平成21年1月、山口県岩国市で、性同一性障害の女性こころは男性)田中優子さんが、命を絶ちました。
当時29歳でした。

女性の身体に男性の心を宿し、葛藤に苛まれ続けた田中さんを救うことは誰一人できませんでした。
多様な性の存在が認められるべき今日、私たちに必要とされることは必ずしも何らかの行動をとることばかりではありません。

特別なことではなく、誰にでもできる意識改革もあるのです。
誰がどのような性であっても、それを受け入れることのできる社会を築き上げていくために、私たちに必要とされることは何なのでしょう?

弱者を救わない法律、LGBTとは?

LGBTとは4つの英単語の頭文字を並べたものです。
L(lesbian レズビアン・女性同性愛者)G(gay ゲイ・男性同性愛者)B(bisexual バイセクシュアル・両性愛者)T(transgender トランスジェンダー・性同一性障害)の方々を指します。

平成20年11月、優子さんは自分に性同一性障害があることを告白しますが、その直後から職場での嫌がらせ・いじめが始まり、退職まで強要されました。

優子さんの自殺は会社でのいじめをきっかけとする「うつ病」が原因であるとして、母親は国に遺族補償年金不支給決定の取り消しを求め、2014年には広島地裁に提訴しました。

そして今年1月25日、いじめと自殺の直接の関係は証明できないとして広島地裁は請求を棄却する判決を言い渡したのです。

「この体がいやなんよ!」吐き出された苦悩

個人がそうありたいと願う性を、個人が選んではならないのでしょうか。
優子さんは子どもの頃から「ぬいぐるみ」や「ままごと」ではなく「ミニ四駆」や「少年ジャンプ」が好きな女の子でした。

母親は「そういうのが好きな女の子なんだな」と思い、性同一性障害という認識を持てなかったといいます。

優子さんが成人式を迎えた日、本人はスーツで行きたいと申し出たところを、母親は前々から楽しみに準備していた黄色地の振り袖をあてがいました。

今考えればかわいそうなことをした、当時撮影した写真を飾ることができないとの後悔の念を母親は告白しています。

生前の優子さんは、お母さんと二人でよく釣りに出かけたそうです。
亡くなる数日前、胸をかきむしりながら

この体がいやなんよ!

と嗚咽していたといいます。
優子さんは、どんな思いで釣り糸を垂らしていたのでしょう。

生き易さのために存在する呼称、性的少数者としてのLGBT

しかしなぜそもそも、LGBTと名付けて区分けしなければならないのでしょう。
表面上の性別がどうであれ、それで他人に迷惑をかけるわけではないのに。

自分が最も自然に生きられる性を、自分で選んではならないのでしょうか。
もし選べないとすれば、それは法律で規制しやすい画一化された社会を行政が望んでいるからではないでしょうか。

個性とは、その多様性を認めれば認めるほど役所の仕事は増えていくものです。
今まで存在しなかった例にまで、対応しなければならなくなるから。

いずれにせよ、田中優子さんは亡くなりました。

それは、同じ一市民としての私たちそれぞれの責任でもあります。
職場の友人も同僚も、性同一性障害のことを打ち明けると離れていったといいます。
違うこと」に対し、私たちはもっと寛容にならなければなりません。

自分自身に対し、そのことを問いかけます

私は障害者で、障害者を主な利用者とした福祉施設に出かけることが多くあります。

そこには、LGBTといったマイノリティーに関する記事を集めた書籍もあるし、関連するイベントのポスターが貼ってあったりもします。

そこだけ見ると、保健所や行政機関が差別をなくすための努力を民間のグループと協力して進めている様子が伺えます。性同一性障害の方は性別に関して常に正反対のことを強いられているので、それだけでもとても疲弊するのです。

うつ病になりやすいし、うつ病を患う方の自決率は高いです。
私たちは、このような問題をこれまでいくつも経験してきたはずです。

同じことで同じように、同じような人が苦しみ、それなのに毎回同じような残念な結果で終わることが多すぎませんか?
その理由が個人の偏見だとすれば、生きやすい社会を作るために改めなければならないことは多いということです。

そして、改善する望みもあるということです。

なにも働きかけなくても構いません。
一生懸命頑張る必要もありません。

せめて黙って、心の中で彼らの個性である性別の存在を認めてあげてください。

性同一性障害女性のうつ病自殺、労災認めず 広島地裁 – 産経WEST山口県岩国市の性同一性障害の女性=当時(29)=が平成21年、うつ病で自殺したのは職場の嫌がらせや退職強要が原因の労災だとして、遺族が国に対し、遺族補償年金を不…www.sankei.com

via:産経WEST

「この体が嫌なんよ」胸かきむしり嗚咽、命絶った我が子:朝日新聞デジタル 8年前の冬、ある性同一性障害者が自ら命を絶った。名は「優子」。女性の体に男性の心を宿し、その相克にさいなまれ続けていた。母は願う。個人がそうありたいと思う性を受け入れる社会を――。 母の今の思いを、…www.asahi.com

via:朝日新聞DIGITAL

性同一性障害田中優子さんを解雇した会社は許されるのか山口県岩国市の田中優子さんは性同一性障害を同僚に告白したことがきっかけになり、会社から退職強要を受けるなどしてうつ病になり自ら命を絶ったということです。優子さんを解雇した会社は許されるのでしょうか?psycho-analy.net

via:アラベスク Arabesque

LGBT(えるじーびーてぃー)とは – コトバンク知恵蔵mini – LGBTの用語解説 – 性的少数者を限定的に指す言葉。レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(出生時に診断された性と、自認する性の不一致)の…kotobank.jp

via:コトバンク