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貧困家庭問題、子どもたちに十分な食事と教育の機会を

子どもの貧困が問題になっています。

成長に影響する食事が十分に与えられていません。
学校の給食が唯一の食事だという子どももいます。
夏休みが終わって2学期に通学が再開すると、体重が減少している子どももいるそうです。

日本の貧困率は15%程度で、意外に高いものです。
日本人6人の内1人が貧困ラインを下回っている計算になります。
なぜそのようなことになっているのでしょう。

家庭環境、ひとり親家庭、母子家庭

貧困家庭の増加している理由の一つに、家庭環境の変化が挙げられます。
離婚率の上昇は、ひとり親家庭(多くは母子家庭)増加の一因となっています。
DVを理由としたものも多く、それらは子どもの情緒面に悪影響を及ぼしかねません。

小学校低学年くらいのお子さんを持つシングルマザーの方にお話をうかがう機会がありました。
シングルマザーということで、条件の良い仕事に就く機会は少なくなるとのことでした。
小さな子どもがいるということは、それを理由に仕事を休みがちになるだろうと懸念されるらしいのです。
仕事場に託児所があり、働く親が仕事に専念できる環境も、まだ不十分です。

労働条件の悪いなか収入を確保するのはとても大変なことです。
普段からストレスの多い環境であることに加え金銭的な悩みまで生じ、それがアルコールなどのさまざまな依存症につながる恐れもあります。
子どもと過ごす時間も限られ、「時間の貧困」という問題も浮上してくるのです。

相対的貧困と絶対的貧困、安価な糖質過多の食品と絶食の繰り返し

貧困とは、具体的にどのようなものを指すのでしょう。
日本国内で貧困家庭と呼ばれるための基準は、「相対的貧困」をその拠り所としています。

一方、発展途上国や貧困地区での貧困は「絶対的貧困」と呼ばれます。

絶対的貧困とは

必要最低限の生活水準を維持するための食糧・生活必需品を購入できる所得・消費水準に達していない絶対貧困者が、その国や地域の全人口に占める割合。世界銀行では1日の所得が1.25米ドルを貧困ラインとしている。絶対的貧困の基準は国や機関、時代によって異なる。

対して「相対的貧困」とは

OECDでは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の半分未満の世帯員を相対的貧困者としている。相対的貧困率は、単純な購買力よりも国内の所得格差に注目する指標であるため、日本など比較的豊かな先進国でも高い割合が示される。

と、定義されています。

相対的貧困者とは、その国の所得の中央値の半分を下回る人が該当します。
例えば平成21年の日本の所得の中央値が250万円の場合、所得がその半分の125万円を下回る家庭は相対的貧困ということになります。

年収125万円を12カ月で割ると、月収10万4000円くらい。
地域の物価にもよりますが、生活するにはギリギリもしくは足りないと思われます。

貧困状態にある家庭に肥満の方が多いことも、意外ですが明らかとなっています。
食費が限られているなか、安価に購入できる糖質の高い食品の摂取が多くなることも肥満になりやすい理由の一つです。
そして経済的に困窮すると絶食に近い状態が続き、再び糖質の高い食事を取るといった悪循環がリバウンドを産んでいます。

NPOなどとして活動している「フードバンク」というものがあります。
彼らは、支援施設、シェルター、児童養護施設などに、廃棄される予定の余った食品を再配分する活動を続けています。
母子支援施設などに配布している例もあり、施設を通じて援助を受けることもできます。

子どもの学習成果への影響と学習機会の喪失

お腹が空いて頭の中を占めるのは食べ物のことばかり、そんな状態で学習しても何も頭に残らないでしょう。
栄養状態が悪いまま学習しても思考力は落ちていますから習熟度は低いものです。

朝食を取らないままで午前中の授業も居眠りばかりです。
睡眠状態からはっきり脳が覚醒しないまま時間ばかりが過ぎていきます。

近ごろでは学習機会の格差も取り上げられるようになりました。
所得の格差が教育の格差につながるというものです。

高額な月謝を払って学習塾に通わせることは難しいという家庭は珍しくありません。
最近の塾の月謝は高いな、と感じます。

そのようななか、最近あらゆる地域でその活動を広めている学習機会として、学習支援ボランティアがあります。
学校以外での学習機会を学生などが中心となって組織を結成し、ボランティアとして提供するといったものです。

実は以前の記事で、私も学習支援ボランティアをしていたことを書きましたが、子どもからも団体からも、これは本当に喜ばれますので勉強に自信のある方は地元の機関で活躍されることをお勧めします。

>>難病指定された子どもたちとの関わりの中で楽しむために、現場で気付いたこと

貧困は珍しいものではありませんし、恥と思う必要もありません。誰でも、なり得るものです。
誰もが懸命に生きています。

高い能力を持ちながら、ひとり親家庭ということを理由に仕事の機会を奪われている例もあります。
貧困は高等教育の機会を奪い、それが職業選択の機会にも影響します。
貧困はさらなる貧困を生みます
負の連鎖を断ち切るためにも学ぶ機会を充実させ、十分な食事を与えて子どもたちの情緒の安定も図る必要があります。

若い労働力を市場で活躍させることは、日本経済が発展するためにもプラスとなるはずです。
貧困対策のため、国が育児や教育のインフラを整える予算なら、経済の活性化に寄与するのですから国民も納得するでしょう。

「1億総活躍」するためにも、未来の労働力に対する充分な政策が期待されます。

貧困家庭の食事

via:貧困家庭の実態

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3556/1.html

via:クローズアップ現代+

http://2hj.org/problem/foodbank/

via:セカンドハーベスト・ジャパン

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