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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

進む地方の画一化、もしも日本の地方がすべて埼玉県になったら

日本には、大都会もあれば地方都市もあります。過疎化の進む田舎もたくさんあります。

日本の地方は、土地ごとに風土や文化や言葉や産業などに、さまざまな特徴があります。同じ人口5万人の市が複数あったとしても、それぞれの自治体の間で街の景観は全く異なります。

それが、地方の良さでもあるのです。

かつて、特にインターネットがまだ普及していなかった時代なら、遠く離れた土地の文化を目にする機会も簡単には得られませんでした。今では情報が一瞬で世界各地に届いてしまいます。

首都の東京を除いて、地方が全て個性を持たない同じような土地で統一されてしまったら……。それは果たして良いことと言えるのでしょうか。

機能性と文化、どちらを取るか?

それを良しとするか悪しきとするかは、個人で意見の分かれるところです。

経済的な効率が重要だから無駄のないまちづくりの結果同じような地方都市になるなら仕方ない」
という意見もあれば

「日本のどの土地も同じ様になってしまっては面白みがない、観光という産業が成り立たなくなる」
という意見もあるでしょう。

しかし、イオン、セブンイレブン、スターバックスコーヒー、ブックオフなどは、多くの土地で同じように見かけるようになりました。そして、その土地の住人はそれらの大手チェーン特有の物流の力による豊富な品揃えと低価格の恩恵を受けています。

一方、それら大手チェーンの地方進出によって代々営まれてきた地元に根ざした商店が廃業しているという事実もあります。

地方の真実

埼玉県を例として掲げた理由は、東京に極めて近く決して地方とはいい難い政令指定都市さいたま市を持ちながら、一般的に田舎としての認識を強く持たれているからです。

確認のために言えば、埼玉県は決して田舎ではありません。むしろ都会です。

本当の地方、田舎というものは、東京の人が見る埼玉のような落差の小さな田舎ではなく、もっと格段に過疎化の進んださまざまな難点を抱えた不便な土地です。

買い物するにもまず店が少ない、あっても値段が高い、あるいは売っている店が「無い」。ある特定の商品はほとんど置いてない。店に行く公共交通機関が極めて少ない。いわゆる買い物難民が存在します。

さらに、病院が少ない。病院に通うための交通機関が限られている、運賃が高い、または無い。医療難民ですね。

高い技術を備えた医師の不足による治療方針選択の幅が狭い、などなど。

文化の平均化

どれだけ地方の良さが旅番組やグルメ番組で紹介されたとしても、あるいは観光で訪れた人たちが東京に戻ってその良さを語っても、結局のところ人口の都市集中が止まらない理由は「経済的な生産力を犠牲にしてまで地方の文化や情緒を選べるほど、日常の生活に余裕のある人など、ほとんどいないから」です。

まずは経済的な効率を優先しなければ、誰だって自分の生活に責任が取れなくなります。

地方の均一化が進む理由は、各地方が持つ素材の面ではバラツキがありながら、その中で少しでも住人の生活を豊かにしようとすれば、どの地方も「中途半端な都会」になってしまうのは避けられないからです。

地方に導入する過去の成功事例はそれほどパターンが豊富なわけでは無いし、豊かさがまずは経済的な安定であれば、すでに成功を収めている巨大スーパーやショッピングモールの出店で日本は埋め尽くされてしまうでしょう。

家賃や生鮮食品の物価を見れば、東京の相場は驚くほど高いものです。しかし大量一括仕入が可能なタイプの商品なら、むしろ都会のほうが安く買えます。

もしも、日本の地方がすべて埼玉県になったら、経済的な活動は今より活発になるでしょう。

しかし東京は一カ所にしか無いし、すべての地方が東京から同じ距離に存在することは不可能ですから、埼玉としてのアドバンテージを活かしきれない土地も生まれるだろうと思います。

日本には地形的な特徴が大きく存在し、気候とも関連して、農業、水産業、畜産業が同じようなやり方でどの土地でも成功するというわけではありません。

インターネットを活用した地方自治体同士の連携や協力が以前より円滑に行えるようになった今なら、観光産業などの面で地方間で協力することも可能でしょう。

旅行者に対する宿泊施設の優待制度を設ける、空き部屋状態になっている宿舎や公団住宅などを自治体同士で低価格で宿泊に運用するなど。

埼玉県に限る必要はないのですが、地方の画一化は今後さらに進んでいくでしょう。その良し悪しについては個人で意見が異なると思いますが、自治体が住民の協力を得ながら自然の流れに逆らうことなく住みやすい土地にしていくことは可能です。

そのなかで、すべてのが自治体が住人の満足経済的成長分化の多様性を維持していくためには、産業面でも生産面でも互いに情報を交換し協力していくことが、競争していく以上に必要となってくるでしょう。

http://news.livedoor.com/article/detail/9744256/

via:livedoor NEWS

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