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2024/4/10:フリーペーパーvol.97発刊!

テレビを見て唯一涙を流した話 後編

何故『スクール☆ウォーズ』を見て泣いたのか?

テレビドラマ等を見て悲しかったり、感動したりすると涙を流すのはよくある話だが、私はほとんど泣いたことがなかった。しかし、一度だけ涙を流したことがある。それは『スクール☆ウォーズ』の最終回。

今思えば、何故泣いたのか本当に不思議である。普段ドラマを見ない私が、たまたま初回から見ていた。その頃はいつも夜8時には布団に入っていたが、『スクール☆ウォーズ』を見たいがために、9時まで起きる習慣がついたので、特別に思い入れがあったのかもしれない。

前回は中盤の大木編までの見どころを書いてきたが、ここからは終盤の見どころと最後のまとめを書いていく。

平山誠(四方堂亘)日本一編

大木がキャプテンとして全国大会出場した後、平山誠がキャプテンとなり全国大会優勝するまでが後編となる。ストーリーは完全にラグビードラマの内容だが、前・中編に比べると個人的な見どころは少ない。他に平山と共にチームを引っ張ったのが清川誠一と栗原昭であり、この三人ついて簡単に書いていく。

平山は城南工大高の曽根にライバル意識を持つラグビー部のエース。少々独りよがりなところがあり、練習やプレーに集中したいからと主将になることを一度は辞退するものの、後に大木やチームメイトに説得されて引き受けた。

当初は後輩に嫉妬するなど、キャプテンとして明らかに問題のある言動も見られたが、その後は主将としての自覚を持ち、チームを引っ張っていった。のちに国体と全国大会で優勝という偉業を成し遂げる。

平山誠のモデルは、伏見工業高校 – 同志社大学 – 神戸製鋼で活躍し、日の丸をつけたのは勿論、日本代表監督や神戸製鋼コベルコスティーラーズ総監督兼任ゼネラルマネージャーなどを歴任し、ミスター・ラグビーと呼ばれた平尾誠二であるが、2016年に病の為53歳の若さで亡くなる。

次に清川誠一だが、彼は家が貧しく、朝早くから夜遅くまでバイトをしているが、いつも明るく振舞っていることで部のムードメーカーとして君臨し「お祭りのキヨ」と呼ばれていた。

平山とは中学時代からの盟友で、多くを語らずとも意思を通じ合う仲であり、決勝では平山とのアイコンタクトで城南工大高を出し抜き、ディフェンス陣を攪乱して決勝トライへと導いた。モデルは、1998年から伏見工業高校ラグビー部監督である高崎利明と言われてる。

最後は栗原昭だが、栗原は入試一番の成績で入学するも、「勉強バカにはなりたくない」という思いでラグビーを始めた。チーム屈指の俊足で、全国大会決勝戦で決勝トライを上げた。また彼は、肩に脱臼癖があり試合中肩が外れる度にマネージャーに入れてもらっていた。

学業と部活の両立にはかなり苦労していたようで、一度は退部を決意するもマネージャーに説得され思いとどまり、三年間学年トップの成績を維持したまま卒業した。

彼は成績優秀だったが、天然なのか性格に難があったのかは分からないが思った事を考えず口にしたのでしばしばトラブルになっていた。特に大木に対しては悪気は無かったが失言を連発しその度に大木に殴られた。モデルとなった栗林彰は、千葉大学工学部を卒業して、建築系のエンジニアになっている。

下田大三郎の死

上記の通り後編では、中華料理「新楽」の店主である下田大三郎が不慮の死を遂げる。
森田光男の姉夕子(和田アキ子)の夫で光男の義兄。賢治やラグビー部員たちからは『マスター』と慕われていた。若い頃は「関東一のワル」と恐れられたが、ラグビー部員たちを優しく見守る良き兄貴分であり、時には料理も振る舞い、ラグビー部員からも慕われていた。

就任早々惨敗を喫し、一時は部員たちとの衝突で空回りした滝沢を励ましたりもした。相模一高との練習試合の前夜にイソップが亡くなった際に、試合当日に彼の親友だった大木に対し、試合の闘志を妨げるイソップの感情を払拭させるべく拳を放って叱咤した。

滝沢の赴任を機にラグビー好きになり、社会人ラグビーチーム「浜っ子クラブ」を立ち上げる。後に部員である清川誠一の家族の借金に絡むトラブルを仲裁しようとした滝沢の身代わりとしてヤクザに刺される。

搬送後、病室のベッドで花園でラグビー部の選手全員がトライを決める夢を見て、見舞いに駆け付けた賢治たちに正夢にするように願った。その後警察に出頭して大三郎の病室を訪れて謝罪したヤクザの情状酌量を刑事に頼み込んだ後、翌朝に息を引き取る。

葬儀では、清川は出棺の際に人目をはばからず号泣し、学歴や地位を重んじる岩佐校長をして「偉い人は偉人伝の中にばかりにいるものではなく、街の中や自分の隣にいることを思い知らされた」と言わしめるほど、彼の死は下田家だけでなく川浜高校関係者にとっても大きな損失となった。モデルとなった人物はお好み焼き店主で、実際は事件ではなく病気で亡くなっている。

全国大会優勝のシーン

最終回の全国大会優勝直後のインタビューのシーンは、初回から観てきた自分にとって感動的なシーンとなり、気付いた時には、何故か泣いていた。何であそこで涙が出たのか未だに謎であるが初回からしっかり通して観ればこのシーンは感動すること間違いない。(動画 スクール☆ウォーズ最終回37分辺りから)

決勝戦前夜と勝ち越しトライを挙げる直前の平山・清川の無言の会話シーン

自分が泣いたシーンとは違うが、平山と清川の二人のやり取りも個人的にはかなり泣かせるものだった。平山は元々太腿を痛めていた左足を庇い続けた結果、右足の膝も痛めてしまい、最悪の状態で決勝戦前夜を迎える。

決勝前夜眠れない部員達の中、平山は明日最悪の状態で試合に出て足を引っ張るくらいなら、出ない方がいいと清川に語りかけようとするが、それに勘付いた清川は、明日の為に今まで辛く厳しい練習に耐えてきたのであって、動けない分は自分達がカバーするから一緒に戦おうと無言のメッセージを送る。(同動画2分辺りから)

そして、もう一つ決勝戦ヤマ場のシーン3-3の同点のまま試合は後半ロスタイムに入り平山の両脚に打たれた痛み止めが切れ、まともに走れる状態ではなくなる。

そんな中で、川浜ボールのスクラムになり平山が全く動けないのなら他の部員達が平山の力を最大限に生かす様にプレーしようと気持ちを固める中、清川は平山に相手の裏をかくために彼を囮にしてボールを繋ごうと無言のメッセージを伝え、彼も無言で応える。

平山を囮に出たボールは、見事に相手ディフェンスの隙をついて栗原に繋がる。この続きは動画を貼り付けるので是非ご覧下さい。(同動画34分辺りから)

このシーンは、何度見ても鳥肌が立つ。このシーンは多くの人間が叫んでいるが、個人的にツボなのが城南工大高監督江川恭司が「止めろ〜」とドアップで二回叫んでるところだ。モデルとなった伏見工業と大工大高との試合で大工大高監督だった荒川博司氏がドラマの様に叫んでいたかもと思うと失礼ながらちょっと笑ってしまった。

まとめ

決勝トライの直後にノーサイドの笛が鳴り、部員が監督にタックルして号泣シーンの後エンディングを迎えドラマは終わる。他のテレビドラマや映画を見ても泣くどころか涙すら出てこなかったのに、スクール☆ウォーズの最終回でなんで泣いたのかいまだに自分でも分からない。

ただ、当時自分は夜8時には寝ていて、ある日たまたま9時になった時にチャンネル回したら例のオープニング(伏見工業vs大工大高との入場シーン)が流れ思わず見入ってしまい見続けることになった。

しかし、いくらドラマを見ても一向にオープニングシーンを見ることはなく、最終回になってやっとオープニングシーンを見る事になった。半年間2クールの放送だったので、長いのは当たり前だが本編でオープニングシーンをなかなか観れず、いつ見れるのかとモヤモヤしてたので最終回でやっと見れたときは感慨深かった。

半年待ったオープニング、二度の平山・清川の無言の会話シーン、そして試合後の滝沢監督号泣インタビュー、これを一話で一気に見てしまうとやっぱり泣いたのは無理もないと思った。

また滝沢は、ドラマの中で「信は力なり」「one for all all for one」という二つの座右の銘をよく口にしていたがこの言葉は滝沢が日本代表時代に監督だった大北辰之助に言われたもので、モデルはラグビー日本代表監督だった大西鐡之祐氏であり、山口氏が大西氏から説かれたものである。

一つ目の座右の銘である「信は力なり」は、山口氏が教え子たちを信じると決めてから、何度も何度も裏切られて、周りからは白い目で見られても最後まで子どもたちを信じ切った。

人に対しても自分に対しても、自分のやることに対しても、信じ切ること、やり遂げること。「信じる」「信念」という心の状態ではなく、実践を伴った行動そのものの「信」。そして最後まで信じ切る、やり遂げる、そのことこそが能力であり、才能だということ。やると決めたらどこまでも自分を信じて、信じ切ること。そういうことを言いたかったのだろう。

この言葉の本来の意味は孔子が国を治めるのに必要なものは何かと聞かれ、「兵」「食」「信」と答え、その中で最初に捨てるとしたら何を捨てるかと聞かれ、「兵」と答え、2番目に捨てるとしたら何を捨てるかと聞かれ、「食」と答え「信」があれば民から信頼されて「食」が集まる。「食」が揃えば「兵」が集まる。最初に「信」を捨てることは「兵」と「食」も捨てるのと同じ事で、「信」がなければ国が敗れても取り返すことはできません。「信」があるからこそ戦力が揃うということである。

つまり、どんなに有能なメンバーばかりでも、相手を信用出来ない場合はろくな結果は生まれないし逆に、多少無能なメンバーでも信用出来る場合は相乗効果で好結果が生まれるのかもしれない。

二つ目の座右の銘である「one for all all for one」はそもそも、日本ではラグビーの精神を表す言葉として有名であり、元々アレクサンドル・デュマの小説、三銃士での言葉と言われる。一般に「一人は全員のために、全員は一人のために」と訳されていますが、実際は、違うらしい。

なぜなら、後半の「one」は勝利とか目的と訳す方がいいらしい。なので本来は、「一人は全員のために、全員は勝利のために」と訳す方が原文の意味に近い。つまり、
・一人一人が全員のために責任を果たす人間になる、
・そんな一人一人が集まって全員で勝利に向けて一丸となって進んでいく、
ということが本来の意味だと思う。

少し穿った見方になるが、「一人が全員のために全員が一人のために」だと向かうべき目的も曖昧だし、他者依存的な感じがするのでまずは、一人一人が自立し責任を果たすこと。そして、チーム一丸となって勝利を掴むために立ち向かっていくことが重要だと思うし、その目的を果たすために「全員が一人のために」だったらしっくり来る。

この二つの座右の銘の事を書いたのには訳がある。今、自分はひふみよベースで働いているが施設に通ってるメンバーは心身にハンデを抱えている人が多く、自分は他の人に比べるとハンデが無いみたいなものなので作業の数は自然に多くなる。

そうは言っても一人でやるには限界があるし、無理なこともある。その場合にはスタッフや他のメンバーにも手伝ってもらう形になる。作業に対し自分一人ではなく何人かのメンバーと一緒に作業する方が成功しやすいし効率も全然違ってくるし、メンバーの一人一人が責任を持って作業することが大切である。

まさに一人が全員(目的、この場合は作業を終わらせる為に)の為という、二つ目の座右の銘に通じるものがあると感じる。ただし、他のメンバーはハンデさえなければ自分の何倍も仕事をするような優秀なメンバーなのでむしろ自分がメンバーの足を引っ張らないようにしているのが事実だ。

さらに、自分はもちろんのこと一緒に作業するスタッフやメンバーの事も信じないと出来ることも出来なくなる。作業をしているとうまくいかなかったり、失敗することも出てくる。その場合でも文句や不満を言うのではなくフォローやお手伝いをするのが重要であるし、自分やメンバーのことを信じ切ることが大切だと思う。

これは、一つ目の座右の銘にまさに通ずるものである。今回、スクール☆ウォーズを題目に書いたが今置かれた自分の環境に共感できる部分があったのでこのネタを書いて良かったたし、人間不信になってる自分が今、経験してることは先の人生にプラスになると信じてこれからもひふみよベースで働きながら一人立ちしたい。

最後に、今回このお題を書くきっかけとなったのは、今、凄い泣けるドラマが放送されておりひふみよのメンバーも観てる人がいて凄い泣けるドラマだと話していた。自分は、今までテレビや映画を見ても泣いたことがなく一度だけ泣いたことがあり、それがスクール☆ウォーズの最終回だったという話をしたら某メンバーさんがそのネタでライティング書けませんか?と言われ正直、スクール☆ウォーズでライティングを書こうとは全く考えてなく、その時書いていたお題が書けなかったので気分転換のつもりで書いたが、初めは書けるかと思ったが動画等を見返してるうちに色々と書くことが出てきて結局8000字を超えるものになった。

きっかけをくれた某メンバーさんには、本当に感謝しかありませんし、これを読んで少しでも何かを感じてもらえたのなら是非、動画を見てもらいたい。

ただ、残念なことにYouTubeにアップされてる動画に全話入ってないので出来ればDVD等を借りて見て欲しいです。

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