させるとのことだ。
多機能トイレなどの公共マナー向上については、私たち車椅子ユーザーにとって非常に期待したいところである。
最近では、正当な理由もなしに健常者の人に多機能トイレを利用されて待たされたという話も聞く。こうした公共マナーの改善も進んでいってほしい。
HIFUMIYO TIMESで以前書いた記事にもあるように、こういった取り組みにより駅員同士の連絡がうまくいっておらず電車を降りる時に苦労したといったことが少しでもなくなることを願う。
4月1日から施行された障がい者差別解消法の内容である、不当な差別的取扱いを解消し合理的配慮を徹底する心構えを根付かせることが含まれる。高齢者や障がい者の状態像は一人ひとりで異なっているため、平等な機会を提供するためには当然接遇方法でもそれぞれに合わせた配慮が必要となる。また、学校や企業、個人、店舗などサービス提供者の状況も千差万別なため、それぞれでの立場での最適な配慮を検討することがポイントとなる。
学校では○○、企業では○○といった感じでそれぞれ別々の分野ごとに最適な配慮を考えるだけではなく、お互いに情報やノウハウを共有しあいどうしたら誰もが住みやすい町に、より一歩近づけられるのかということを共通の目標として、心のバリアフリー・ユニバーサルデザイン化を遂行していくのもいいのではないだろうか。
「障がい者や高齢者に対しどんな配慮をしたらいいかわからない」という方も多いかもしれない。そのような場合には「こういった配慮をできるように心掛け、こういう工夫をしていますよ」といった配慮の仕方の「コツ」を伝授したりとお互いに補完しあえる関係も生まれる。
共生社会の実現にはまだ多くの課題が残されているが、皆が協力して一体となって進めていけばきっとクリアできるだろう。
心のバリアフリーやユニバーサルデザイン化の浸透が東京など都市部にだけ偏よることなく全国隅々にも広がることを期待したい。
https://goo.gl/WAFbLg
http://goo.gl/DPCoKx
最新情報を購読しよう!
就労継続支援・就労移行支援事業者様へ
HIFUMIYO TIMESでは毎月フリーペーパー版を発行しており、各エリア版の加盟店を募集中です。福祉事業者に最適なブランディングと広報力をご提供します。詳しくはお問い合わせください。