クレジットカードや電子マネーによる決済が普及し始めています。現代は、現金を持ち歩かなくてもショッピングが楽しめる時代です。
一方で、そんな現代にも小さな紙切れ「レシート」は、しぶとく生き残っています。
コンビニでジュース1本買っただけでも縦に10センチほどの細長い紙片となって出力される、紙のレシート。
それは、ポイントや電子マネーの残高表示など、重要な個人情報の宝庫でもあります。
ペーパーレス社会を推進する現代、購入履歴を電子データとしてスマホのアプリに届けてくれる「電子レシート」が、政府の後押しも受けるかたちで普及の兆しを見せています。
決済が省略されている事にすら気づかなかった、、、。決済は簡素化され、自動改札を通り抜ける時のように、店を出るのと同時にできてしまう。電子レシートの数字とかはもはや気にしなさそう / 「アマゾンGO」体験…https://t.co/7oQXKIzFXn #NewsPicks
— ありぺい (@Aripei_pei_) 2018年1月24日
電子レシートのどこが便利なの?
データですから場所を取りません。どれだけたくさんのレシートをもらっても、電子情報であるレシートは重みを持たず、かさ張ることもありません。
スマートフォンに届けられる各種のレシートは小売店ごとの一括管理が可能となり、家計簿の作成も、より簡単に出来るようになるでしょう。
それは消費者だけでなく、国にとっても望ましいことです。
国税庁にとって、電子レシートは税金の確実な徴収に有用なものとなるでしょう。
すでに、一部の地域や店舗では実験的に導入されており、利用者の感想もネット上に公開されています。
電子レシートユーザーにとって紙のレシートが不満である理由の第1位は「財布が膨れる」というものでした。そして、電子レシート利用者の9割以上は、継続して電子レシートを利用したいと回答しています。
買い物履歴をスマホ管理 電子レシートで標準規格 :日本経済新聞: https://t.co/pPke6TtzuI
— スクエアゼミ (@SQUARE_seminar) 2018年1月22日
個人情報に関する、ポイントカードとの決定的な違い
名刺サイズの小さな紙にスタンプを押したり、磁気カードをレジに通したりして買物金額に応じたポイントを貯めるカードは以前からありました。これらポイントカードは作成時の約款として、消費者に有益となるかたちで個人情報を使用すると、消費者に同意を求める項目があります。
カード発行時点でユーザーは約款に同意しているわけですから、実質的に購買履歴はすべて小売店によって管理されているのです。
経済産業省は2017年、福岡のスーパー「トライアルカンパニー」で実証実験を行い、電子レシート導入に伴う購買履歴などの情報管理についてさまざまな検証を実施しています。
速報 – 経産省が電子レシートの標準規格策定へ、購買履歴データ活用に追い風:ITpro https://t.co/rgmsoJQNFt
— 笑われ男@時時通信 (@KawanagareK) 2018年1月20日
個人データを自己判断で管理
従来のポイントカードでは、一度作成してしまえばその後の購買履歴などを含む個人情報は小売店の管理下に入り、膨大なビッグデータの一部として消費者の利益に供する形で利用、売買されてきました。
一方、電子レシートの主旨は、個人情報の提供範囲を消費者自身が判断し小売店側に伝えることで、情報の程度に従って享受できるサービスに「差」を出そうといったものです。
ですから、発行されるクーポンやもらえるポイントには違いが生まれます。
「より多くの情報を提供していい」という消費者には多くのポイントが付与され、「自分はそれほどポイントが欲しい訳ではないから情報提供は抑えめにしたい」という消費者には相応のサービスが提供されます。
自分の情報と店側のサービスといった「物々交換」の程度を、自分で設定することが出来るのです。
電子レシートの導入には、財布のかさ張りを防ぐ以上にさまざまなメリットがあります。
紙片のように散乱することが無いため個人情報をより安全に管理できます。
管理といえば、電子レシートは個人情報の自己管理を原則としています。
これにより、消費者の個人情報に対する意識の向上も期待できるでしょう。
トライアルカンパニーでの実証実験で使用されたアプリにも、個人情報の提供範囲を自分で設定する機能が付いています。
消費者に、自分の情報は自分で管理するといった安心感を持ってもらうことで、クーポンなどの販促サービスとともに、電子レシートのスムーズな導入もこれから加速していくことを期待したいですね。