最近ネットの広告で「大人のADHD診断」なんてものを見かけたり、テレビでも発達障害の子供への接し方を特集していたり。発達障害・ADHDという名前だけでも以前と比べると大分世の中に広まってきているのではないでしょうか。しかし、名ばかりが広まりまだまだ”理解”とは程遠いように思います。
先日発売された『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした』(モンズースー)は、大人の発達障害当事者の著者・モンズーさんと、発達障害グレーゾーンの2人の息子たちとの日常を綴ったコミックエッセイ。
このコミックエッセイでは、日々の生活のなかで母親が抱く息子への違和感を始め、障害を抱えていると診断されるまでの母親の心情をわかりやすく描いています。心理士からの「8ヶ月ほど発達が遅い」という診断に加え、さらに追い打ちをかけるように著者である母親自身も発達障害(ADHD)という診断が下されました。
タイトルの「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした」とあるように、発達障害の症状を抱える人は確かに生きづらく苦労しているものです。普通に見えるのに、空気が読めない、集中できないといった発達障害特有の症状により、周りからの理解がなく悩み苦しんでいます。
怒涛のごとく押し寄せる現実に、押しつぶされそうになりながらも、子供たちを愛する母の愛があたたかくも切ない……。
悲しいことに、我が子とほかの子との違いに気付かない親御さんもいます。違和感を感じ、険しい道ながらも自ら診断を受けに行く。とても勇気のいることですが、彼女の体験によって同じように漠然と不安を抱えている多くの母親たちの救いの一冊になることを願います。
こんな時はどうすれば良いのか、こういうハンディキャップを持っている、こういうことで苦労をする、というように、よりわかりやすく発達障害への理解が深まる一冊になっているのではないでしょうか。
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