夏休みですね。
大学生の皆様はすでに始まっている夏休みかもしれませんが、小中高生もようやく長い休暇に入りました。
とはいえ宿題も多く、学校によっては独自のプログラムが組まれ、実質的に休みなどない子どもたちもいるかもしれません。
夏休みは有効活用してほしいものですが、大人でも休日を上手に使えない人はたくさんいます。
あまり神経質にならずにダラダラゴロゴロしたっていいのです。
【お知らせ】本学図書館では、今年も中学3年生・高校生を対象とした図書館開放を行います。涼しい図書館で、受験対策や夏休みの課題に取り組んでみませんか。詳しくはこちらをご覧ください↓ pic.twitter.com/2ZJmsgjGss
— 新潟産業大学附属図書館 (@nsu_library) July 13, 2017
子ども同士で自主学習
なかには、宿題をまじめにこなす子どももいるでしょう。そのために利用される夏休み期間中の社交の場の一つに、地元の「公立図書館」があげられます。
そこは勉強をする場所というより、子ども同士で休み期間中のできことを交換しあう絶好の無料施設。もちろん大人も利用しますが、夏休み期間中の利用者の中心は子ども。
図書館によって館内利用のルールが少しずつ異なるでしょうが、小中高、各学年の児童生徒がそろっています。
ところで、彼らが自分たちの課題を互いに学び合うことって、無理なのでしょうか?
【教育フォーカス】アクティブ・ラーニングを活用した指導と評価研究 ~授業レポート~ 第3回 生徒同士が話し合い、教え合う「対話を通した学び」で教科学力と生徒自身が学び取る力を、共に育む ~東京都立国立高校3年生「生物」での実践 https://t.co/9FPy9P2Og4
— ベネッセ教育総合研究所 (@berd_info) February 8, 2017
共同学習ブース
図書館にはたいてい、勉強するための部屋が設けられています。学習室などと呼ばれることが多いはずです。学習するのだからその空間を騒がしくしてはいけませんので、一角に出入り自由の小さなブースを作るのです。
そこは、子どもの出入りは自由にして、互いに協力して学習するのです。基本は「教えあい」にします。なるべく「教えを請う」のは止めておくのです。
理想は同級生など、近い学年同士で。もし、子どもたちの勉強の手伝いをしたいという高校生などがいればお願いしてもいいけれど、彼らは大学受験の勉強が中心でしょうから、教師役を無理強いしてはいけません。
さらに、必死に自分の資格試験などに取り組んでいる人を巻き込んでもいけません。
今日の朝日新聞の記事
「学び合い」で学力アップ!
アクティブラーニング(能動的な学び)が注目されていることもあり、生徒同士が自由に教え合う「学び合い」いいですね。#地域で1番優しい塾だよ#無料体験実施中#柴島中学#新東淀川中学#中島中学#東淡路小学校#菅原小学校 pic.twitter.com/1HWYMr4aAR— 朝日つむりん塾 (@R7yMOqhBrdpgXnR) February 2, 2017
自分が学んだ経験から
私が小学6年生のとき、新しく決まった担任は自分が前に立って授業するのではなく、各教科ごとに特に成績が優秀な児童を選び、授業を担当させていました。
もちろん、本人の意思を尊重して了解を得るのですが、先生から信頼された誇らしさから、頼まれた子どもはだいたいやる気満々でした。
子ども同士で先生と生徒役に回って講義と質問を進めていきます。
私も算数や理科が得意だったので、算数の授業は前に立ってやっていました。
担任は黙って授業の進行を観察し、行き詰まったり質問が殺到すると助け舟を出しました。
「質問の意味が分からない」
「名人くんの説明はわかりにくい」
となると、先生は問題となっている部分を皆に説明して解きほぐしてくれます。
やがて、成績が伸びてそろそろ先生役もできる生徒が出てくると、
「名人、お前の授業はとても良い!お前のおかげで〇〇がどんどん伸びてるんだ、ここは〇〇に席を譲ってくれんか?」
というわけで、新しい先生を育てていくのです。
宿題がない、異学年制、生徒同士が教え合う、生徒が学習カリキュラムを決める、そんな驚きの先進的教育。尾木直樹さんが憧れるオランダで発展したイエナプランという教育の特集。そして、今日はその集まりに参加。 https://t.co/Kgvyngfsad
— 木村智浩 (@tomohirokimura) January 22, 2017
こういった授業形態を、面倒くさくて割に合わない余計な仕事と考える向きは強いと思います。
成績優秀な子どもにとっては迷惑になるだけだと。
確かに、本格的に受験を考えている子どもなら、小学生でも面倒な業務かもしれません。
教え合いは任意のもの、とはいえ、子ども同士で何が問題になるか分かりません。
でもやっぱり、大人に信頼されるのって、嬉しくないですか?
これは貧困児童の学力問題の、一つの解決方法でもあります。
この方法に頼りきってはいけないのですが、お金を介さない「能力の物々交換」は、最も効率のいい財の交換方法にはならないかと思うのです。
最近、学校教育でも取り入れられている「アクティブ・ラーニング」。生徒同士が教え合う、ような新しい学びの形が効果をあげている、とのこと。「アクティブ・ラーニング」の歴史的経緯、メリットやその理由などが、わかりやすくまとめられている一冊 https://t.co/yk59Zsaq6D
— 精神科医 樺沢 紫苑 (@kabasawa) August 13, 2016
やってみるとわかりますが、自分が自分の勉強をすることより、教えることははるかに難しいのです。
教える経験は、自分にとってかなりの勉強になりました。
子どもたちの環境を、大人が操作することには問題があるのかもしれないけれど、クーラーの効いた図書館には、暑い夏の夕方、本を読みながら涼む以上の、大きな可能性が潜んでいると思うのです。