fbpx
2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

大勢の方々に認知されていないリチウムイオン電池の仕組み

日本が開発したリチウムイオン電池

皆さんは「リチウムイオン電池」という言葉を耳にした事はありますでしょうか?

リチウムイオン電池は、ノーベル賞を受賞した旭化成の吉野彰さんが開発をされ、今では、スマートフォン、ノートパソコン、電気自動車など、いろんな機器に使用されています。

ですが、「リチウムイオン電池ってどういう仕組み何だろう?」、「何で店で売らていないの?」など、あまり多数の方々に認知されていません。

そこで今回、「リチウムイオン電池の仕組み」についての紹介をしたいと思います。

イオンとは

リチウムイオン電池の仕組みを説明する前に、イオンのことを説明したいと思います。

イオンは、原子が電気を帯びている状態を言います。

原子は、固体や生き物などすべてのものを構成する最小単位となっており、原子の集まりで金属や空気、生き物などいろんなものが存在しているのです。

原子は、核となる「原子核」と原子核の周りを回っている「電子」で構成されています。

プラスチックや銅、酸素や二酸化炭素など違った物質によって原子核や電子の数は違っており、それぞれ決まった原子核の数やと電子の数で釣り合っているのです。

しかし、原子に何らかの力が加わることで電子が外へ飛び出し、電子の数が合わなくなって原子は不安定な状態となります。安定を求めるために原子は足りない電子を吸収します。このように、電子が出入りすることで電気が発生するのです。

原子核はプラス、電子はマイナスと、互いに電気を持っています。原子核が多い場合は原子はプラスイオン、電子が多い時は原子はマイナスイオンとなるのです。

電気の流れ

200年ぐらい昔、イタリア物理学者のボルタは、「電気の流れはプラス極からマイナス極にしよう」と決めました。

それから100年後、イギリス物理学者のトムソンは「電子」を発見し、「電気の流れは電子」ということが分かったのです。

そして、電気の流れは、電子がマイナス極からプラス極に移動すると分かりました。

しかし業界では、もうプラス極からマイナス極に電気が流れると公表されていたので、事実を正すことができず、今でも、電気はプラス極からマイナス極に移動すると教えられているのです。

私も、学校ではプラス極からマイナス極に電気が流れると習いました。リチウムイオンの仕組みとなるマイナス極からプラス極に電気が流れる構造は、なかなか理解できないでいました。

理解しづらいですが、下記で説明するリチウムイオン電池の仕組みは、マイナス極からプラス極に流れる電流によって機器が作動するように説明します。

リチウムイオン電池のしくみ

リチウムイオン電池の中身は、リチウムが含まれた電気を通す液体「電解液」に、プラス極と繋がるリチウムイオンが含まれた金属板と、マイナス極と繋がるリチウムを格納できる炭素が含まれた金属板が差し込まれ、真ん中を網状の壁「セパレータ」で仕切っている構造となります。

リチウムイオン電池を充電する時

リチウムイオン電池を充電する(電気を流す)と、マイナス極に繋がれた炭素の金属板にマイナスの電気(電子)が流れます。すると、リチウムイオンの原子は安定させるためにマイナス極に移動して電子をもらいます。

すべてのリチウムイオンがマイナス極に移動すると、リチウムイオン電池は電気を放つ準備が完了(充電完了)となるのです。

リチウムイオン電池の電気を使う時

充電済みである、マイナス極の金属板にリチウムイオン原子がたっぷり溜まった状態です。他の機器に接続すると、マイナス極に溜まったリチウムイオン原子が持つ電子がマイナス極から導線を通って機器に流れ、機器が使えるようになります。

余った電子は、機器を通ってリチウムイオン電池のプラス極の金属板に溜まります。マイナス極に溜まっている電子が奪われたリチウムイオン原子は電子を取り込むために、電子が溜まっているプラス極に行くのです。

リチウムイオン原子がすべてプラス極に行くと、マイナス極からリチウムイオン原子が離れてしまったので、電子が流れなくなります(バッテリー切れ)。

リチウムイオン電池の安全性

リチウムイオン電池は、完全に放電させたり、満タンに充電させたり、過充電させたり、プラス極とマイナス極を逆に接続させたりすると、リチウムイオン電池が壊れたり、寿命を縮ませたり、最悪な時は破裂させたりなど、扱いにくいものとなります。

安全性を高めるために、リチウムイオン電池の両端には、満タンの数十%手前で充電を止めたり、残り数%しかないものを使用不可にさせたりと、保護回路が備わっています。

なので、寿命が尽きなくても、数%しかない状態で何年も放置させたり、充電済みでちょこっと使っただけでまた充電したりすることで、使用不可にさせてしまいます。

長く扱えるために、充電容量20%以下になったら充電をし、長く使用しないものは充電を完了させるのが良いです。

一般的な乾電池として扱えない

リチウムイオン電池は一般的な乾電池や充電池と比べて、プラス極の金属板を溶かして電力を得るものでなかったり、少し大きかったり、約3倍もの電圧があったり、一般的な充電器で充電できなかったりなど全く違うものとなるので、乾電池としては扱えません。

リチウムイオン電池のいろんな形

リチウムイオン電池の形は、乾電池タイプの他に、平形の形をしたものがあり、形によって中の構造も違ってきます。

乾電池タイプのリチウムイオン電池

単三乾電池より少し大きめの形をした乾電池タイプのリチウムイオン電池です。この電池は「18650」と言われており、上記で説明したとおりの構造となっています。

この電池は、直接充電器で充電するのではなく、バッテリーのように電気機器に内蔵して機器に充電ケーブルを挿して充電を行う形となります。

18650は、小型の機器に1〜2本使われます。電動アシスト自転車の大きさであれば数十本、電気自動車であれば数千本も使われているのです。

価格ですが、私がAmazonで18650を2本セットで購入した時は、価格は約2,000円でした。1本で千円ですね。

1本千円計算で、数十本使われている電動アシスト自転車は数万円、数千本使われている電気自動車は数百万円となります。かなり高いですね。

私も、18650を購入したことがありますが、単三電池より少し大きく、プラス側の出っ張りがないのが特徴的だったことを覚えています。

平形タイプのリチウムイオン電池

スマートフォンやiPadのような平たい機器に使われている、平形のリチウムイオン電池があります。

平形リチウムイオン電池の中の構造は、プラス極やマイナス極にアルミ箔のようなかなり薄い金属板を接続し、その間に電解液を染み込ませ、それが板状にグルグル巻きに巻かれるとなる、乾電池形とは違う構造となっています。

まとめ

この記事で、リチウムイオン電池の仕組みは把握できましたでしょうか?

リチウムイオン電池は、リチウムイオンのマイナスの電子の力で様々な機器が稼働する事となります。

そして、リチウムイオン電池は、通常の充電電池との構造が違っていたり、ボルト数が違っていたり、大きさが違っていたり、扱いに注意が必要だったりと、家庭に普及するのはまだまだ先と考えられます。

リチウムイオン電池は今の充電電池と比べて、「寿命がかなり長い」、「高い電圧を放つ」、「液漏れが発生しにくい」などのいろんなメリットがあるので、今後の研究で家庭に普及となることを祈っています。

最新情報を購読しよう!

就労継続支援・就労移行支援事業者様へ

HIFUMIYO TIMESでは毎月フリーペーパー版を発行しており、各エリア版の加盟店を募集中です。福祉事業者に最適なブランディングと広報力をご提供します。詳しくはお問い合わせください。