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健常者との間に漂う「ずれ」は個性でしかない

障害を個性として認めることを実現している知的障害者施設が鹿児島にある。しょうぶ学園と名付けられたその場所では、40人の園生が、ありのままの姿で思い思いに生活し、工房で工芸や芸術などの表現活動を行う。現在公開中の映画、「幸福は日々の中に。」は、そんな彼らの姿を追った、記録映画である。

その中でも注目されているのが、園生と職員による音楽隊「otto&orabu」だ。

「otto」は「音」、「orabu」は鹿児島弁で「叫ぶ」という意味。調和したメロディーではなく、楽器の音と叫びのコーラスによる「心地よい不ぞろいの音楽」をコンセプトに2001年に結成された。指揮者は施設長の福森伸さんで「彼ららしい音とは何だろうと考える。“そろわないで面白い”というのが僕の狙いです」と語る。

健常者からは、障害者の個性が「異質なもの」と見られがちだ。この両者の間に漂う見方の違いを「ずれ」と表現してもいい。

しかし、彼らはその「ずれ」をとことん追求して楽しんでいるようである。

映画を撮った茂木綾子監督も演奏に魅せられた一人で、「彼らのありのままの姿をとらえるため、奇をてらった演出は一切避けた」という。

きっと、この「ずれ」に、魅了される人も多いであろう。

「1973年の設立当初は不安だらけでしたが、園生らが自分の考えを思い思いに表現することが間違いではなかったと、最近では確信するようになりました」

と、福森さんが語るように、健常者と障害者の間に生み出された「ずれ」を、心地好く感じることが出来るようになる日が来るのかもしれない。

http://www.sankei.com/premium/news/160703/prm1607030039-n2.html

via:産経ニュース via:幸福は日々の中に。

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