私が持つ主な症状の1つに、感覚過敏がある。
特に酷いのは、聴覚だ。体調が悪くなると、私は「音を受け付けない」状態になってしまう。様々な音が耳に刺さるのだ。
例えば、ビニール袋がカサカサと擦れる音。食器が触れ合って鳴るカチャカチャという音。テレビの音。雨が地面を打つ音。車が走る音。終いには、人の喋り声。世の中には、沢山の音が溢れている。どうして人々はこんな、音の大合唱に耐えられるのだろうか。
聴覚過敏になると、家から出るのが辛くなる。家では、音を極力出さないように生活をコントロールすることが出来るが、外ではそうはいかない。音のない空間なんて存在しないのだ。
こんなことで、どうやって生活をしているのだろうと思われるかもしれないが、この症状は体調によって軽くなったり重くなったりする。快調な時は、それなりの生活が出来るのだ。それでも、ガヤガヤとしている店や場所は苦手で、そのうちぐったりと疲れてしまう。本当に、どうしたものか。
考えに考えて私は今、1人で外を出歩くときは常に、音楽を聴いている。……聴覚過敏なのに音楽は大丈夫なの?と思われるだろう。
よく伝わらないかもしれないが、音楽は、知っている音を聴き続けることが出来るから、平気だ。私が苦手とする音は「予測ができない音」なのだ。要するに、自分が発信する音、例えば自分の声や、自分が選んで聴く音楽は平気で、他人や自分以外の物が立てる音は苦手である。こう書いていて、自分でも思うが、聴覚過敏を含む感覚過敏というのは、目に見えない症状であるからこそ、理解されにくいし、伝わりにくい。そして、人によって特性もあるが故に、対応も取りにくい。
それでも、こういった症状があることを認知してほしいと私は思っている。感覚過敏などは特に、対処を取ることが難しいが、もしも貴方の周囲の誰かがこの、目に見えない症状を抱えているということを訴えてきたら、その人の「苦手」を聞き、知ってほしいのだ。そうすれば、「配慮をする」ことを考えることが出来るようになるだろう。
なんでも、
分からない。
理解出来ない。
知らない。
これでは、何事も前に進まない。形ある病もあれば、形なき病もあるのだ。世の中にある様々な病を、少しでも多くの人が知ってくれたら、と私は願う。
最新情報を購読しよう!
就労継続支援・就労移行支援事業者様へ
HIFUMIYO TIMESでは毎月フリーペーパー版を発行しており、各エリア版の加盟店を募集中です。福祉事業者に最適なブランディングと広報力をご提供します。詳しくはお問い合わせください。