7月24日、厚生労働省からショッキングな発表がありました。

それは、マダニが媒介となることで有名な感染症、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に関するものでした。

2016年夏、50代女性が野良猫に咬まれたことによりウイルスに感染、SFTSを発症し死亡したと考えられるというものです。

実は、哺乳動物からヒトへの感染が確認されたのは、これが初めてのケースでした。

これまでは、マダニに咬まれないよう注意していれば安心だろうと考えていた方も多いと思います。しかし、今回発表された報告により、マダニよりも身近な生き物、ペットなどからの感染の恐れも指摘されたのです。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

SFTS:(severe fever with thrombocytopenia syndrome)

「SFTSウイルス」を病原体とする病気で、2011年に中国で新たな感染症として報告されました。

主な初期症状に発熱、全身の倦怠感、おう吐、腹痛、下血などがあり、重症化すると死亡するおそれも。残念ながら現時点では、有効な抗ウイルス薬は存在しておらず、対症療法が主な治療法となります。

日本やおとなりの韓国、中国などで患者が確認されていますが、日本国内においては2013年1月に初めて確認されて以来、毎年約60名の患者が報告されています。

日本国内で確認されているマダニの種類は47種。そのなかでSFTSウイルスを保有するマダニは、「フタトゲチマダニ」「タカサゴキララマダニ」の2種だそうです。さらにマダニは、市街地の草むらなどにも潜んでおり、遠い野山の話ではないのです。

ネコが感染を媒介!?

初めて報告された、ネコからヒトへの感染。本当にネコがウイルスを媒介したのか?死亡した女性はどのような経緯で感染してしまったのでしょう。

女性は衰弱していた野良猫を保護し動物病院に連れて行こうとした際、そのネコに咬まれてしまいました。そしてその10日後、SFTSを発症し死亡。そのネコにSFTS感染は確認されなかったものの、血小板減少などのSFTSの症状が見られたこと、女性はマダニに咬まれていないことから、ネコに咬まれて発症した可能性が高いと考えられています。

つまり、[”マダニ” ⇨ ”ネコ” ⇨ ”ヒト”]といったウイルスの動きがあったのではないかというものです。

これはあくまで可能性の話で、断定されたわけではありません。

これまでは、「SFTSウイルス」に感染したマダニに咬まれることが、ヒトへの感染・発症の要因だと考えられてきました。しかし最近の研究で、野生動物やイヌ、ネコなどからもウイルスの検出が報告されていることもあり、「SFTSウイルス」に感染した動物の血液や体液に直接触れることで感染する可能性は否定できないとしています。

「SFTSウイルス」から身を守るには

健康なネコ、屋内のみで飼っているネコから感染することはないと言われています。

それでも感染予防のために注意すべき点があります。

  • 動物を飼っている場合、「口移しでエサを与える」、「布団に入れて一緒に寝る」などの”過剰なふれあい”は控える
  • 動物をさわった後は、手を洗うなどして清潔にする
  • 飼っている動物の健康状態に注意し、体調不良の場合は動物病院を受診する
  • 野生動物はどんな病原体を持っているかわからないため、不用意に近付かない、さわらない
  • 飼っている動物(特に屋外に出ている動物)のマダニ駆除を行う
  • 動物に咬まれないように注意する

マダニ駆除剤は、スーパーやドラッグストア等で購入できるので、ぜひ。

動物・マダニに咬まれてしまったら・・・

もし、ペットや動物に咬まれたなどして、体に不調を感じた際は早急に医療機関へ。

受診時は、ペットの飼育状況や健康状態、動物との接触時の状況について医師に伝えましょう。

そして、マダニに咬まれた場合に注意すべき点は、強引に除去しようとしない!

無理に引っ張ると、しっかりと咬み付いたアゴなどが残り化膿するおそれがあります。ペットについたダニも同様。

市販の除去剤もありますが、医療機関を受診することをオススメします。

via:厚生労働省ホームページ