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JR北海道・石北本線「旧白滝駅」と、一人の女子生徒との3年間

2016年3月26日、JR北海道・石北本線「旧白滝駅」が廃止されました。
同日、JR北海道では、旧白滝駅とともに近隣の「上白滝駅」「下白滝駅」「金華駅」も廃止されています。

旧白滝駅の廃止は、駅の利用者が1人もいないということで、実はこの決定の3年前にすでに決まりかけていました。

しかし、利用者を調査してみるとたった1人毎朝この駅を利用している乗客のいることが判明。

遠軽高校に通う高校生、原田華奈さんでした。

北海道新幹線の影に

旧白滝駅とともに8つの駅が廃止となった3月26日、北海道では待望の北海道新幹線が開通しています。しかしJR北海道では、453駅のうち58駅が1日の乗車人数1人以下となっていました。

廃止された8つの無人駅の1つ、旧白滝駅に朝、訪れる汽車は7時16分の1本のみ。これを乗り過ごしてしまうと、もはやその日に乗車することはできません。

部活動が昼から始まる日であっても、原田さんは朝のこの時間の汽車に乗るしかないのです。

「いいことはないですね、悪いことはたぶん、早起きしなきゃいけないことと、自由に遊んで帰ってこられなくなったり、汽車の時間があるので」。

駅の存続

駅の存続はJRの独断ではなく、住人の協力が大きく関与しています。
この駅は終戦後、オホーツクの開拓民からの要望によって開業に至ったものです。

原田さんが卒業する3月1日、朝の汽車を待つ彼女の元へ地域の住人が祝福のことばを贈りました。

そして同月26日に、最後の運行を終えています。

春から東京の看護学校に進む彼女の父親、原田喜一郎さんは駅までの道のりを車で送り、親子での貴重な2人の時間を過ごしてきました。

海外からの反応

この話題は海外の各メディアでも取り上げられました。

中国のあるメディアを中心に賞賛の声が上がるなか、美談に終止しているとの批判があったのは中国のまた別のメディア。それは、運行コストの問題でした。

「生徒1人のために1両の汽車を運行するのは莫大なコストがかかる。乗客本人にしても同級生との交流がないため教育の質も低下する」

といったもの。

彼女は雪がひどく運行状況が不明なときも、無人駅で尋ねる駅員も居ないなか、友人に携帯で連絡を取り自ら情報収集していたとのことです。

仮に美談だとして、それをメディアが批判する権利などどこにあるのでしょう。

1人の少女のために約3年間にわたり、本来なら廃止になっているはずの停車駅を継続するという判断は、一見思いやりに満ちたものに見えます。

しかし、そのための運行にかかる費用を考えれば非効率的であり、損得を考えれば相応しくない判断だったのかもしれません。

1年以上が経った今では、JR北海道の判断に対しては、さまざまな意見が交わされているようです。

海外のメディアがこの話をどのように評価しようと、それは気にする必要はないでしょう。現実に恩恵を受けた人物は原田さんで、コストを犠牲にして運行を継続したのはJR北海道なのだから、痛みを負担しない者に批判する権利はありません。

もし、全国のJRで今回のような判断に伴う運行廃止の中止が頻発すれば、その事業に関しては赤字が増えてしまうでしょう。同じような思いやりを常に考慮する余裕は、一企業にはありません。

しかし、企業が経営を進めていく上で「経済」という言葉が本来意味する「庶民の幸福」を追求することは、長期的に見て最も相応しい経営の姿ではないのかと、私は海外からの批判に小さく反論しています。

ひとりの女子高生のために存続していた「旧白滝駅」の運行最終日に現地へ行ってきた

via:ROCKET NEWS24

利用者はたった一人の女子高生。廃止になった1つの駅と彼女の物語に心温まる。

via:FEELY

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