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遠藤保仁がボールを止めて、蹴る。W杯に必要とされる最上級のサッカー

現在は所属クラブのガンバ大阪でプレーを続ける遠藤保仁が、日本代表を引退して数年が経ちました。

日本代表出場試合数歴代152試合1位、守備も攻撃もこなすボランチで、代表では常に攻撃の起点となっていた遠藤保仁の代表復帰を期待する声は未だやむことはありません。

遠藤のプレーは一般的に、その良さが分かりにくいことで有名でした。
しかし、チームメイトは必ずと言っていいほどヤットさんの重要性を語っていました。

カズの世代から現在の代表選手まで、遠藤の重要性に異を唱える選手はいないことでしょう。

遠藤のプレースタイル

さらに、歴代の代表監督から起用され続けてきたという事実が、彼が頻繁に形容される「替えの効かない」選手であることを証明していると言えるでしょう。

遠藤のプレーといえば、多用される多彩なパス
ボールを止めて、蹴る。基本的に、その繰り返しです。

一見無駄に見えるパスが多いことも、代表戦の視聴者なら常に感じていたことではないでしょうか。

DFから出されたパスを中盤で受け、タッチしたと思ったらすぐまたDFに返す。

それを数回繰り返したDFは、次は別の選手に回してしまう。
すると、遠藤のパスのやり取りは、確かに意味の無いものになっていたのかもしれません。

ボールを止めて、蹴ることの難しさ

しかし時に、数回のショートパスの繰り返しから突然、自分のマークを振り払うと一直線に敵陣に切り込み、「目のフェイント」を交えながらペナルティーアーク付近で待ち受ける味方FWにDFの隙間わずか50センチのパスを通すのです。

それはたちまち決定的な得点機となり、多くの場合得点となるか、連続攻撃につながります。

距離にして10メートル程度のショートパスの繰り返し、それは遠藤にしかできない高等技術

ボールを受けることでマークは遠藤に引きつけられます。チャンスがあればボールを奪いたいのです。しかし遠藤は絶妙なボールコントロールからギリギリのところで相手にボールを奪われること無くDFにほぼワンタッチで返します。

相手DFはボールの行方を確認し、遠藤へのマークも気にしながらボールの出どころに体を入れます。

そのときにできる「小さな距離」、遠藤はこれを引き出すために何度も、一見無意味に見えかねないショートパスのやり取りを続けていたのです。

見えないファインプレー

そして、忘れてはいけないのが豊富な運動量。遠藤はとにかくよく走る選手でした。

サイドハーフが前線に切り込むため瞬間的にダッシュするのとは違いますが、試合中ベストなポジションを確保するため、さらに味方選手をサポートするため、常にピッチの上を移動し続けるのです。

1試合終わって、総移動距離が選手のなかで最も多いことは頻繁にありました。

しかも、それだけスタミナを酷使しても遠藤のパスはその精度を落とすことはありませんでした。
それは、ガンバ大阪での練習の賜物

一人最も遅くまでパスの練習を続けることにより実現した、技能の一つだったと言えるでしょう。

日本代表時代の遠藤は、本田香川岡崎などのように、自分からゴールを積極的に奪いに行くタイプのMFではありませんでした。

むしろ彼らFWが最大限のパフォーマンスを発揮できるよう正確無比のラストパスを出すことに自分の仕事を見出していたように思います。

結果的に多くの得点に絡むプレーという点では彼の右に出る選手はいなかったでしょう。

鹿児島、桜島から生まれた不世出の天才であり努力を惜しまぬ名選手遠藤保仁」は37歳となりました。

賛否両論あるでしょうが、彼が再び日本代表に名を連ねることを願っています。

残り少ないW杯予選そして本大会で、途中出場した遠藤の、切り札となるラストパスがチームに勝利をもたらす姿を、想像せずにはいられないのです。

類まれなゲームコントロール力…なぜ遠藤保仁はムダなパスを出すのか?

via:SoccerKING

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