発達障害についてもっと知ってもらえたら…。そんな思いから4コマ漫画と共に具体的なエピソードを紹介する「発達障害の日常マンガ」シリーズ。
今回は言葉の意味をそのまま受け取ってしまう特性について紹介したいと思います。例えばどのようなことで困っているのか?日常生活に影響はあるのかについて知っていただけると嬉しいです。
新しいストーリーと共に「大変だけど楽しい」発達障害者の生活を身近に感じてみてください。
母の頼みごと
言葉をそのまま受け取ってしまう?
母が言った「鍋の様子を見てきて」とは「鍋が沸騰して大変なことになっていないか様子を見てきて」という言葉を短縮したものになります。
みなさんも急いで何かをお願いする時「洗濯物見てきて!」「外見てきて!」など短縮された言葉を使うことがありますよね?しかし実際は「雨が降ってきて洗濯物が濡れていないか見てきて」「外で大きな物音がしたから何の音だったか見てきて」などの意味がこもっていると思います。お願いされる側もそれをある程度理解していると思います。
一方、発達障害がある人はそのような言葉の真意を理解することが苦手です。言われた言葉をそのままの意味で受け取ってしまい、私の場合は鍋を見ただけで帰ってきてしまったのでした。
言葉の真意を理解することが苦手なため、他にもお世辞や例え話がよく分からないという特徴があります。そのため会話が苦手と感じる人も多いようです。
会話を楽しむために
言葉の真意が分からないと会話が上手くできないと感じることがあると思います。大人になると少しづつ理解できるようになりますが、子どもの頃はこれが原因で困ることがたくさんありました…。そこで、日常生活で困らないための対策を紹介していきたいと思います。
①(周りの人は)言葉の意図をしっかり伝える
発達障害のある人に何かを頼む場合、他の人にお願いする時よりも少し細かく説明する必要があります。例えば、
「鍋を見てきて」ではなく「鍋が沸騰していないか心配だから見てきて」というように「鍋が沸騰していないか心配だから」という理由や意図を短縮せず、説明してみましょう。
そうすることで会話の意図を読み取る練習にもなります。そして段々と「鍋を見てきて」と言われたら「鍋が沸騰してないか心配だから見てほしいと言っているのかな」と意図を読んで行動することができるようになります。
発達障害の特徴で発達に差があるだけで、真意を読めないというわけではありません。周りの人の手助けで段々と発達させていくことができます。
②(本人は)違和感を感じたら質問する
発達障害によって会話の意図を理解することが苦手と感じる人は、会話の中で違和感を感じた時に質問をすることが大切です。
「洗濯物を見てきて」と言われた場合、洗濯物を干すのでもなく「見てきて」と言われたことに違和感を感じることがあると思います。その時はとにかく質問です。
発達障害の特徴で集中していると周りが見えなくなってしまうことがあります。周りの人がみんな雨が降っていることに気づいていても自分だけ気づけないこともあるのです。その時に「洗濯物を見てきて」と言われても「え?なんで?」となりますよね。何かを見落としているかもしれないことを質問する側もされる側も理解することで会話がテンポ良く進められるようになります。
まとめ
今回は言葉の意図を読み取ることが苦手という特徴を紹介しました。子どものころから少しずつ身につけていく能力ですが、発達障害の人はその能力の発達に差があります。
意図を読み取ることが苦手という特徴をカバーするのは会話です。話し手は意図が分かるように説明し、聞き手は分からない部分を質問するように心がけてみてください。
「言われなくても分かるでしょ?」ではなく、相手のことを考えて説明することは発達障害に関係なく大切なことだと私は考えています。ぜひ、これを機会に自分の話し方について考えるきっかけになればいいなと思います。
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