フィンランド語の格の表現
フィンランド語の格は、名詞について文法的働きや位置を表すだけではありません。
また、語幹変化には例外も多くあります。
今回は格の様々な使い方や語幹変化を見ていきます。
分格の用法
動詞の目的語
分格は「動詞の目的語」として働き、動詞の中には、常に目的語「~を」に分格をとるものがあります。
Puhun japania. 私は日本語を話します。
Minä rakasutan sinua. 私はあなたを愛している。
Odotatte bussia. あなたたちはバスを持っている。
物質名詞
フィンランド語で、分けられる名詞を物質名詞と言います。
コーヒー、水、ビール、牛乳、ハチミツ、チーズなどが含まれます。
これら物質名詞が特定の量を表さず動詞の目的語になる場合、分格になります。
Ostan maioa 私は牛乳を買います。
Haluatekko sokeria? あなた方は砂糖を欲しいですか?
・計量・数量単位の名詞+物質名詞の分格
kuppi kahvia コーヒー一杯
litra maitoa 牛乳1リットル
注!1以外の数詞が単位の名詞の前につくと、単位の名詞も分格になります。
kaksi kuppia kahvia コーヒー2杯 (カップ2杯のコーヒー)
否定文の目的語
否定文中では、「目的語は常に分格」になります。
Minä en käytä sateenvarjo–a 私は傘を使わない(傘をささない)。
Hän ei osta uut–ta älypuhelin–ta 私は新しいスマートフォンを買わない。
-siで終わる語の単数分格と lumi
単数主格が-siで終わる語
単数主格 | uusi 新しい | vesi 水 | vuosi 年 |
分格 | uut-ta | vet-tä | vuot-ta |
分格語尾は-ta/-täですが、語幹が不規則なので、単数主格から-siを取って-tta/-ttäをつけると覚えるとよいでしょう。
lumi(雪)は-iで終わる語ですが、例外的に分格語尾は-taを取ります。
単数主格 lumi 語幹 lume- 属格 lume-n 分格 lun–ta
単数名詞の入格と向格
「~へ」という方向や行き先は、入格と向格で表します。
向格の語尾 -lle
単数属格の -n をとった同じ語幹につけます。
主格 Rovaniemi
属格 Rovaniemie-n
向格 Rovanieme–lle ロヴァニエミへ
入格の語尾
三種類あります。単語によって区別します。単語に子音交替がある場合、入格は常に強階程なので注意してください。
-
- – [語幹の最後の母音] + n
語幹の最後の母音が一つ(短母音)の場合
kirkko 教会 kirkko- kirkko-on 教会へ [kk : k] Suomi フィンランド Suome- Suome-en フィンランドへ [i > e]
-
- -h + [語幹の最後の母音] + n
短い語で、語幹の最後の母音が長母音や二重母音の場合
maa 国 maa- maa-han 国へ
työ 仕事 työ- työ-hön 仕事へ
-
- -seen
長い語で、語幹の最後の母音が長母音の場合
huone 部屋 huonee– huonee-seen 部屋へ [e > ee] Porvoo ポルヴォー Porvoo– Porvoo-seen ポルヴォーへ
参考
ニューエクスプレスフィンランド語 白水社
Finnish grammar (Wikipedia英語版)
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