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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

困窮する地方の交通インフラ、高齢者の交通難民問題

公共交通機関の利便性は、地方では少しずつ不確かなものになってきました。
もともと運行路線の数では都会にかないませんし、代替手段がないということは競合他社が無いということになりますから、価格競争も見込めません。

運賃が高めに設定されても、その交通手段を利用するしかないのです。
私は普段よくバスを利用しますが、乗客の多くは高齢者の方々です。
買い物難民としても取り上げられる高齢者は、同時に交通難民でもあります。

人口の都市部集中を避けるためのさまざまな政策が議論されても、目の前の交通機関問題が重症化されている状況では、説得力を持ちません。

バス路線縮小、営業距離の短縮

鹿児島県はその広い面積に、さまざまな規模の市町村が混在しています。
県庁所在地である鹿児島市は人口60万人を超え、地方にしてはかなり都会の部類に入るでしょう。

バスもたくさん走っていますし、路面電車も整備されています。
同じ路線にバス数社と市営の路面電車が混在しています。

一方、大隅半島に目を向けると、鉄道は一切ありません。
JRも無く、バスもその路線、本数ともに限定されたものです。

原因の一つとして挙げられるのは、1996年の需給調整規制の撤廃です。
バス事業への参入も届出制となり、路線廃止も自治体への通告後審議され、廃止が可能となりました。
この変更により参入が相次いだのは、主にもともと黒字の路線でした。
地方の赤字路線からは、逆に撤退が続いたのです

バス便数、時刻表から見る利便性の差

東京のバス時刻表を見て驚くのは、始発から終発までほとんど間隔なくびっしりと便が記載されていることです。
適当にバス停に向かっても、数分待てばそのうちに次のバスがやって来るのでしょう。

しかし、この利便性が日本全国で期待できるわけではありません。
東京は特別だと思うべきです

田舎の度合いにもよりますが、地方のバスは1時間に1本あれば多い方です。
土日は運行しない路線があったり、広い時刻表一面にポツンと1便しか記載されていない路線があって、紙がもったいないな…と思ってしまうほど閑散としています。

県内では人口の集中している鹿児島市でも路線の縮小は進んでいます。
半年も経たない期間で新しい時刻表が便数を減らして表示されます。
鹿児島市以外の、小さな市町村ならなおさらです。

https://twitter.com/SzkYmbtk/status/834276325430956032

限界集落が危惧される高齢者の交通難民問題

自治体が運営するコミュニティバスがその肩代わりを務める例もありますが、赤字なのは自治体も同じです。
税金で運営するバスではあるものの、あまりに採算がとれない事情から運行の縮小が余儀なくされています。

結果として、自分で車の運転ができない高齢者の方々が交通難民となり、買い物難民となり、医療難民となっていくのです。

近ごろ、高齢者による自動車事故が頻発しています。
政府は高齢者に対する運転免許更新時の条件を厳しくし、免許返納を勧めています。
この政策には賛成できます。

その対応策としてコミュニティバスが臨時に運行されるなら、安全な交通インフラの整備と捉えることもできます。
バス会社も企業として利益を追求していかなくてはなりませんから、赤字となる路線を廃止するのは仕方のないことです。

しかしそれは辺境地域を限界集落とし、さらなる人口流出を加速させ、人口の都市部集中を助長します。

自治体が予算を配分すべき対象に変化が訪れています
交通インフラが整うだけで、買い物、通院、通勤通学、レジャー、その他の観光や産業、文化の発展を推し進めることができます。

仕事があり、教育環境、買い物などの生活基盤が整った安全な土地であれば、地方の環境で暮らしたいという希望者もいるでしょう。仕事を求め、やむを得ず都会に出ざるを得なかった方もいるはずです。

鹿児島県本土南端は、薩摩半島・大隅半島ともに、自然環境も食べ物も豊かな資源にあふれています。
交通手段を自家用車に頼らざるを得ない地方の、産業資源を眠らせてしまうのはもったいないことです。

地方自治体がどこも財政的に苦しいことは、よく知られています。
しかしそれは、財を所有する高齢者の方々に、消費する機会を与えられていないからではないでしょうか。

毎日の食料品の買い物に無料の送迎を備えれば高齢者はたくさんの商品を購入していくし、貯蓄額も高齢者の方が若年層より高額だと言われています。

消費の潜在能力が高い高齢者の方々が自由にお金を使えるよう環境を整えることは、経済の活性化に大きく貢献することになるでしょう。

http://toyokeizai.net/articles/-/2971

via:東洋経済ONLINE

http://jfn.josuikai.net/circles/culture/tekken/studies/2002/21.html

via:一橋大学鉄道研究会

https://matome.naver.jp/odai/2137905427935130401

via:NAVERまとめ

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