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音に敏感な私がノイズキャンセリングヘッドホンと出会って変わったこと

Preteen girl in headphones sleeping with cat on the floor at home. Young owner and gray British pet sleep together. Animals, love, friendship, children, lifestyle concept

―『静かな世界』がくれた心の平穏―

「生活の質」と聞いて、何を想像しますか? 例えば、充実した休日を過ごすこと、美味しい食事を心から味わうこと、夜ゆっくりお風呂に入ること。それは、自分らしくて生きがいを感じる時間、と言えるでしょう。

静かで、穏やかな時間。それがあなたの「生活の質」にとって大切な要素だとしたら、この記事はお役に立つかもしれません。

騒音の悩みと、一つの出会い

生活の質と言っても、経済的な事情や病気によって、日々の生活に余裕を持つことが難しい方もいらっしゃると思います。今回ご紹介するノイズキャンセリングヘッドホンは、決して安い買い物ではありません。私にとっても、年単位でじっくり時間をかけてようやく購入に踏み出せた、大きな決断でした。

それでも、この一つの買い物が、私の日常に驚くほど穏やかで豊かな時間を与えてくれました。今回は、その具体的な経験と、日常にもたらされた変化についてお伝えします。

静けさを求める心と、その背景

私は以前から、日常生活における周囲の音が気になっていました。特に、車が走る音や、隣の部屋の生活音など、不意に飛び込んでくる音やその振動に集中力を奪われ、不安になることが多くありました。発達障害や複雑性PTSDの特性を持つ私にとって、周囲の音を遮断することは、安心して物事に取り組むために必要だと思いました。

そんな私が「これだ!」と直感したのが、ノイズキャンセリング機能付きのワイヤレスヘッドホンでした。

ちょうど、自宅の隣でマンションの外壁工事が始まり、さらに自宅の前でも大規模な水道管工事が同時期に始まるという、まさに騒音のピークを迎えていた時期でした。何もする気になれないし、ふて寝もできません。

この状況を乗り切るため、そして何より日々の生活の質を向上させるために、意を決して新しいヘッドホンを購入しました。

手に入れた「私だけの静かな世界」

私が選んだのは、比較的軽量でノイズキャンセリング機能付きのワイヤレスヘッドホンでした。コードに縛られず、家の中を自由に動き回れる利便性が大きな魅力でした。さらに、軽量で長時間装着しても疲れにくい設計であることや、周囲の音を自動で取り込む機能がついていて安全面に配慮されていることも、購入の大きな決め手でした。

実際に使い始めて、その効果には本当に驚きました。まず実感したのは、音楽を小さくかければ工事の騒音がほとんど気にならないこと、そして集中力が格段に向上したことでした。また、寒い時期だったため、耳を覆うことで防寒にもなるという嬉しい発見もありました。

仕事はもちろん、掃除や料理の下ごしらえといった家事をする時も、周りの騒音に邪魔されることなく、集中できるようになりました。特に、苦手な片付けをする時の効果はてきめんで、好きな音楽をかけて作業をすれば、没頭感でサクサク進むようになりました。音楽や映画鑑賞における没入感も格別です。

これまでは、無意識に周囲の音へ神経を使い、それが遠慮するような感覚や不安につながり、集中を妨げていたのだと気づきました。

そして、もう一つ、私にとって非常に大きな変化は、精神的な安定を得られたことです。

以前は、隣の部屋から聞こえる音や話し声にも動揺していましたが、ヘッドホンで静かな環境を作れるようになってからは、そうした音に悩まされることがほとんどなくなりました。物理的に音を遮断することで、穏やかな気持ちで過ごせる時間が増えたのです。

デメリットと感じる点と工夫

もちろん、良いことばかりではありません。特に、多くの方が懸念されるであろう、ヘッドホンの身体への影響について、私が感じたことをお伝えします。

まず、ヘッドホン特有の問題は蒸れです。気温の高い日は、耳をすっぽり覆うことが不快に感じることがありますし、耳の穴まで蒸れてしまう感覚があります。衛生面や鼓膜への影響を考えると、注意が必要な点です。冬でも、完全に音を遮断する必要がない時は、ヘッドホンを軽くずらして隙間を作り、蒸れ対策をしています。

次に、物理的な圧迫による身体への負担です。ヘッドホンの重さや側圧によって、私の場合はこめかみや頭、日によっては首や肩に痛みを感じることがあります。

特に、心配な鼓膜への影響を考え、音量には細心の注意を払っています。工事のある時間帯以外では、聞きたい音が聞こえる最低限の音量を意識しています。音楽を流さない無音状態では、ノイズキャンセリング特有の「ジー」という微かな作動音がするため、長時間の連続使用は耳に負担がかかると感じます。

やはり、音量を含めた使用方法をしっかり管理することが、何よりも重要だと感じます。また、ヘッドホンの圧迫感が苦手な方や、より手軽さを求める方は、イヤホン型のノイズキャンセリング製品のほうが向いているかもしれません。可能であれば、夏は主にイヤホン、冬には主にヘッドホンを使用できたら最高かもしれません。

それでも、私にとってはかけがえのない存在

いくつかのデメリットはありますが、それらを差し引いても、このヘッドホンが私の生活にもたらしてくれた恩恵は計り知れません。

音によるストレスが軽減されたことで、心に余裕が生まれ、以前よりもずっと穏やかに、そして前向きに日々を過ごせるようになりました。ノイズキャンセリングヘッドホンには、イヤホンとはまた違う、「日常を完全に遮断して、自分だけの世界に没入できる」という特別な安心感があるのです。

もし、購入を検討されている方がいらっしゃれば、実際に店舗で試着してみることをお勧めします。音質はもちろん、フィット感や重さ、そして軽く頭を動かしてもズレない安定感なども大切です。とくに敏感な方は、製品が合わないと全く使えなくなってしまう可能性もあるため、必ず試着してから購入を検討されることを強くお勧めします。

この記事が、かつての私と同じように音で悩んでいる方が、少しでも穏やかな時間を取り戻すための一助となれば幸いです。

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