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タッチパネルからの質問「配偶者はいますか?」…それ、答えなきゃいけないの?

普段、食品の買い物で頻繁に利用している地元のディスカウント量販店のポイントカードが全国的にも有名な「ポンタカード」に変更になりました。

それで、今持っている旧来のカードから新カードへ、ポイントと個人情報の引き継ぎを行うための手続きにその店を訪れました。

切り替えは期間が限られていて、その日の買い物によるポイントは新カードでなければ記録されないとの事情もあり、カード切り替えコーナーは多くの人が長い列を作っていました。

忙しいなか買い物に来た客の弱みをつく質問手順

自分の順番が来て担当者の前の席に着いた私はすべての質問にツッコミも入れず受け流し、新カードを受け取って早く帰ることを優先しました。

情報の変更や新規入力にはタブレットが用いられ、客は用意されたタッチパネルの質問に一つひとつ答えていく形式をとります。

タッチパネル操作の終盤、突然首を傾げるような質問

配偶者はいますか

が登場。
まさに、ラスボス。

べつに気にしていませんよ

私は独身ですが、それについて質問されたり、結婚の良さをとうとうと語られることにも、特に嫌な気持ちにはなりません

しかし、現代における個人情報に対する考え方の大きな変化と趨勢を考えれば、客観的には「この質問は限りなくアウトに近い失礼な質問かもしれない」と思いました。

それらの思いを一瞬のうちに脳裏で考え、やり過ごし、一言も苦情を漏らさず「いない」の方をタッチした私。

カード更新手数料100円を払い、代わりに店内で使える100円割引券ももらいました。
これで、素晴らしいことに損はありません。

素晴らしい心配りですね

長い目で見れば客は離れていきますよ

「なんで、配偶者の有無を答えなあかんねん?」

とつぶやき、すべての買い物を済ませた私はゆっくりと自転車を漕ぎながら、自分の疑問に答えを与えようと思考を巡らせました。

おそらくは、来店する客に家族が大勢いる方が、店にとってさらに多くの買い物が期待できるということでしょう。

その点を判別する決め手となる質問が「配偶者はいますか」だったのだと思います。

法的に問題のある質問ではないでしょうから、そのような質問項目を設けたことに、店としても批判されるいわれはないのかもしれません。

しかし、過去数年の間に若干変更のあった「履歴書」の書き方やフォーマットを比較対象として考えてみると、情報の提供元である個人の考え方に変化が現れていると思います。

今でも議論される「家族構成」「趣味」などの、仕事能力とは無関係な欄の存在。
ジェンダーレス社会と逆行する「性別」「年齢」欄。
「学歴」欄を小中学校から書く風習や、「顔写真」の貼り付けなど。

これらは、キャリアを重視する欧米の求人ではほぼ問われなくなった項目です。

私は、ロンドンの翻訳会社に翻訳者として登録していますが、以上の項目でエージェントが知っているのは、スカイプで連絡する中で自然と分かった性別くらいです。

質問しなくてはならないことをきちんと言葉で伝えるコミュニケーション能力は不足しているのに、聞くべきではないことにずけずけと踏み込んでいく傾向のある日本人の多いこと。

オフのサッカー選手に対するドイツ人のさらりとした対応を、キャッキャ大騒ぎしてベタベタ近づき写真までタダで要求する日本人は学ばなければなりません。

店の繁盛を優先して、個人のプライバシーに土足で踏み込むような質問は、やめてくださいね。

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