障害者の生活に対しての政治的な力は大きい。埼玉県川越市で、グループホームや作業所を作るなどして、活動を続けてきた、町田初枝さんもそう語っている。その理由の一つとして、障害によって働くことが難しい場合、政府などの公的な支援がその人の生活と直結することがあるからだ。

しかし時にその「支援」は、必ずしも当事者が臨んだ「支援」となっていないことがあるのだ。

障害者への福祉サービスの提供を一元化する目的で二〇〇六年、障害者自立支援法(現障害者総合支援法)が施行された。サービス利用者に負担を求めることになったが、障害が重いほど負担が大きくなることが問題となり、集団訴訟などを経て負担の軽減が進んだ。

精神障害があり、昨年から作業所に通う飯島あやこさん(43)=仮名=は「通う前は家に一人でいられなかったが、今は気持ちが安定して生活が百八十度変わった」という。ただ、夫に収入がある飯島さんの場合、今の制度では施設利用料や給食費の軽減が受けられず、報酬をもらっても毎月一万円強の赤字になる。「障害者年金から利用料を払っている。利用料や給食費を皆と同じにしてほしい」と訴える。

このように、支援のはずが逆に負担増になるといった制度そのものの問題点や、その人の周囲の環境によって受けられるサービスに差が生じ、マイナスの効果を産んでしまっている点など、理想にそぐわない問題が発生することがある。他にも、この記事に載っていないだけで、障害者への支援に課題とする点は多くあるだろう。

また、「65歳問題」についても町田さんは次のように述べている。

 町田さんが今、頭を悩ませているのは、グループホームの増設や「六十五歳問題」。「アパートを貸してくれるという人がいるが、市街化調整区域にあることから市の許可がなかなかおりない」という。自立支援法施行で六十五歳以上の障害者は介護保険制度に移行しなければならなくなった。「皆と一緒に働きたいのに、デイケア施設に移行した仲間がいる。せめて自分で制度を選べるようにできないでしょうか」

「65歳問題」によって今まで馴染んでいた環境を離れざるを得なくなることは、利用者の心身にとって大きな負担であることに違いない。また、この介護保険制度に移行した場合、障害者施策で受けて無料だったサービスが、利用者の1割負担になるため、負担の増加につながっていた。

こちらに関しては今年の1月に改正が行われ、障害者施策を利用している場合、この1割負担に減免措置がとられるようになった。ただ、この改正の施行が2018年度からであり、すぐ実施されるわけではないこと、従来どおり介護保険優先原則(障害者施策と同じサービスを受ける場合、介護保険が優先される)であるため、依然として選択は出来ないことがネックだと言える。今後の展望に注目したいところだ。

様々な人がいるように、様々な障害がある。

「障害者に対する政治的な支援」も、画一的な支援ではなく、柔軟な対応が可能な支援を生み出すべきではないのだろうか。

東京新聞:<参院選 私が選ぶ>(6)障害者福祉 「65歳問題」向き合って:埼玉(TOKYO Web) 「政治の力は大きいと思いますね」。川越市で障害者のために作業所やグループホームなど生活の場をつくり続けてきた社会福祉法人「皆の郷」理事長の町田初枝さんは言う。www.tokyo-np.co.jp