チャットGPTとは救世主か、それとも……
チャットGPTとは最新鋭のAI『人工知能』の文章作成ソフトのことで、50兆の言語から編み出されるその能力は近い将来、人類の叡智を超えようとしている。テレビ番組やネットニュースで耳にした記憶のある人も多いだろう。モーニングショーで直木賞作家の今村翔吾さんがチャットGPTの描く小説が近未来、人間を超すのでは、と危惧していた。ある意味、パンドラの箱が開かれてしまったのかもしれない。趣味で小説投稿サイトに自作をアップしているアマチュア物書きとして、チャットGPTにこれからの文学のことを尋ねてみたかったので、思いがけない結果になった。
ざっくり
三島由紀夫の文体はAIにとっていちばん修得が難しいらしい?
私がいちばん好きな小説家は三島由紀夫だ。その豪華絢爛な文体、確かな審美眼、洞察力に満ちた思想観念など、語ればファンとして、話は尽きない。私の記憶違いかもしれないが、AIが小説の中でいちばん修得が難しいとされている小説家の文体の中に三島由紀夫の華麗なる文体だ、と耳に挟んだことがあったので、早速チャットGPTにログインし、最初の質問をしてみた。三島由紀夫の文体は確かに個人的な感想としてもAIが学習するのは難しそうだし、三島由紀夫の文体さえもAIが学習したらどうなってしまうのだろう、と怖さも覚えた。
≪質問≫星と令和の時代の少年をモチーフにした三島由紀夫のような文体のショートショートを作成してください
『星と令和の少年』
星が輝く令和の夜、少年は空を見上げていた。彼は、星の輝きに魅了され、その美しさに圧倒されていた。
「この星たちは、いったいどこから来たのだろう?」少年はひとりごとをつぶやいた。
彼は、星の神秘的な輝きに心を奪われ、その美しさに感動していた。彼は、星たちの輝きを眺めながら、自分自身の内面に問いかけました。
「私は、この星たちに勝るとも劣らぬ才能を持っているのか?」彼は自問自答しながら、自分自身を見つめていました。
そして、彼は決意しました。「私は、この星たちに負けないように、自分自身を磨き、成長することが大切だ」と。
星の輝きが彼を鼓舞し、彼は自分の目標に向かって努力し続けた。そして、彼は星たちのように輝くことができた。
星が輝く夜、彼は自分自身を見つめ、その輝きを感じながら、自信と誇りを持っていました。
「私は、この星たちに負けない、自分自身を磨き上げた男だ」と。
※ここからは私が書いた文章です。ちゃんと人間ですよ。
三島由紀夫の華麗な文体からはまだまだ程遠いですが、もし、このショートショートが学校の課題として提出されたら遜色ないように私は感じました。今の時点でこれくらいのレベルをAIが描くとしたら数年後にはどうなっているのだろう、と同時に怖くなりました。今村翔吾さんがモーニングショーで語っていたようにAIが人間が描く小説を超えたら、多くの作家が廃業してもおかしくない……と思う反面、これはチャンスかもしれない、と私はチャットGPTを駆使しながら、決断しました。
実はイーロン・マスク氏、チャットGPTの開発会社の創設者の1人だった。2018年に役員を辞めたが、チャットGPTについて「怖いくらい優れている」と述べていた。 https://t.co/gwRH7gWAB5 pic.twitter.com/02WFpu09UW
— ロイター (@ReutersJapan) March 4, 2023
チャットGPTを使いこなすために問われる質問力
チャットGPTを使って感じたこと。それは質問する側の人間の文章力が相当数に問われるということ。質問する内容も簡単な内容だけでは具体性に乏しく、質問する側が思い描くような作品が提示されない可能性もあるかもしれない。もちろん、偶然が偶然を呼んで思いも寄らなかったような作品が生まれる可能性も秘めている。その質問力を鍛えるためには多くの書物を読み、読解力を鍛え、審美眼を養うことが大事。
AIと人類が共存するためには今以上に読解力が問われる時代に来ているのかもしれない。
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