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時代の流れで変わる、価値観の正解『奇書の世界史』

秋です

涼しく秋らしい季節になってきました。秋はスポーツの秋や食べ物の秋などたくさんの秋があります。ですが今回は読書の秋ということで私の好きな本を一冊紹介したいと思います。
世にも珍しい「奇書」を扱った一冊です。

奇書とは

「奇書」といえば「日本三大奇書」の『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、この本ではそういった「作者が狙って書いた奇書」ではなく「いつの間にか奇書として扱われてしまった」そういった本を紹介しています。

これは、良書か、悪書か?

本書で紹介する奇書とは、数“奇”な運命をたどった“書”物です。

「かつて当たり前に読まれていたが、いま読むとトンデモない本」
「かつて悪書やフィクションの類と目されたが、いま読めば偉大な名著」

1冊の本を「昔」と「今」の両面から見ると、時代の流れに伴う価値観の「変化」と「差分」が浮かび上がります。
過去の人々は、私たちと比べ、「どこまで偉大だったか」「どこまで愚かだったか」――。
そこから得られる「教訓」は、私たちに未来への示唆を与えてくれるでしょう。
Amazonから引用

ここからは、私が面白かったと感じた本を3つ紹介していきます。

「野球と其害悪」

「東京朝日新聞(今の朝日新聞)」に22回にわたって掲載されたコラムです。
今でこそ人気のあるスポーツの野球ですが、当時はかなり批判されました。この批判は元スター選手だった生徒まで巻き込んで発展していきます。
私はあまりスポーツに詳しくありませんが、このコラムを読むと「『新しい』に戸惑う人々」の心境、現代の「さわやか」な野球のイメージができた訳を察せられます。

「穏健なる提案」

1729年に発売された論文です。
著者の故郷、アイルランドを救うために出されたこの論文には「子供を食料として売る」という非常にショッキングな事が書かれています。しかし、この章を読んでいるとこの「穏健」な提案は本当に「穏健」な提案だったのか考えさせられます。

「月世界旅行」

世界初のSF小説です。
この小説の原稿は2008年に国際宇宙ステーションに送られました。なぜこの小説が宇宙に送られたのか。それは偉大な「ロケットの父」を生み出すきっかけになったからです。ここから始まる宇宙へのリレーは読んでいてとてもワクワクしました。

最後に

私がこの「奇書の世界史」を知ったのは、まずこの著者が投稿していた動画のファンだった事がきっかけです。
世界の奇書をゆっくり解説 第1回 「魔女に与える鉄槌」

とても丁寧な作りでおしゃれな雰囲気の動画です。毎回投稿されるのを楽しみにしていました。ずっと見ていた動画の作者がこの本を出すと知り、本屋に足を運んだのを覚えています。
この本に紹介されている奇書のいくつかは動画があります。活字が苦手な方や、どんな内容か気になる方はまず動画を見てみるのはいかがでしょう。

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